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2011年09月03日

日産の歴史見てきました(その3) ・・・ 日産創業者 鮎川義介

(前回の続き)

だいぶ間があいてしまいました。
快進社がメインのイベントだったため、鮎川義介氏についての資料は多くはありませんでしたが、
本に書いてあったことも付け加えて紹介したいと思います。



1880年(明治13年)   11月6日、山口県山口市で長州の名門士族、大組の嫡男として生まれる
                 井上馨侯爵の庇護のもと、エンジニアをめざすよう申し渡される

1900年(明治33年)   東京帝国大学 工科大学機械科に入学
                 大学卒業後、「芝浦製作所(現東芝)」で身分・学歴をいつわって入社
                 職工として2年間働き、鋳物に出会い、魅了される

1905年(明治38年)   鋳物(可鍛鋳鉄)の技術を学ぶため、アメリカ ニューヨーク州バッファロー
                 市郊外デビューの町にある「グールド・カプラー社」の鋳物工場でも身分
                 ・学歴をいつわって働き、技術を習得
                 工場主グールド家のホワイトというガソリン自動車で自動車を初めて知る
                 とともに、自動車産業に興味を抱きつつ帰国

1908年(明治41年)   鋳物工場設立のため、設備の買い付けに再び渡米

1910年(明治43年)   30歳のとき、福岡県に「戸畑鋳物㈱」(現日立金属㈱)設立
                 当時は舶来信仰が強く、創業から3年は赤字続き              
                 主力商品に育てようとしたものは、鉄道用の車輪やレール、鉄管継手
                 出資者の一人貝島氏の「貝島炭鉱」でトロッコの車輪、捲上機のバケット、
                 チェーンに試験採用し、耐久性等で評判となり、その後筑豊炭鉱一帯で
                 「ひょうたん印」の戸畑鋳物ブランドが広まっていった

1914年(大正3年)    第一次世界大戦勃発により、舶来品の輸入が途絶え、需要が急増
                 「大戦景気」に沸く

1918年(大正7年)    第一次大戦終結後、舶来品の輸入が再開されるも、鉄管継手の分野では
                 欧米製品を駆逐

1921年(大正10年)   大戦後の不況により経営が行き詰っていた「帝国鋳物」を買収

1922年(大正11年)   ・大阪木津川に鉄管継手専門の工場を建設
                  生産能力を4倍の400万トン/年に増強
                  日本随一の流れ作業の工場として有名になる
                  ・「共立企業」を設立
                  大戦後の不況で業績が悪化しているが、将来性のある会社を買収
                  するための別会社を設立
                  営業担当は山本惣治
                  買収は2社で電話機の「東亜電機」と玉鋼の「安来製鋼所」
                  自動車工業進出の足がかりとなる

1923年(大正12年)   9月1日「関東大震災」
                    
1924年(大正13年)   「鋳物研究所」を設立
                 これまでの反射炉を「電気炉」に切り替え、さらに「電気焼鈍炉」にし、
                 焼鈍時間を10日から30時間に短縮する

1925年(大正14年)   ・鉄管継手の輸出に取り組む
                  ・フォードが日本進出
                  横浜・子安でノックダウン生産開始

1926年(昭和元年)    妹キヨの夫、久原房之助経営の「久原鉱業」が経営危機に
                 鮎川が立て直しを行う

1927年(昭和2年)    ・可鍛鋳鉄の英米輸出にも成功
                 ・金融恐慌が起こる

1928年(昭和3年)    ・GM(シボレー)が日本進出
                  大阪でノックダウン生産開始
                  鮎川は部品納入に挑戦する
                 ・鮎川は「久原鉱業」を持ち株会社とし、株式を公開
                  恐慌により銀行からの融資もままならないため、日本で初めて
                  一般の投資家から資金を調達する方法を考え出した
                  自身は社長となり、社名も「日本産業」に改めた
                  社名には、日本の産業・公益に資するために事業を行うという意味が
                  込められていた

1931年(昭和6年)    ・5月5日「ダット乗用車完成」
                  鮎川のもとに山本惣治が話を持ち込む
                  91型試作車を見た後、
                  久保田鉄工所から株式を買い取り、100台の生産を決める
                  ライバルはオースティンセブン、モーリスマイナー
                  実際の生産は
                    1931年(昭和6年)     10台
                    1932年(昭和7年)    150台
                    1933年(昭和8年)    202台
                    1934年(昭和9年)   1710台
                    1935年(昭和10年)  3800台 4月から工場稼動
                                           片山豊氏もラインオフを見守る
                    1936年(昭和11年)  6163台
                    1937年(昭和12年) 10217台

                 ・9月18日、「満州事変」の勃発で戦争景気に沸く

1933年(昭和8年)    ・「ダット自動車製造株式会社」が石川島自動車製作所に吸収合併され
                 「自動車工業」となり、軍用保護自動車(トラック等)の生産に専念

                 ・9月、大阪に「戸畑鋳物自動車部」を設立
                  「自動車工業」からダットソンの製造権と製造設備を買い取る

                 ・12月、「自動車製造株式会社」を設立
                  戸畑鋳物と日本産業の折半出資により設立
                  鮎川は戸畑鋳物幹部、村上政輔、山本惣治、久保田篤次郎、浅原源七
                  に自動車工業進出する決意を伝える              
                  横浜子安にダットサンの量産工場を建設開始
                  建設責任者は山本惣治

1934年(昭和9年)    6月、「自動車製造株式会社」を日本産業の全額出資とし、
                 「日産自動車株式会社」に改称する

1935年(昭和10年)   4月12日、横浜工場が稼動、ダットサン1号車ラインオフ

1936年(昭和11年)   ・5月、「自動車製造事業法」が公布
                  米国は「日米通商航海条約」に違反する旨を日本側に伝えるも
                  既得権が認められたため、静観する
  
                 ・12月、自動車に関する輸入関税の改定になり、
                    完成車は50%→70%
                    エンジンが35%→60%

1937年(昭和12年)  ・7月、「日華事変」の勃発、戦火は中国全土に拡大
                  統制経済となり、ダットサンも生産中止に追い込まれる
                 ・外国為替管理法の改正により、外国への送金が制限された
                  これにより、フォード・GMが大打撃を受ける
                 ・12月、鮎川は国策により日本産業を満州に登記移転し、社名を
                  「満州重工業開発」とし、総裁となる

1939年(昭和14年)  ・日本フォード、GMが撤退
                  7月26日、米国は「日米通商航海条約」の破棄を通告
                 ・5月、「満州自動車製造」設立、理事長に山本惣治が就任
                 安東工場に撤退した日本フォードの組立ラインを移設したが、
                 資材不足のため一部稼動のみで終戦を迎えた

1940年(昭和15年)   1月26日「日米通商航海条約」が失効

1941年(昭和16年)   12月8日真珠湾攻撃により「太平洋戦争」勃発
                 翌12月9日、中国が日本に宣戦布告し、第二次世界大戦へと発展

1942年(昭和17年)   12月、鮎川は満州の工業化に挫折し、失意のうちに任期5年を迎え
                 総裁の座を高崎達之助に譲り、帰国する

1945年(昭和20年)   ・8月15日 終戦
                  ・12月17日、鮎川はA級戦犯容疑で逮捕される
                  2年間獄中で過ごしたのち、釈放される

1953年(昭和28年)   74歳で参議院議員に立候補し、初当選

1959年(昭和34年)   6月の選挙で違反し、逮捕される。12月末に道義的責任をとり議員辞職

1966年(昭和41年)   2月19日、サニーの車名発表会に立ち会う

1967年(昭和42年)   2月13日、急性肺炎により死去(享年86歳)、多磨霊園に眠る

私には最近の日本車がエコ一辺倒で、作っている人の「思い」の込められていないものが多いと感じています。
満州重工業開発での挫折以降は、戸畑鋳物、日産自動車設立時のような輝きはありませんが、
鮎川氏の鋳造技術や自動車産業に対する「情熱」は、日本の自動車産業で働いている方々に
ぜひ知ってもらい、クルマづくりに情熱をもって取り組んで、見た瞬間にワクワクして欲しくなるような
クルマをたくさん作ってもらいたいと思っています。


参考文献 「ダットサンの忘れえぬ七人」下風憲治著、三樹書房
        「世界の名車をめぐる旅」高嶋鎮雄著、二玄社

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Posted at 2011/09/03 22:05:47

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