2011年05月23日
若いころより感覚が鋭くなった ・・・ 走りの楽しさについて
18歳で免許とりたてのころ。
ただ走っているだけで楽しかった。
行動半径が広がって、知らない土地に自由にいけることがうれしかった。
20代前半のころは夜な夜な峠を走りまわっていました。
そのころはあまりクルマの挙動を感じ取るという走りではなく、
タイヤのグリップの限界で走らせるという感じでした。
そのうち峠を走っていても、人には認めてもらえないと思い、
20代中ごろから後半にかけては、レーシングカートをやりました。
1:1のステアリングなので、ハンドルはていねいにきらなきゃいけない、
アクセルはていねいに開けないとすぐテールスライドする、
ブレーキはリアしかついていないので、乱暴に踏むとすぐスピンする、といった状況で
とにかくあらゆる操作をていねいにすることに集中していた時期でした。
レース中の他車の追い抜き方や間合いのとりかたなど、レースの楽しさを味わい始めて
いましたが、かみさんと知り合い、レースは1年あまりでやめてしまいました。
32歳のとき、仕事で椎間板ヘルニアになり、きたない話ですが大便をするのも大変な
状態になりました。当然、クルマに乗るのもつらくなりました。
いろいろ治療してなんとか少し良い状態になりましたが、ギックリ腰にもなったりして
足回りがガチガチだったり、シートが悪いクルマには乗りたくなくなりました。
そのかわり、体力がある若いころには気づかなかったことに気付けるようになりました。
それは腰が悪くなったこともありますし、仕事を変えたことも影響していると思います。
現在ビル管理の仕事をしていますが、ビル管理の仕事はビルの設備を点検しに行って異常が
ないか確認し、不具合があれば直すことが基本となりますが、異常に気付けるようになるには
ある程度の経験が必要です。
仕事で身につけた「異常に気付ける」というスキルが、クルマのちょっとした動きの違いに
気付けるベースにもなりました。
体力はなくなりましたが、いろいろな経験によって自分の感覚が若い頃より鋭くなって
走りの楽しさを求める部分がだいぶ変わりました。
いま走りの楽しさを何に感じるか。
それは 「あらゆる動きがリニア(比例)であること」 です。
40km/h程度でも、動きがリニアで自分が楽しいと感じるクルマを求めるようになりました。
ホンダのtypeR系も限界まで攻めれば動きはリニアかもしれませんが、
あのようなサーキットスペックのクルマは欲しいと思わなくなりました。
たとえば、ステアリングをきったとき、最初は切れ込みが良すぎるくらいだけど、
45度以上切ると急にダルになるとか、動きが切れ込む量に比例して変化しないと
違和感を感じて楽しくないと思いませんか?
アクセルを踏んだときに、最初に踏んだときに「ぶわっ」と出るけれども、それ以上
深く踏み込んでもエンジンのレスポンスがついてこないとか。
演出としては素人にはわかりやすいかもしれないけれども、
これも踏んだ量に比例してパワー感が徐々に盛り上がるよう変化しないと楽しくない。
ブレーキにしてもそう。最初から効きすぎるブレーキは操作がしづらい。
逆にストロークの途中まで反応がなくて、奥まで踏んだときに急に効くのも操作しづらい。
これもやはり、踏んだストローク量に比例して効かないと気持ちよくないし、楽しくない。
サスペンションもしかり。カーブでロールするときに、ステアリングを少し切っただけで
急に 「がくっ」 ってロールするクルマだったら怖いですよね。
荷重をじわっとかけたら、じわっとロールして、早くステアリングを切って早く荷重をかけたら、
ロールも早くなるといった変化のしかたが一定の足回りじゃないと楽しくないと思います。
自分は今、免許をとったころの原点に戻って、ただ街中を走っているだけで楽しいと思える
リニアな挙動のクルマに出会えたらいいと思っています。
残念ながら日本車には、そういったクルマがほとんどないのが現状だと思います。
GT-Rやランエボやインプレッサなど、一部の極限の性能を追求し、値段も高価なクルマでしか
楽しめないという現在の日本の環境は、確実に若者のクルマ離れを促進しているように思えて
なりません。
日本のメーカーも、特殊なクルマではなく実用車などの走りを真剣に磨いて、街中を走っている
だけでも「楽しい」、「気持ちいい」 と感じられるクルマを作ってくれたら、
クルマに興味がない、ゲタ代わりに使っているような人にでも、クルマを運転する楽しさを
もってもらえるんじゃないかという気がしています。
ちなみにVWゴルフやポロはドイツ本国では単なる実用車ですが、立派に街中でも気持ちいい
走りをしてくれます。
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Posted at
2011/05/23 23:14:34
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