やっちまったなぁ日産…新CMに賛否両論
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年10月14日)
・LEAF vs SPORTS CAR | 日産リーフ技術篇 30秒
(YouTube、2015年10月9日)
リーフがゼロヨン対決をして、
180SXを負かす、日産のCM。
既に各方面で話題沸騰…というより炎上していますね。
EVやハイブリッドやPHEVは、出だしは電動モーターで強力且つ滑らかに加速するので、瞬発力なら内燃機関に勝るといいます。
内燃機関は、どんなにアクセルを踏み込んでも、徐々に徐々にしか加速しない。だからタイムラグがどうしても生じる。
それがモーターであれば、いきなり100%の力を出し切れる。
これが技術の進歩というものですね。
リーフに限らずプリウスでも、エコカーと言いながら、その瞬発力は中々に侮れない。
だから、内燃機関でもそんなモーターの利点を取り入れるべく、排気ガスだけでなく電気で過給機を回す「
電動ターボチャージャー」というものが開発されました。
(正確には、技術自体は以前からあり、業務用冷蔵設備などに使われていたものの、自動車用内燃機関に搭載されるようになったのはつい最近)
・燃費が1割改善~IHIの電動アシストターボ
(日刊自動車新聞、2010年10月14日)
・【噂】新型「WRX」は電動ターボチャージャーを採用!?
(autoblog、2012年5月8日)
・【レポート】アウディが電動ターボ+ディーゼルの600ps超え新型モデルを開発中!
(同、2012年12月18日)
・ボルボ、最高出力450hpのトリプルターボ付き2.0リッター4気筒エンジンを発表!
(同、2014年10月10日)
・フォルクスワーゲン、新型W12気筒エンジンを発表!
(同、2015年5月10日)
・アウディ、電動ターボを採用した「TT クラブスポーツ ターボ コンセプト」を発表!
(同、2015年5月10日)
・【レポート】「R8」や「ウラカン」に電動ターボ付き5気筒エンジン搭載の可能性が...?
(同、2015年5月30日)
・【レポート】メルセデス、AMGの次期型コンパクト・モデルに電動ターボを搭載か?
(同、2015年6月17日)
・アウディがターボチャージャーを搭載する「R8」のエントリー・モデルを検討中
(同、2015年7月20日)
・【人とくるまのテクノロジー展15】ヴァレオ、電動ターボを量産化
(Response.、2015年5月24日)
それをアピールするために、スポーツカーを引き合いに出したと。
車に限らずCMでは、過去の自社製品より優れていることをアピールするのが常道ですからね。
事実、洗剤のCMは「※当社比による」と謳って毎回そうやっています。
そこまでは解ります。
では、なぜ180SXなのか?
なぜGT-Rではないのか? なぜフェアレディZではないのか? なぜスカイラインではないのか?
現行車種ではなく26年も昔の車(設計時期を含めれば30年前)、それもフラッグシップではなく、(言い方は悪いかも知れませんが)より低廉な車種を持ってきた。
それも、180SXと名指しせず、「SPORTS CAR」と曖昧にした上で。そもそも180SXはスポーツカーではなくスペシャルティカーであるにも拘わらず。
それだけに留まらず、世間一般からの評判の良くないであろう、ドリフトカー仕様に殊更に改造して。まるで悪の権化と言わんばかりに。
そして、低廉であるが故に広く普及しており、現在・過去問わず、180SXオーナーは数多くいる(いた)。
だからこそ、好きで乗っている(いた)人々にすれば、虚仮にされたように感じるのは当然の話です。
しかも、詳しい人に言わせれば、戦いを挑んだ180SXは、後期型のNAモデルなんだとか。ターボモデルではなく。
その上、ゼロヨンならまだしも、もう少し距離を走らせれば、いずれ180SXのほうが追い抜けるエンジン特性だそうです。
成程…。
本来戦うべき相手でなければ、対等な相手でも、ワンランク上の相手でもない。
確実に勝てる相手に、確実に勝てる方法で、勝負を挑んだのですね。
なんとまあ小賢しいこと…。
そもそも、リーフを好きで乗っている人にすれば、スポーツ走行など求めているのでしょうか?
意図が不明瞭で、ひたすら不快感だけが残る、何とも後味の悪いCMです。
今の日産にとって、
901運動をしていた時代に生み出された車たちは、一刻も早く忘れ去りたい嫌な思い出でしかないのでしょうね。
あの頃の日産車に少しでも憧れた身としては、ただただ悲しくなります。
日産自動車という企業・日産の車種が好きで入社した人なんて、誰もいない。
だから平気な顔をして、
過去の栄光を貶めることが出来る。
外資、それも金融屋に乗っ取られた日本企業の末路を、如実に表しているように思えてなりません。
販売台数は鰻上りといっても、それは日本市場を見捨てて、中国と北米に傾倒した結果でしかない。
・日産の世界販売台数、6年連続で過去最高を更新!
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年10月27日)
・フランス政府「おいルノー、大統領選までに日産と合併しろや」→ゴーン「断る」
(同、2015年11月5日)
しかも、日産車が売れれば売れるほどに、親会社のフノーと、両者の大口株主であるフランス政府と、カルロス・ゴーンCEOだけが得をする。
日産従業員は誰一人として幸せにはならない。
そういえば、
「今の日産は、日本企業としての“日産自動車”ではない。グローバル企業の“NISSAN”だ」
という公式発言がありましたね。
あの一言に全てが集約されています。
即ち、プリンス自動車工業だった時代から脈々と築き上げてきた、日産としての伝統も社風も実績も理念も、ファンさえも、これからは全てを否定すると。
現在の日産の社風を象徴する、これはCMです。
・
MAZDA TVCM 「Be a driver. 2015 Roadster」篇 30秒 2015年10月~
(YouTube、2015年10月12日)
翻って、マツダの、ND型ロードスターのCM。
こちらも同じく過去との比較でありながら、扱き下ろすことは一切していません。
確かにNA型よりも最新鋭且つ高性能であることをアピールしていますが、それでも尚、オリジンへの惜しみない敬意が窺えます。
そもそもロードスターとはどんな車なのかといった、CMとしての本領も疎かにしていません。
そこもリーフとは大違い。
日産とマツダ、どちらの車に乗りたいと思わせるかは、言うまでもありませんね。
Posted at 2015/11/05 10:11:56 | |
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