
スーパーカーは、確かに凄いし、憧れます。単純にデザインだって素直に格好良い。
そして、殆ど実車を見る事が叶わないからこそ、余計に物珍しさもある。
でも、人知を超えたハイスペックを備えているとしても、それを操れなければ意味がないと思うんです。
飼い殺しにするのは可哀想。かと言って、思う存分暴れさせるとどうなるか。
最近でもありましたよね。昨年末、フェラーリで中国道をツーリングしていたら玉突き事故を起こした一団が。
・「ものすごい音をたてて車が走っていった」フェラーリ6台大破、24台絡む事故…山口・中国道
(痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2011年12月4日)
・フェラーリなど多重事故で10人軽傷の事故に関して、フェラーリって乗りこなすのが難しいのでしょうか?
(Yahoo!知恵袋、2011年12月7日)
・海外の反応 - 日本でフェラーリ8台を巻き込む大事故 -
(とりいそぎ。、2011年12月12日)
過去にも、
ブガッティ・オトモビル ヴェイロン16.4で雨の日に全開走行をしていたら、スピンして全損したとか。
・
1億6300万円の高級車ブガッティ・ヴェイロンが一瞬でスクラップに
(GigaziNE、2007年12月10日)
誰かは忘れたけど、F1ドライバーがフェラーリを運転していて中央分離帯に激突し、飛んでいったタイヤの距離と車体の破損具合で物凄い速度を出していた事が発覚したとか。
『西部警察2003』のロケで、
TVR タスカンが見物客に突っ込んだという
事故もありましたね。
他様々、
こんなのも。
旗艦として、或いは何らかの記念として、スーパーカーを限定生産するのなら分かります。
常軌を逸したハイスペックというのも、車に関心がない人に対し、強烈なアピール材料となる。メーカーにとっても技術力や開発力や工業力のアピールにもなりうる。
スーパーカーとは非常に分かりやすいアイコンです。
でも恒常的に生産し、しかもそれがドライバーの操れる範囲を超えたスペックを有しているというのは、ちょっと違和感を覚えるのですよね。
それだけの性能があるのだから、きっと、1~2速に入れただけでいきなり80~90km/hもぶっ飛んでいくであろう事は、想像に難くないですし(確か、昔の
Option誌上で行われたゼロヨン対決で、
日産自動車 スカイライン・GT-R(BNR32)が正にそんな感じだったと記憶しています)。
そして何より、
有名F1ドライバーでさえも、公道ではスーパーカーで事故や違反を起こしているという事実。
そりゃそうだ。人間の動体視力や反射神経や反応速度には限界があるんだし。それを越えた車を、サーキットとは条件の異なる公道で、一般車と同じ感覚で、一般車に紛れて運転するとどうなるか。
かてて加えて、僕含めて、人間誰しも欲がある。「こいつにもっと本気を出させてやりたい」「こいつの唸り声を聞いてみたい」「限界性能を操ってみたい」など、車好きなら誰でも思う事を実行に移したら…。
スーパーカーとはその性格上、庶民的な日常使用を完全度外視しており、怪物的スペックにも係わらず非常にピーキーで扱いづらい。だから事故が起きるのは或る意味当たり前。
僕だったら怖くて乗れません。
そんな風に考えると、日本のスーパーカーは、世界でも特異な存在なのかなと思えてきます。
何しろ、スーパーカーでありながら誰でも乗れるんですから。
歴代GT-Rなんて、特にR32型以降は電子制御を多用した事も相俟って、普通乗用車として、日曜日にお父さんが家族を乗せてドライブできる。
これって考えてみれば凄い事です。
品質も信頼の日本製。
スーパーカーを語る際によく「イタリアの職人が一台一台手作りで…」と言われると聞こえは良いですが、実際には手作りの宿命として個体差が激しく、そもそも海外は根本的な品質管理自体が好い加減。
ボンネットやドアのチリが合わないとか、ウェザーストリップから雨漏りするとか、エンジンを切ってもメーターがゼロを指さないとか、パワーウィンドウが動かないとか、タイヤハウスとホイールベースがちぐはぐだとか、前輪の片方はフェンダーからはみ出していて反対側は引っ込んでいるとか…。
一台一台症状が違い、しかしそれが当たり前の世界。
そんな欧州製スーパーカーに対し、安定した日本の職人技。
価格だって、
DBA-R35型に至っては、同等の性能を持つ外国産スーパーカーと比較しても、赤字覚悟の出血大サービス。
本田技研工業 NSXだって、中古価格は一時期に比べれば大分こなれてきているようです。
その代わり、R35型に至っては、出自や職業や年収や社会的な立ち位置や過去の運転履歴など事細かく身辺調査をされ、オーナーとして相応しいかどうかの審査を受けるのだとか。
晴れて審査を通過しても、今度はオイル交換やタイヤ交換などのスケジュールも厳密に管理される。社外製ホイールへの交換さえ御法度だそうで、自由を割り込ませるだけの余地がなさすぎる。
スーパーカーらしいといえばらしいですが。
それに、個人的には、日本のスーパーカーは洗練されすぎていて、逆にオーラを感じないのが残念ポイント。
「量産品」「工業製品」「感情を持たない冷たい機械」としか映らない。
まあ、買えない貧乏人の僻みです(;´∀`)
それらを総合した上で思うのですが、たまに「フェラーリww。」「ランボルギーニww。」「カウンタックww。」「ベンツww。」「痛スーパーカーじゃなイカ!ww。」「あっるぇ、今日も痛スーパーカーをホイホイしてしまったでゲソww。」「知り合いのですww。」などと連呼しながら大はしゃぎされている人を見ると、本当に分かってるのかなあと疑問に思う時があります。
正直、
スーパーカーが好きなのではなく、スーパーカーという名のブランドが好きなだけのスペック厨としか。
同じスーパーカー好きにしても、こういう人のほうが好きですね。
・
年収280万がフェラーリなんて持つな><
(アルファルファモザイク、2011年12月27日)
本当にフェラーリが大好きなんだなというのが感じられて、好感が持てます。
ヲタクの鑑です。
こういう人は応援したいですね。
ともあれ、車選びは、スペックやブランドよりも、まずは身の丈に合っているかどうかを優先したいものですね。自分で操れるだけの性能やサイズかどうか。
或いは、踏み込みたくなる右足を抑えられるかどうか。
ドライバーとしての資質は、まずはそこから始まるんではないでしょうかね。
Posted at 2012/04/22 01:52:11 | |
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