モータースポーツジャパン2013の帰り道、六本木にあるMercedes-Benz Connectionに寄って
試乗してきました。
以前からAMGモデルに乗ってみたいと思っていました。AMG初体験です♪
試乗車は600台限定のEdition 1です。
結構自由に写真を撮らせてもらえましたので、今回はめずらしく自分で撮った写真です。あまりきれいではありませんが、ご容赦ください。
試乗車 メルセデス・ベンツA45AMG 4MATIC Edition 1 価格710万円(税込)
●外観デザイン
グリルは専用デザインで、赤いラインがグリルとドアミラーに入っていますね。
フロントスポイラーおよびサイドスカートがEdition1の専用装備です。
写真では見づらいですが、バンパー横にカナード(空力パーツ)がついています。
これもEdition1だけの装備です。
全長4359mm×全幅1790mm×全高1417mm、ホイールベース2699mm
車重1550kg(この限定車ではなくカタログモデルのスペック)
写真のリアスポイラーはEdition1の専用装備です。ベンツとは思えない派手さですね。バンパー下のスカートもEdition1専用装備品です。
●エンジン
2リッター直列4気筒DOHC直噴ツインスクロールターボで、
スペックは265kW(360ps)/6000rpm、450Nm(45.9kgm)/2250-5000rpm
職人が1基づつ手組みする特別なエンジンで、写真のベンツマークの上の所に
職人のサインが入ったプレートが貼られていました。
足回りがよくできており4駆ということもありますが、回転の上昇に伴いリニアにパワーが出るので、体感的にはあまり速くは感じませんでしたが、スペック的には0-100km/h加速4.6秒と、とてつもない速さです。私のGTIは6.9秒でまったく敵う相手ではありませんが、ターボが2000rpmくらいから明確に効いてくるので、不思議なことにGTIのほうが速く感じます。
このエンジンはなんといっても音がすごいです!「AMGパフォーマンスエグゾーストシステム」がついており、ドライブモードがC(コンフォート)でもそれなりの音はしますが、S(スポーツ)にしたときは、アクセルをオフにしたときに「バリバリバリッ!」と、ものすごいバックファイヤー音が出ます。
音はすごいのですが、振動は全然伝わってこないです。ここはメルセデスらしく、スポーツモデルといえども快適性を犠牲にしていない部分ですね。
●ミッション
7速DCT(ツインクラッチ)です。「AMGスピードシフトDCT」といって、スポーツモードにすると変速スピードも速くなるそうですが、体感的にはコンフォートモードとの差は感じませんでした。どちらのモードにしてもVWのDSGに比べると変速スピードは遅いです。変速ショックはないので、このあたりも快適性を重視していることの表れでしょうか。
●ハンドリング
電動パワーステアリングです。センター付近の反応はGTIほどシャープではありません。ここも快適性を犠牲にしない表れでしょうか。
A180スポーツに乗ったときにも感じましたが、切りはじめのところでちょっと’壁’というか抵抗というか、電動アシストの遅れを感じます。そこから先に切り足すとあとはスムーズにイメージ通り素直に曲がってくれます。
●足回り
フロントがストラット、リアがマルチリンクです。
A45AMGは専用セッティングのAMGスポーツサスペンションとなっています。
タイヤダンロップSP SPORT MAXX RTで、サイズは前後とも235/35R19 91Yです。
ホイールはEdition1専用品でマットブラック塗装の19インチAMGマルチスポークです。
特に可変機構はなく、結構固いです。GTIのスポーツモードよりも固いかもしれません。ところが不思議なことに、最初固いと感じていたのですが、次第に路面からの不快な微小振動が伝わってこないことに気が付いて、意外と快適だと感じるようになったのです。これがメルセデス・ベンツの快適性を犠牲にしないスポーティーさなのかと思いました。GTIでもコンフォートモードにすれば十分快適だと思っていたのですが、帰りに自分のGTIに乗った時に、けっこう微小な振動を伝えてきていたので、A45AMGとの差にびっくりしました。
●ブレーキ
前後ともベンチレーテッドディスクです。特別強く踏んでみたわけではありませんが、剛性感を感じました。踏み代に応じて効きをコントロールできるいいブレーキです。
●静粛性
エキゾーストノート以外の音は遮断されていて、結構静かでした。
●シート
Edition1に標準のAMGパフォーマンスシートです。
A45AMG標準車にはオプションのAMGアドバンストパッケージ(70万円)の中に含まれています。
ホールドが適度で底づき感もなく、長時間乗っても疲れなさそうないいシートでした。
●内装(インパネ)
シルバーの加飾で高級感を出しつつも、赤いステッチや赤い加飾を効果的に施してスポーティーに見せるあたりはさすがにメルセデスですね。これを見た後ではGTIの内装も安っぽく見えてしまいました。
ステアリングはAMGパフォーマンスステアリングが標準で、一部がアルカンターラになっています。また、センターコンソールのセレクトレバーも専用装備です。どちらもA45AMG標準車に付けるには、シートと同様にオプションのAMGアドバンストパッケージ(70万円)を装備する必要があります。
インパネはA180スポーツやA250シュポルトにオプションのAMGエクスクルーシブパッケージと同様のカーボンルックのパネルやインパネ上面に赤ステッチ入りの革が標準でついてきます。
これだけ高いクルマにもかかわらず、キーレススタート式ではありません。これはこのクラスには必要がないというベンツの思想だそうです。
メーターはAMG専用となっています。私のGTIより小ぶりですが、見やすいです。
●ラゲッジスペース
容量は341リッターで、ここは他のグレードと変わりません。
●安全・快適装備
以下Aクラスの試乗記の文章を引用します。
いつの間にかAクラスにも自動ブレーキ機能がオプションで付くようになりましたね。A45AMGには標準で付きます。
・CPA(衝突警告システム)
時速30km以上で走行中に前車に近づきすぎると、警告灯が点灯。
2.6秒以内に衝突の危険があると判断された場合、警告灯+警告音でお知らせ。
さらに、ブレーキアシスト機能を最大限に働かせ、ブレーキペダル操作を補助します。
・アテンション・アシスト
80km/h以上で走行中、ドライバーの疲労を検知すると、音とディスプレイで警告。
Aクラス他グレードではオプションのセーフティー・パッケージがA45AMGには標準で付きます。
・CPAプラス(緊急ブレーキ機能)
CPAの警告にドライバーが反応しない場合、システムが衝突が避けられないと判断して、最大
ブレーキの約60%で自動緊急ブレーキが作動。衝突速度を下げることで、追突時の衝撃低減。
衝突回避もしくは被害軽減をサポートする機能。
・PRE-SAFE
急ハンドルや急ブレーキ操作を検知すると、以下の機能が働きます。
◎電動シートベルトテンショナーの作動(前席)
◎サイドウィンドウ自動クローズ
◎着座ポジションの自動調整(メモリー付フルパワーシート車の助手席のみ)
・ディストロニック・プラス
前車追従機能付オートクルーズです。スバルはカメラを用いていますが、こちらはレーダー。
・ブラインドスポットアシスト
30km/h以上で走行中、リアバンパー左右に埋め込まれたレーダーにより、斜め後方の死角に
車両がいた場合、ドアミラーに内蔵されているインジケーターが点灯して注意を喚起。さらに
ドライバーが気付かずにウィンカーを出した場合、インジケーターは点滅し、警告音を発して
危険をドライバーに知らせます。
このクルマは価格を見ると一見高そうに思えるかもしれませんが、手組みのエンジンだけでも相当価値がありますし、スタッフ曰く、ベンツは見えないところ(足回りなど)に結構お金をかけているようです。でもすごく欲しくなるクルマかというと微妙ですね。GTIから乗り換えたいと思うほどではなかったです。
それにしても今までベンツのクルマは面白みに欠けると思っていましたが、このモデルに乗って、どんなに走りの楽しさを追求していても、安全性・快適性を犠牲にしないベンツのクルマづくりというものが、初めて少し分かった気がしました。エンジン自体の出来がいいのかそれともエンジンマウントがいいのか不快な振動が伝わってこないし、ステアリングは適度にゆるいけれど直進安定性はいいし、足回りは固いけれども路面との当たりは滑らかな。実は相当足回りの出来がいいのにもかかわらず、その良さに気が付かずにつまらないと思っていたのかもしれません。それを確かめるために、またベンツの他のモデルに乗ってみたくなりました。