燃費と走りを両立するクルマということで、乗ってみたいと思っていました。みなさんの期待もかなり高いようですね。
試乗車 Polo BlueGT BLUEMOTION (FF、7速DSG) 263万円(税込)
●外観デザイン
結構期待して見に行ったんですが、実物は意外おとなしく感じました。フロントのバンパーはGTIと同じ形状で、フォグランプがないだけですね。ドアミラーがブラックになっています。アルミホイールは専用品。このデザインもおとなしく見えた要因かと思います。

全長3995mm×全幅1685mm×全高1460mm、ホイールベース2470mm
車重1170kg、前軸重750kg、後軸重420kg (重量配分F64:R36)

リアバンパーもGTIと同じ?専用品です。リアスポイラーの下、ハッチのガラスの両サイドに黒い空力パーツがついていますね。ゴルフⅦGTIにも装備されているものです。
●エンジン
1.4リッター直列4気筒DOHC直噴水冷インタークーラー付ターボ、気筒休止システムの”アクティブシリンダーマネジメント(ACT)”を搭載しています。
スペックは103kW(140ps)/4500-6000rpm、250Nm(25.5kgm)/1500-3000rpm。
GTIに慣れてしまっているので、排気量なりのトルクの薄さは感じますが、十分速いです。直接乗り比べたわけではありませんが、以前試乗した1.2リッターに比べて劇的に速いという感じはしませんでした。VWのTSIエンジンはどのモデルもターボの効き方が自然で、アクセルの踏み加減にリニアにパワーが出るところがいいですね。
気筒休止システムはゴルフよりも頻繁に働いていて、加速時にも働いているときがありました。相当燃費には効いていると思います。
音は悪くはないけれども、やる気にさせてくれるような音ではありません。”GT”ということで、”GTI”とは差をつけているのでしょうか。もう少しスポーティーな音にしてほしかったですね。
燃費はJC08モードで21.3km/ℓと、かなりいいです。このパワーを味わえてこの燃費であれば申し分なしです。
●ミッション
乾式7速DSGで、パドルシフト付です。シフトショックや変速のタイムラグ等の感覚はゴルフⅥと同様です。ゴルフⅦほど良くはありません。
●ハンドリング
電動油圧パワーステアリングです。デザインや握りの太さはゴルフⅥGTIのものと同じです。GTIよりも気持ち軽めですが、センター付近の遊びも少なく、しっかり感があって路面の感触も伝わりやすいです。切った分だけイメージどおりに素直に曲がっていくフォルクスワーゲンらしい癖のないハンドリングです。GTIに近い感触がとても気に入りました。
●足回り
フロントがストラット、リアがトレーリングアームです。
タイヤはダンロップSP SPORT MAXX、サイズは215/45R17 87Vです。
多少ノーマルよりも固いといった程度で、乗り心地と走りを両立させている感じがします。コーナーでも適度にロールします。
またGTIはフロントヘビーですが、こちらのほうがさらにフロントヘビーに感じました。リアが軽く浮いているような感覚で、GTIのような安定感がなく、少し頼りない感じがしました。
●ブレーキ
フロントがベンチレーテッドディスク、リアがディスクです。
効きに違和感はありませんでした。
パーキングブレーキはハンド式(革巻き)
●静粛性
GTIよりも劣りますが、特に不満になることはありませんでした。
●シート
操作は手動で、リフター付。リクライニングはダイヤル式。シートの大きさが身長164cmの私にはちょうどよくホールドも適度で、気に入りました。座っているときにおしゃれな色使いが見られないのは残念です。ブルーの部分はスエード調のアルカンターラで、手触りがいいです。

リアシートは試す時間がありませんでした。
以前通常モデルに乗った印象では、クッションの角度が上向きにつきすぎていて、体がくの字に曲げられるような感覚で、あまり快適な印象はありませんでした。
●内装(インパネ)
デザインはゴルフⅥに似ていますが、インパネのセンターがちょっと高めで、ゴルフより圧迫感を感じます。良く解釈すれば、囲まれ感がある、タイト感があると言ったらいいのでしょうか。
ゴルフと比べるとちょっとエアコンの操作まわりなどに安っぽい感じがしますが、不満に思うほどではありませんでした。
メーターはいい画像がなかったので載せていませんが、ノーマルモデルと変わりません。
●安全・快適装備
シティ・エマージェンシーのような最近はやりの安全装備はついていません。
オートクルーズすらないのは残念です。
●ラゲッジスペース
容量は280リッターです。このクラスの標準的なサイズですね。底は2重になっています。リアシートが今時めずらしいダブルフォールディング式で、折りたたむのに多少手間がかかりますが、こちらのほうが、床が平らになっていいという方もいらっしゃるでしょう。
クルマの魅力とは難しいもので、総合的によくできているからといって、自分にとって魅力的なクルマかというと、そんなこともないんですよね。このポロブルーGTは自分にとってはまさにそんなクルマで、トータルではよくできていると思います。しかしあまりに自分がGTIに慣れすぎてしまったのか、なにか刺激が足りないというか、物足りない感じがします。具体的には刺激の少ない外観デザイン、エンジンの音とか加速感、足回りの仕上げ、最新の安全装備がないなど。トータル性能では劣るかもしれないけれども、ラテン系のクルマのほうが趣味車としては楽しいかもしれないと思ったりもします。じつは気になっているんですよね、新型ルノールーテシアが。
間違って解釈されると困りますが、私はこのクルマはよくできていると思っています。買いたいという方がいたら「いいクルマですから買っても大丈夫ですよ」と言ってあげられるだけの良さはあります。あとはクルマに何を求めるかですね。私のように趣味性や刺激を求めるのか、快適性をとるのか、燃費をとるのか...ポロブルーGTは刺激は少ないけれども、これらの要素を高い次元でミックスさせたクルマというのが、私の結論です。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2013/10/05 13:41:56