世界最大の産油国アメリカが原油輸出解禁へ アラブ終了www
(ちゃんとめ!、2015年12月16日)
先日から国内ガソリン価格が安くなったとして、みんカラ内で話題ですね。
そこへ来て更に、安くなりそうな気配を感じさせるニュースです。
アメリカは元々産油国。
しかし安全保障上の観点から、国内で採れた石油資源を海外向けに販売することは、厳しく制限されていたといいます。
もっともそれだけでなく、アメリカは自動車大国だけに、わざわざ輸出せずとも、国内需要だけでペイできるという事情もあるでしょう。
それが近年では、採掘技術の発達により
シェールオイルが大量に採れるようになり、しかしそれはアメリカ企業が得意とする精製方法には向かないため、この度の輸出解禁となったそうです。
日本で売られている石油類は、中東産です。
原油に限らず、日本は元々天然資源の乏しい島国なので、海外からの輸入に頼るしかない。
正確には、新潟沖日本海をはじめ採れることは採れるけど、少量且つ採算が合わなさすぎるので、輸入したほうが遥かに安く大量に調達できる。
「これで日本も資源大国に!」と一時期話題となった
メタンハイドレートが未だ実用化されていないのも、それが理由です。
・
日本でガソリン採れないの?
(大艦巨砲主義!、2015年10月17日)

しかしアメリカのオバマ政権が弱腰であることと、中国共産党の半世紀にも及ぶ準備が整ったことが重なり、東南アジアの領海が中国の覇権主義によって脅かされています。
その中には、日本のタンカー航路も含まれています。
・南シナ海 米に懸念伝達「航行の自由作戦だけでは不十分」 河井補佐官
(大艦巨砲主義!、2015年12月15日)
・南シナ海の中国「領海」内への米艦再派遣、年内はない 米当局者
(同、同日)

或る日突然、何の前触れもなしに「お前は勝手に我が国の領海を侵犯した」と難癖を付けられ、折角運んでいた大量の原油をタンカー毎没収されてしまう……そんな可能性も、あながち非現実的ではありません。
現に、南スプラトリー諸島の公海にある珊瑚礁を埋め立てて、海軍基地を完成させたのは、間違いなくそのための下準備です。
何しろ中国は、
日中記者交換協定(
日中双方の新聞記者交換に関するメモ)によって日本国内では知られていなかっただけで、実は今までも周辺諸国でそんな揉め事をずっと起こしてきていたのです。
チベット、台湾、モンゴル、ウイグル、東ティモール、東トルキスタン、ウズベキスタン…。唯一、韓国だけが、生かさず殺さず。
日本だけが例外だと、なぜ言い切れるでしょう。
日本のエネルギー自給率は6%。
東日本大震災以降、原発再稼働が思うように進まない今、化石燃料への依存度は一層高くなっています。
1973年の
第一次石油危機のときよりも、状況は厳しいと言わざるを得ません。
にも拘らず、海路を断たれれば、日本は孤立してしまいます。
そうなれば、第二次世界大戦前夜における、
ABCD包囲網の再現です。
そして中国は、それを狙っている。日本をわざと怒らせて、堪忍袋の緒が切れるのを舌なめずりして待ち侘びている。
・
民主・枝野氏「海峡封鎖されて石油が止まる事が、武力攻撃を受けた場合と同等なんですか?」
(痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2015年3月4日)

だから安倍晋三政権では、「自由と繁栄の弧」と称して、日本にとって生命線である海路を守ろうとしているのですね。
(勿論目的は他にも色々ありますが)
そんな状況が一変し、仮にアメリカからも輸入できることになれば、中国による牽制を気にする必要もなくなりそうです。
調達先や取引相手を複数確保しておくことは、安全牌として必要ですからね。政治だけでなく、ビジネスでも、進学でも、就職でも、あらゆる立場のあらゆる局面で。
そうでなくとも、中東産原油は、このままのペースで行けば5年以内に枯渇するという情報もあるほどです。
それも、原油そのものではなく、採掘資金が。
ドバイバブルなどと持て囃されていましたが、どれだけ放蕩経営していたのやら…┐(;´~`)┌
・
サウジなど中東産油国、5年内に資金枯渇か!?
(大艦巨砲主義!、2015年11月23日)
もっとも、自分で言っておいてなんですが、中東よりも遥かに遠く、途中で休憩と燃料補給できる港も少ないので、実現の可能性は限りなく低いですがw
それなら中東を出発してオーストラリア経由で大きく迂回するほうが、遥かに現実的ですね。

この度のアメリカによる原油輸出解禁。
これは、同じく産油国であるロシアへの牽制が真意であるような気がします。
現在、
IS(イスラーム国)への対応や、
ウクライナ騒乱や
クリミア危機を巡って対立しているだけに。

最近では、中国も、原油やシェールオイルを産出・精製できるようになったというニュースもあります。
これは、遠回しに、世界中に中国への投資を呼び掛けつつ、アメリカを牽制しようという意図ですね。
何しろソースが、中国資本であるレコードチャイナからの発信だけに。
・
中国のシェールガス田、世界2位の規模に
(大艦巨砲主義!、2015年10月23日)
そしてドイツも、それらと同様長らく反米的な歴史を持つ国であり、今は中国と蜜月関係。
世界では、アメリカと、それら反米勢力による、水面下の鞘当てが進行しています。
ロシアが日本に熱烈に石油や電気を売り込もうとしているのも、日本を懐柔しようとする作戦なのでしょう。
・ロシア石油大手、本州向け電力供給を提案
(大艦巨砲主義!、2015年11月7日)
・日露パイプライン構想はプーチンの甘い罠?
(同、2015年11月28日)
・ロシア石油会社会長 新事業に日本参加を
(同、2015年12月12日)

そこでアメリカは、原油の輸出解禁に踏み切り、原油価格の世界的な暴落を引き起こすことで、反米勢力を封じる作戦に出たと。
勿論アメリカとて無傷ではいられないものの、少なくとも基礎体力に勝るほうが持久戦や消耗戦には有利であり、自分たちならそれが出来ると踏んだのでしょう。
序でながら、昨日発表された
FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)による金利利上げも、その一環かと。
今年の初夏に上海株式市場が大暴落をしたのは記憶に新しいところですが、全ての事象には因果関係がある。
どちらもアメリカによる経済戦争です。
・ブラジルで、人口の60%を追い詰める経済悪化が止まらない
(DARKNESS DUA、2015年8月31日)
・米利上げ前に世界中で大波乱 人民元、新興国通貨が急落 ジャンク債ファンド破綻
(大艦巨砲主義!、2015年12月17日)
・米FRB 利上げ決定 7年続いたゼロ金利政策を解除
(NHK NEWS WEB、2015年12月17日)
今や原油は、単なる天然資源ではなくなり、戦略物資にまでなりました。
今や戦争は、戦場で銃弾やミサイルが飛び交うものではなくなり、情報や資源を用いて静かに交わすものになりました。
考えようによっては、
第三次世界大戦は既に始まっているとも言えます。
それが、安くなったガソリン価格に表れているとも。
・
キリスト教vsイスラム教!ローマ法王が「第三次大戦」はすでに始まった!
(軍事・ミリタリー速報☆彡、2015年9月15日)
戦争とは、他の手段を以てする政治の継続であり、
政治とは、他の手段を以てする戦争の継続である。
──カール・フォン・クラウゼヴィッツ
Posted at 2015/12/18 09:09:02 | |
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