ごぶさたしております。
久々に試乗に行ってきました。
自分を奮起させる意味も込めて、今回は勇気を出して、以前から乗ってみたかったR8を予約・試乗してきました。
試乗車 アウディR8 Coupé 5.2 FSI quattro (AWD、Sトロニック) 価格2180万円(税込)
オプション カーボン デコラティブパネル 35万円
レザーパッケージⅡ+カラードステッチング 50万円
アルカンタラヘッドライニング 21万円
オキシジェンシルバーサイドブレード 15万円
カーボンエンジンカバー 48万円
試乗車価格 2349万円 (税込)
●外観デザイン
デビューしてからだいぶ経っているのでだいぶ見慣れてしまっていますが、2013年の少改良でヘッドライトやテールランプの意匠が変わっており、新鮮味を少し取り戻しています。
個人的にはリアのボリューム感に対して、フロントがこじんまりしていてちょっとアンバランスに感じますが、十分にかっこイイと思います。

全長4440mm×全幅1930mm×全高1250mm、ホイールベース2650mm
車重1710kg、前軸重730kg、後軸重980kg (車検証記載値、重量配分43:57)
空気抵抗係数Cd=0.345であまりよくありませんが、ダウンフォースを重視しているようです。
ちょっと後ろが欠けてしまってすみません。息子が撮った写真を使いました。

ディーラーの方がウィンカーの光りかたが面白いといって教えてくれました。
写真では横一本の細い線に見えますが、中央からサイドに向かってLEDが順に光っていくようになっていました。
格納式のリアスポイラーは100km/h以上でせり上がります。室内のスイッチで手動での上下も可能です。
●エンジン
5.2リッターV10直噴DOHCで、386kW(525ps)/8000rpm、530Nm(54kgm)/6500rpm。
0-100km/h加速3.6秒、最高速314km/hと文句なしの性能です。
低回転から押し出されるようなトルクがあり、全く谷間も淀みもなく、一気に回ります。ほんとに速いです!比べる対象には適していませんが、帰りに自分のGTIに乗ったらターボラグが気になり、十分だと思っていた低速トルクも不足しているように感じてしまいました。
レッドゾーンは5.2リッターと大排気量ながら、8400rpmと高回転型です。にもかかわらず、雑誌によると1000rpm+αの回転数で40.8kgmのトルクを発生しているそうです。
高額スポーツカーらしく、ミッドシップでエンジンが近いにもかかわらず、振動はほとんど感じられませんでした。
R8のエンジンと言えば、なんといっても官能的な「音」です。以前に聴いたことはありましたが、運転して聞いても最高でした!GTIの低音の効いた音とは違い、自然吸気エンジンらしい少し甲高い音で、うまく表現する言葉が見つかりませんが、思わずシフトしして何度も聴きたくなってしまう音でした。
見た目のデザインや見え方にも気を配っており、外からもスケルトンでエンジンの美しいい姿が見えるようになっていますが、室内とも耐熱ガラスで仕切られており、室内側からもエンジンが見えるようになっています。

燃費は車載の燃費計で3.7km/ℓと、これだけの高性能カーでは仕方ない数字でしょうか。試乗で結構みんな回しているということもあるでしょうから。
●ミッション
7速Sトロニック (ツインクラッチ)です。
GTIのツインクラッチとは違い、結構変速ショックが大きいです。スポーツカーとして意識してこいう味付けにしているのでしょうか。変速スピードはGTIと変わりませんでした。
私は初めて知ったのですが、GTIにはパドルシフトの右側のパドルを長押しするとDモードに戻る機能があるのですが、アウディではエンジン横置きのモデル(A1、A3、TT)にしかその機能がないそうです。当然R8もDモードに戻す機能がありませんでしたので、パドル操作したあとはシフトノブでDモードに戻さなければならなかったので、少し面倒でした。
●ハンドリング
低速ではセンター付近の反応が甘いですが、びっくりしたことに100km/h以上出したときにいいレスポンスになったんです。ディーラーの方のお話では200km/hでも余裕で走れるほど直進安定性はよいとのことでした。体感的には100km/hで走っていても50~60km/hくらいの感覚です。神経質なところはなく、スーパーカーだからといって構えなくても、普通に乗れると思います。乗っている間、ミッドシップということを意識することは全くありませんでしたし、AWDであることのハンドリングへの影響を感じることはありませんでした。また、視界がいいことも関係しているのでしょうか、左ハンドルに慣れていない私でも数分で左ハンドルであることを忘れさせる乗りやすさでした。
●足回り
フロント、リアともにダブルウィッシュボーンです。
タイヤはコンチネンタル ContiSportContact 5Pで、サイズはF:235/35R19 91Y、R:295/30R19 100Y。
細かな突き上げなどは一切なく非常に快適でありながら、かといって柔らかすぎることもなく、あまりロールもしなくて、適度にスポーティーにも走れる絶妙なセッティングです。
マグネティックライドサスペンションが付いており、「NORMAL」「SPORT」の2段階の切り替えができます。「SPORT」にすると少し固くなりますが、快適性は犠牲になっていません。むしろGTIの「SPORT」モードのほうが、固く感じます。
●ブレーキ
4輪ベンチレーテッドディスクで、前期型はキャリパーがブレンボでしたが、後期型も一緒でしょうか。
今回乗った後期型はディスクが円ではなく波型にして軽量化を図っています。こんなの初めて見ました。
パーキングブレーキはハンド式。
●静粛性
エンジンの音以外はほとんど入ってこなくて、非常に静かです。ゴルフも静かなほうだと思いますが、試乗の後に自分のGTIに乗ったら、うるさく感じてビックリしました。
●シート
適度なホールド性で座面の長さもちょうどよく、背もたれの大きさもたっぷりしてます。ウレタンはそんなに厚いようには感じませんが、底づき感もなく、非常に快適でいいシートでした。革の質感もよく、しっとりしていて滑るような感じはありませんでした。
●内装(インパネ)
写真が撮れなかったのですが、試乗車は下の写真と同様、オプションのカーボンデコラティブパネルがが装着されていました。それとセットでオプションのレザーパッケージⅡも装着され、天井もオプションのアルカンタラと、見た目の質感はほんとによかったです。まあオプションだけでクルマ1台別に買えてしまうような金額ですからね。
残念だったのはナビです。SDナビ標準ですが、なんと画面が私の乗っているGTIと同じダメなクラリオン製というのにガッカリしてしまいました。

メーターは大き目でGTIと同じくらい。デザイン上凝ったところはありませんが質感もよく、老眼になった私の眼には大きさが適度で見やすかったです。
●安全・快適装備
デビューしてからだいぶ時間が経っていることもあり、最近流行の安全デバイスはついておりません。2013年のマイナーチェンジでも、織り込まれることはありませんでした。
クルーズコントロールは当然付いていますが、追従型ではありません。
●ラゲッジスペース
フロントのラゲッジスペースは100リッターのスペースがあります。また室内のシートの後ろにも、結構な広さのスペースがありました。

ランボルギーニやフェラーリのような見た目や走りの刺激性はないので、もの足りないと感じることもありますが、メルセデスほど走りが退屈な感じではなく、適度に楽しめつつこんなに安楽に高速移動もこなせるクルマはそうそうないのではないかと思いました。GTIも高速移動は楽ですが、R8のほうが格段に楽ですね。欲を言えば、最新の前車追従型クルーズコントロールやブラインドスポットモニターやシティエマージェンシーブレーキなどの安全・快適デバイスが装備されるといいですね。私(43歳)よりも年上の方には、足回りがガチガチの一部のマニアが好むようなものよりも、こういった適度に楽しめつつもリラックスして走りたいときにはそういう走り方もできるクルマが合っているのではないでしょうか。おいそれと買える値段ではありませんが...
まあ乗れただけでも幸せ者ですね。子どもにも良くしていただいたディーラーマンさんに感謝です。