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2016年10月22日

シボレーコルベット Z06、Z51試乗

こんにちは。
デザインが好きで7代目がデビューした時から乗ってみたと思っていました。4月頃から8月まで各地ディーラーで開催されていた コルベット ドライビングエクスペリエンスツアーに行って、貴重な体験をさせていただきました。予備知識がほとんどなかったので、本格的なつくりに結構驚きました。


試乗車:シボレーコルベットZ06コンバーチブル (FR、8AT)   価格1502万円(税込)
     シボレーコルベットクーペZ51 3LT (FR、8AT)      価格1192万円(税込)


●外観デザイン
先代は少しノーズに丸みがあるアメリカンに感じられるデザインでしたが、かなりシャープになってかっこよくなったと思います。それでもテールランプのデザインにはアメリカンな雰囲気が漂っていますね。好き嫌いは分かれると思いますが、私は大好きです。
空気抵抗係数は公表されていませんが、先代のベースモデルでCd値0.286をマークしていたので、今回のモデルでも相当いいのではないでしょうか。
左の黄色いコルベットZ06クーペ(7MT)は、アメリカで活躍されている古賀琢麻選手が普段足として使用しているクルマで、このクルマにチャイルドシートをつけてお子さんも乗せているそうです。うらやましいというか、つわものというか、ほんとにクルマ好きという感じでうらやましかったです。
このクルマも試乗できたのですが、私にしてはめずらしく、気が引けてしまいました。

Z06コンバーチブルは全長4515mm×全幅1970mm×全高1230mm、ホイールベース2710mm、車重1660kg
ベースモデルのクーペZ51は全長4510mm×全幅1880mm×全高1230、ホイールベース2710mm、車重1580kg
Z06はベースモデルに対し全幅が90mmも拡大し、性能の大幅アップに対処しています。でもZ06の幅はさすがに日本では持て余しますね。同じコルベットでボディを作り分けるのはすごいと思っていたら、このボディはFRP製なんですね。ボンネットの盛り上がりもノーマルとは別物です。ボンネットとルーフはカーボン製。フロントから入ったエアがセンターのダクトから抜けてフロントのダウンフォースを稼ぐしくみになっています。雑誌の試乗記に載っていましたが、先代よりも高速域でのフロントのダウンフォースが増して安定しており、舵の効きも良くなっているとのことでした。
こちらがZ06コンバーチブル

こちらがクーペZ51です。写真でもそうですが、実物を見ても違いが気づきにくかったです。

斜め後ろからの眺め。リアスポイラーは可変式ですが、操作は手動です。

Z06コンバーチブルのリア

クーペZ51のリア


●エンジン
Z06は6153ccV型8気筒OHVスーパーチャージャーで、659ps(485kW)/6400rpm、881Nm(89.8kgm)/3600rpm。
Z51は同じ排気量で過給なし、466ps(343kW)/6000rpm、630Nm(64.2kgm)/4600rpm。
OHVと効くと「え、いまどきOHV?」と思われるかもしれませんが、最新の摩擦抵抗低減技術に、気筒休止システムも備えていて、燃費には配慮しています。
肝心のパワーですが、これはもうものすごい!の一言です。Z05はまずエンジンの吹け上がりがシャープです。とても6.2リッターもあるV8とは思えません。またOHVであるネガも全く感じさせず、どこから踏んでも爆発的なパワーがさく裂し、コーナーで不用意にアクセルオンしようものならすぐホイールスピンを起こすぐらいのパワーです。いつテールが滑るかなぁという不安感を抱きながら乗るクルマというのも経験がありません。当然音もいかにもアメリカンV8という感じでいいですね。
そこからいくとZ51のNA版のほうは、そういった危うさが感じられず安心して楽しめる感じです。だからといってパワーに不満を覚えることはありません。エンジン音も似た感じです。ただ吹け上がりのシャープさではZ06に軍配が上がります。
エンジンの搭載位置はフロントミッドシップとなっていて、完全に前車軸の後方にエンジンがあります。こうやって見るとかなりエンジンはコンパクトですよね。


●ミッション・デフ
私が乗ったZ06とZ51は共にGM製8段ATをトランスアクスルとしています。
変速はDSGほどすばやい感じではありませんが、許容範囲ではあります。
このミッションオイルクーラーとデフの冷却のために、リアフェンダー上部にエアインテークが設けられていて、テールランプ横から排出するようになっています。左がミッションオイルクーラー用、右がデフ本体の冷却用になっています。


●ボディ
下の写真にあるように、アルミスペースフレームを採用しています。これは先代C6のZ06から初めて採用され、C7型で全モデルに採用さるようになりました。これにFRP(樹脂)のボディパネルを被せているのですが、先にも紹介したとおり、ボンネットとルーフ(クーペのみ)はCFRP(カーボン)でできていて、軽量化が徹底して行われていることがわかります。
特別がっしりしている印象はありませんでしたが、かといってやわな感じもなく、659psのパワーをしっかりと受け止めてくれていました。


●ハンドリング
電動パワーステアリングです。
結構軽いです。ちょっと路面の感触が伝わりにくいところはありますが、FRらしく素直に曲がってくれます。コンバーチブルのほうはセンター付近のすわりが少し悪い感じがありましたが、オープンのせいなのか個体差なのかは判断がつきませんでした。

●足回り
ビックリしたのは足回りです。
前後ともダブルウィッシュボーンなのですが、なんとスプリングが横置きリーフなんですね。しかも樹脂製です。ちゃんと左右で独立しています。リーフスプリングというと乗り心地の悪さを想像してしまいますが、こんなハイパワーなスポーツモデルなのに乗り心地が非常にいいですね。かといって走りが不満になるかというとそんなこともない。素性がいい(重心を低くし、重量物をセンターに集め、前後配分がほぼ50:50である)ので、足を固めなくてもそれなりに走ってしまうんでしょうか。
タイヤはミシュランと共同開発したもので、Z51、Z06ともに標準でパイロットスーパースポーツのランフラットです。サイズはZ06がフロントが285/30ZR19、リアが335/25ZR20、Z51はフロントが245/35ZR19、リアが285/30ZR20。

●ブレーキ
フロントがブレンボ製4ポッドキャリパー、リアもブレンボですが4ポッドかどうかは調べてみてもよくわかりませんでした。ディスクは前後ともベンチレーテッドです。
効きは自然で、大パワーに対しても不安を抱くことはありませんでした。
パーキングブレーキは電動式。

●静粛性
幌を閉めて走行しましたが、特に気になる音の侵入はありませんでした。
オープンカーとしては静粛性が高いほうではないでしょうか。

●シート
適度な包まれ感で窮屈さはないので、長時間乗っていても疲れなさそうなよいシートです。
左ハンドルなのにペダルポジションが少し左寄りなのが残念です。


●内装(インパネ)
インパネは新鮮味のある形ではありませんが、ジャガーFタイプと同様助手席側に仕切りを作って囲まれ感があり、スポーティーさを醸し出しています。個人的には好きな造形です。

メーターはセンターが液晶になっており、モードによって表示が変わるようになっています。
どのモードにしてもセンターはタコメーターであることが、スポーツモデルの証ですね。
センターのタコメーターは見やすいですが、左のスピードメーターは文字が小さく老眼の私には見えずらかったです。
こちらはエコモード時

こちらはスポーツモード時


●安全・快適装備
最近流行りの安全装備はまったくついておりません。

●ラゲッジスペース
容量は不明ですがスポーツカーとしてはかなり大きいです。FRで2人乗りという要素が大きいですね。スポーツカーなのに実用性もバッチリです。



終わりに...
コルベットに触れて、アメ車に対する考え方がだいぶ変わりました。これはGMが本気で作ったスポーツカーです。アルミバスタブシャーシにFRP外皮のロータスエリーゼなどに似ています。アメリカ版ロータスといってもいいくらいの作りです。性能や作りから考えたらバーゲンプライスだと思います。ポルシェではオプションのローンチコーントロールも標準でついていますし。
先に紹介したアバルトもそうですが、私は作っている人の熱意や趣味性が感じられるクルマが好きなんです。コルベットは私のようなクルマ好きの心を十分満たしてくれるクルマだと感じました。
ただし実際に買うとなると左ハンドルのみという制約があります。それと実際の燃費はそれほど悪くないと思うのですが、排気量が大きいので日本の税制では税金がネックになってしまいます。それらをネガと感じない人ならば、このクルマを買って後悔することはないと思います。私が購入するとしたらZ51で性能的に十分です。Z06の幅は日本で乗るにはちょっときついですよね。


P.S.
写真を撮り忘れてしまいましたが、イベントではドライビングシュミレーターで富士スピードウェイの走行を体験させてもらいました。設定変更やドライビングの指導をアメリアでレース活動をされている古賀琢麻選手にしていただき、「サーキット走ったことあるでしょ」とほめていただきました(ほめられた思っているのは自分だけ?)。このシュミレーターはすごいです。古賀琢麻選手が開発されたそうです。コルベットのカタログには純正のオプションパーツが載っていますが、それらも古賀琢麻選手が開発したものだそうです。日本にいるとアメリカのレース界の情報があまり入ってきませんが、こうして活躍されている日本人の方もいらっしゃるのですね。


思わず古賀選手がインプレッションを書いているコルベットの本を買ってしまいました。
「CORVETTO MAGAZINE」
出版社:ネコパブリッシング
価格:1543円

コルベットをもっと知りたくなってこちらの本も電子書籍で購入。こちらは私の好きな沢村慎太朗さんがコルベットの技術的変遷を詳しく書かれていました。
「名車アーカイブ コルベットのすべて」
出版社:三栄書房
価格:1008円(税込)


私もアメ車には疎いほうですが、これを見てくださった方に少しでもアメ車に関心をもっていただけたらうれしいです。
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Posted at 2016/10/22 08:08:21

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