7/17(日)に試乗してきました。デミオはデビューしてから乗ったことがなかったので、スカイアクティブの登場を機に、乗ってみようと思いました。
●外観デザイン
個人的には結構好きです。リアのLEDテールランプもカッコイイと思います。Aピラーが寝すぎているのと、リアの天井が絞りもまれているため、フロントリアともに室内の頭上に圧迫感があるのが残念です。その代わりにアンダーパネルまで採用して空気抵抗係数を減らし、0.29という優れた値を得ています。ピラーが寝ているわりにはサイドウィンドウが下までさがっているため、開放感は失われていません。
スカイアクティブ採用にあたり、キセノンヘッドランプをつけるスペースがなくなってしまい、オプションですらも設定がないとのことです。プリウス、リーフ、アイミーブなどはオプションあるいは標準でLEDヘッドランプなのですから、スカイアクティブの先進性をアピールする意味でも、LEDヘッドランプにでもしてくれればよかったんじゃないかと思いました。結構値段が高くなってしまうんでしょうかね。
全長3900mm×全幅1695mm×全高1475mm
ホイールベース2490mm、車重1010kg
●エンジン
今回の主役はココです。
1.3リッター直列4気筒DOHC直噴エンジン
62kW(84ps)/5400rpm、112Nm(11.4kgm)/4000rpm
圧縮比14を実現したスカイアクティブテクノロジーはいままでのエンジンとどう違うのか?
体感上では以下のメリットがありました。
・エンジン単体の静粛性が非常に高い(直噴エンジン特有のカラカラ音がしない)
・回転がスムーズ
・振動も少ない
フィーリングとしては、ホンダやスズキのように軽い回りかたではなく、硬質な感じがします。どちらかというとドイツ車に近い感じでしょうか。
アイドリングストップ機能付ですが、いままでのマツダのアイドリングストップに比べ、
・補助バッテリーを廃止し、メインバッテリーを大型化
(ボンネット下に収まらないため、専用サイズ)
・再始動までの時間短縮
となっているそうですが、再始動時間はそれほど早いとは、体感的には感じませんでした。
●トランスミッション
CVTですが、マニュアルシフトはありません。
マイナー前に比べ、エンジンを回す方向に再チューニングしていると店の人は言っていましたが、滑りをすごく感じて、ダイレクト感に欠けます。踏んでからワンテンポ遅れて回転が上がってくる感じで、回転が上がってきたときにはもうパワーはいらなくて、アクセルを戻してといった感じでアクセル一定の運転がしづらかったです。ボタンで切り替えるスポーツモードのようなものもありましたが、試し忘れました。
●ハンドリング
電動パワステですが、接地感があり、微小な舵角でも応答し、切り込んでいってもイメージしたラインとずれてくるような違和感はありませんでした。
●足回り
サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームです。
タイヤはサイズが175/65R14 82S、銘柄はヨコハマASPEC A349Vです。
最近流行りのエコタイヤではなく、走りと乗り心地なども考えられたタイヤの選択だと思います。
ボディの剛性感は結構あります。足回りはスポーティーといえばスポーティーですが、もう少し低速でのゴツゴツ感をなくして乗り心地を良くして欲しいと思いました。標準の1.3リッター車よりもアルミホイールのリム幅を1/2インチ狭めて、バネ下重量の軽減をはかっていますが、それが乗り心地のよさに生きていないのが残念です。
●ブレーキ
フロントがベンチレーテッドディスク、リアがドラムです。
回生ブレーキ付きで、アクセラの倍の回生率だそうで、回生が強いと違和感を感じるかと思いましたが、特にそういったことはありませんでした。
●静粛性
エンジンの静粛性が上がったことで、結果的に静かにいます。その分CVTの「ヒューン」という音が多少目立ちますが、気になるほどではありませんでした。
●シート
フロントは国産車にしてはめずらしく、座面が少し長いです。底つき感はありません。背もたれはやや平板ですが、我慢できる程度です。リアは逆に座面が短く、背もたれはフロントと同じでやや平板な感じでした。
それにしてもリアの分割可倒がオプションとはびっくりです。
●内装(インパネ)
デビューした当初はアクの強い個性的なデザインだと思いましたが、実際に乗ってみると、結構気に入りました。
運転席と助手席の間が通れるようになっているのもいいと思いました。
メーターは小ぶりで、タコメーターや液晶ディスプレイの文字が少し見にくいですが、ブルーを基調にしていて結構気に入りました。
●ラゲッジスペース
VDA方式で250リッターの容量で、この小柄なボディデザインにしては十分な容量ではないでしょうか。スイフトよりはよっぽど広いです。
クルマとして、よくできていると思いました。唯一残念なのが足回りのゴツゴツ感です。私がこのクラスでとても気に入っているスイフトと比べると、乗り心地ではスイフト、リアシートの居住性やラゲッジスペース等のパッケージングを考えるとデミオでしょうか。実際の燃費に関してはデミオはアイドリングストップがついて18km/ℓ、スイフトで16km/ℓくらいだそうなので、使い方によってはそんなに変わらないと思います。
デミオも走りはよく甲乙つけがたいですが、乗り心地を重視する私だったらスイフトを選びます。
それにしてもいまの日本車は価格が高いですね。1.3リッターのコンパクトカーが、ナビがついているとはいえ200万円もするなんて、私の感覚が古いだけなのでしょうか。
毎度書いていますが、欧州車とそれほど変わらない値段なんですよね。VWのポロが安いグレードで213万円で諸経費込みで250万円くらいでしょうか。ナビや革巻きステアリングはないですが、6層も塗っているボディの塗装、10万キロ乗ってもへたらないシート、レーザー溶接やホットプレス工法で剛性が高いボディ、ハイオク仕様だけれども18km/ℓは走る1.2リッター直噴ターボエンジン、横滑り防止装置やカーテンエアバッグなどフル装備の安全装置など、クルマの基本となる性能から考えたらバーゲンプライスとすら思える仕様です。もちろんハンドリングや乗り心地もすばらしい。
外車ディーラーの敷居が高いと思っている方がいらしたら、ぜひその気持ちを乗り越えて、気軽な気持ちで乗ってみて欲しいと思います。実際VWあたりだったら、まだ庶民的だと思います。
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2011/07/23 01:23:31