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2014年04月12日 イイね!

アウディR8 5.2FSI quattro 試乗

ごぶさたしております。
久々に試乗に行ってきました。
自分を奮起させる意味も込めて、今回は勇気を出して、以前から乗ってみたかったR8を予約・試乗してきました。


試乗車 アウディR8 Coupé 5.2 FSI quattro (AWD、Sトロニック)   価格2180万円(税込)

オプション  カーボン デコラティブパネル           35万円
        レザーパッケージⅡ+カラードステッチング   50万円
        アルカンタラヘッドライニング            21万円
        オキシジェンシルバーサイドブレード       15万円 
        カーボンエンジンカバー               48万円

試乗車価格  2349万円 (税込)


●外観デザイン
デビューしてからだいぶ経っているのでだいぶ見慣れてしまっていますが、2013年の少改良でヘッドライトやテールランプの意匠が変わっており、新鮮味を少し取り戻しています。
個人的にはリアのボリューム感に対して、フロントがこじんまりしていてちょっとアンバランスに感じますが、十分にかっこイイと思います。

全長4440mm×全幅1930mm×全高1250mm、ホイールベース2650mm
車重1710kg、前軸重730kg、後軸重980kg (車検証記載値、重量配分43:57)
空気抵抗係数Cd=0.345であまりよくありませんが、ダウンフォースを重視しているようです。
ちょっと後ろが欠けてしまってすみません。息子が撮った写真を使いました。

ディーラーの方がウィンカーの光りかたが面白いといって教えてくれました。
写真では横一本の細い線に見えますが、中央からサイドに向かってLEDが順に光っていくようになっていました。
格納式のリアスポイラーは100km/h以上でせり上がります。室内のスイッチで手動での上下も可能です。


●エンジン
5.2リッターV10直噴DOHCで、386kW(525ps)/8000rpm、530Nm(54kgm)/6500rpm。
0-100km/h加速3.6秒、最高速314km/hと文句なしの性能です。
低回転から押し出されるようなトルクがあり、全く谷間も淀みもなく、一気に回ります。ほんとに速いです!比べる対象には適していませんが、帰りに自分のGTIに乗ったらターボラグが気になり、十分だと思っていた低速トルクも不足しているように感じてしまいました。
レッドゾーンは5.2リッターと大排気量ながら、8400rpmと高回転型です。にもかかわらず、雑誌によると1000rpm+αの回転数で40.8kgmのトルクを発生しているそうです。
高額スポーツカーらしく、ミッドシップでエンジンが近いにもかかわらず、振動はほとんど感じられませんでした。
R8のエンジンと言えば、なんといっても官能的な「音」です。以前に聴いたことはありましたが、運転して聞いても最高でした!GTIの低音の効いた音とは違い、自然吸気エンジンらしい少し甲高い音で、うまく表現する言葉が見つかりませんが、思わずシフトしして何度も聴きたくなってしまう音でした。
見た目のデザインや見え方にも気を配っており、外からもスケルトンでエンジンの美しいい姿が見えるようになっていますが、室内とも耐熱ガラスで仕切られており、室内側からもエンジンが見えるようになっています。

燃費は車載の燃費計で3.7km/ℓと、これだけの高性能カーでは仕方ない数字でしょうか。試乗で結構みんな回しているということもあるでしょうから。

●ミッション
7速Sトロニック (ツインクラッチ)です。
GTIのツインクラッチとは違い、結構変速ショックが大きいです。スポーツカーとして意識してこいう味付けにしているのでしょうか。変速スピードはGTIと変わりませんでした。
私は初めて知ったのですが、GTIにはパドルシフトの右側のパドルを長押しするとDモードに戻る機能があるのですが、アウディではエンジン横置きのモデル(A1、A3、TT)にしかその機能がないそうです。当然R8もDモードに戻す機能がありませんでしたので、パドル操作したあとはシフトノブでDモードに戻さなければならなかったので、少し面倒でした。

●ハンドリング
低速ではセンター付近の反応が甘いですが、びっくりしたことに100km/h以上出したときにいいレスポンスになったんです。ディーラーの方のお話では200km/hでも余裕で走れるほど直進安定性はよいとのことでした。体感的には100km/hで走っていても50~60km/hくらいの感覚です。神経質なところはなく、スーパーカーだからといって構えなくても、普通に乗れると思います。乗っている間、ミッドシップということを意識することは全くありませんでしたし、AWDであることのハンドリングへの影響を感じることはありませんでした。また、視界がいいことも関係しているのでしょうか、左ハンドルに慣れていない私でも数分で左ハンドルであることを忘れさせる乗りやすさでした。

●足回り
フロント、リアともにダブルウィッシュボーンです。
タイヤはコンチネンタル ContiSportContact 5Pで、サイズはF:235/35R19 91Y、R:295/30R19 100Y。
細かな突き上げなどは一切なく非常に快適でありながら、かといって柔らかすぎることもなく、あまりロールもしなくて、適度にスポーティーにも走れる絶妙なセッティングです。
マグネティックライドサスペンションが付いており、「NORMAL」「SPORT」の2段階の切り替えができます。「SPORT」にすると少し固くなりますが、快適性は犠牲になっていません。むしろGTIの「SPORT」モードのほうが、固く感じます。

●ブレーキ
4輪ベンチレーテッドディスクで、前期型はキャリパーがブレンボでしたが、後期型も一緒でしょうか。
今回乗った後期型はディスクが円ではなく波型にして軽量化を図っています。こんなの初めて見ました。


パーキングブレーキはハンド式。

●静粛性
エンジンの音以外はほとんど入ってこなくて、非常に静かです。ゴルフも静かなほうだと思いますが、試乗の後に自分のGTIに乗ったら、うるさく感じてビックリしました。

●シート
適度なホールド性で座面の長さもちょうどよく、背もたれの大きさもたっぷりしてます。ウレタンはそんなに厚いようには感じませんが、底づき感もなく、非常に快適でいいシートでした。革の質感もよく、しっとりしていて滑るような感じはありませんでした。


●内装(インパネ)
写真が撮れなかったのですが、試乗車は下の写真と同様、オプションのカーボンデコラティブパネルがが装着されていました。それとセットでオプションのレザーパッケージⅡも装着され、天井もオプションのアルカンタラと、見た目の質感はほんとによかったです。まあオプションだけでクルマ1台別に買えてしまうような金額ですからね。
残念だったのはナビです。SDナビ標準ですが、なんと画面が私の乗っているGTIと同じダメなクラリオン製というのにガッカリしてしまいました。

メーターは大き目でGTIと同じくらい。デザイン上凝ったところはありませんが質感もよく、老眼になった私の眼には大きさが適度で見やすかったです。


●安全・快適装備
デビューしてからだいぶ時間が経っていることもあり、最近流行の安全デバイスはついておりません。2013年のマイナーチェンジでも、織り込まれることはありませんでした。
クルーズコントロールは当然付いていますが、追従型ではありません。

●ラゲッジスペース
フロントのラゲッジスペースは100リッターのスペースがあります。また室内のシートの後ろにも、結構な広さのスペースがありました。



ランボルギーニやフェラーリのような見た目や走りの刺激性はないので、もの足りないと感じることもありますが、メルセデスほど走りが退屈な感じではなく、適度に楽しめつつこんなに安楽に高速移動もこなせるクルマはそうそうないのではないかと思いました。GTIも高速移動は楽ですが、R8のほうが格段に楽ですね。欲を言えば、最新の前車追従型クルーズコントロールやブラインドスポットモニターやシティエマージェンシーブレーキなどの安全・快適デバイスが装備されるといいですね。私(43歳)よりも年上の方には、足回りがガチガチの一部のマニアが好むようなものよりも、こういった適度に楽しめつつもリラックスして走りたいときにはそういう走り方もできるクルマが合っているのではないでしょうか。おいそれと買える値段ではありませんが...
まあ乗れただけでも幸せ者ですね。子どもにも良くしていただいたディーラーマンさんに感謝です。
Posted at 2014/04/12 00:29:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2014年03月22日 イイね!

魔方陣スーパーカーミュージアムに行ってきました (もろもろ編)

最近、すっかりおさぼり状態ですみません。
新しいクルマには乗っていませんが、相変わらずクルマのことばかり考えている日々を過ごしています。

ネットでクルマの情報を検索していたら、ここを発見してしまい、たまらず行ってしまいました。
スーパーカー世代の自分にはたまらない場所でした。

入口はこちら。

Google mapには、下の写真の名前で表示されてますね。

建物は旧栃木駅の駅舎(昭和3年築)を移築したものだそうです。
ご覧のとおりこじんまりとしています。

中の様子はこちら。息子がiPod touchのパノラマ撮影で撮ってくれました。中はテントが貼ってあるだけで外と通じているので、結構寒かったです。写真を撮り忘れましたが、休憩場所としてお座敷列車がありました。暖房が効いているので、撮影で体が冷えたらそこで休憩して、温まったらまた撮影という感じでした。
15:00くらいでしたが、他のお客さんは一人もおらず、貸切状態でした。



どちらかというと、自分が注目したクルマはヒストリックカーのイベントとかではあまり見られないと思われるクルマたちです。

●ブガッティEB110GT(1994年式)
実物を初めて見ました。
それにしても顔がブサイクだと思います。しかし、現在でも十分通用する性能を持ったスーパーカーです。
デザインはランボルギーニ・カウンタックを手掛けたマルチェロ・ガンディーニが原案を作成し、モディファイされたもの。シャーシーはカーボンで、ボディパネルはアルミ。設計者はパオロ・スタンツァーニで、こちらもカウンタックを手掛けた人物。

全長4400mm×全幅1960mm×全高1125mm、ホイールベース2550mm
車重1790kg(現車)


リアガラス越しに見えるエンジンは3.5リッターV12DOHC5バルブクアッドターボ!
スペックは560ps/8000rpm、62.3kgm/3750rpm。
もちろんミドに搭載され、6MTを介してフルタイムで4輪に駆動される。
0-100km/h加速3.46秒、最高速342km/h。

タイヤサイズはF:245/40ZR18、R:335/30ZR18。
ホイールはBBS製で、センターロック式。

内装はスポーツカーというよりも、高級車といった趣です。


●ランボルギーニ350GT(1967年式)
こちらは実物を見たのは2回目。これもなかなかブサイクです。生産台数は120台との表記がありました。
ランボルギーニがこんなモデルを作っていたなんて、知らない方も多いのではないでしょうか。
カウンタックを手掛ける前のモデルで、こちらはミドシップではなく、見た目のとおりFR。
デザインの元となった350GTVを手掛けたのはフランコ・スカリオーネ。フランコ・スカリオーネといえば、初代アルファロメオ・ジュリエッタのデザインで有名ですよね。
350GTVのフロントデザインが気に入らなかったフェルッチオ・ランボルギーニがカロッツェリア・ツーリングにモディファイを依頼し、修正されて世に出たのがこの350GT。ボディ構造はツーリングの「スーパーレッジェーラ方式」を採用しています。


全長4500mm×全幅1630mm×全高1220mm、ホイールベース2550mm
車重1450kg(現車)

エンジンは3.5リッター60°V12DOHC2バルブ。ミッションは5MT。
スペックは270ps/6500rpm、33.0kgm/4000rpm。
0-100km/h加速6.8秒、最高速250km/h。


タイヤサイズはフロント・リアともに205HS15。
こちらもセンターロック式。

内装はメッキパーツを多用し、豪華GTといった趣ですね。


●ジャガーXJR-15 (1990年式)
これも実車を見たのが初めて。ブガッティもそうですが、置いてあるだけだとそんなにすごそうに感じないんですが、実際走っているところを見たらすごいんでしょうね。
1988年トム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)と組んで、31年ぶりにルマン24時間レースで優勝を果たしたXJR-9がベース。生産台数30台と書かれていました。ネット上では50台との記載が多かったですが、いずれにしてもめったにお目にかかれないクルマです。
ボディはカーボンモノコックです。
エンジンは5990ccV12SOHC2バルブで、450ps、58.1kgm。
0-100km/h加速3.2秒、最高速297km/hと、この年式でこの加速はスゴイです!
だいぶギア比がクロスしていて加速重視になっているようですね。
ミッションはヒューランド製6速MTでトリプルクラッチ。

全長4800mm×全幅1900mm×全高1100mm、ホイールベース2700mm
車重1050kg

エンジンはシートの真後ろ、リアガラスの真下にあります。
車体中央に出来る限り近づけているのが、横から見るとよくわかります。

実車にはF:245/40ZR17、R:335/35ZR17のブリジストン・エクスペディアS-01が装着されていましたが、当時のものではないでしょう。


●BMW M1 (1979年式)
このクルマも実車を見たのが初めて。
BMWでは初なのでしょうか?ミッドシップカーです。
デザインはイタルデザイン率いるジョルジェット・ジウジアーロ。
開発はランボルギーニに委託され、当時ランボルギーニに在籍し、のちにシャーシーコンストラクターとなったジャンパオロ・ダラーラが担当した。
全長4360mm×全幅1824mm×全高1140mm、ホイールベース2560mm
車重1300kg (現車1490kg)
生産台数453台

エンジンは3453cc直列6気筒4バルブDOHCで、277ps/6000rpm、33kgm/5000rpm
ミッションは5MT。
オイル潤滑はドライサンプで、重心が低く抑えられています。
0-100km/h加速5.0秒、最高速262km/h
残念ながらエンジンは見えませんでした。

タイヤはピレリP7000 SUPERSPORTを履いていました。なんとマッド&スノータイヤ。
サイズはF:205/55ZR16 91W、R:225/50ZR16 92W。
ホイールはカンパニョーロ製でした。



●シボレー・コルベットC1(1958年式)
私にはアメ車の知識がほとんどありません。
これは初代のシボレーコルベットだそうです。これも実車を見たのが初めて。

後部が壁に近く、きちんと撮れなかったのが残念です。
全長4490mm×全幅1854mm×全高1295mm、ホイールベース2590mm
車重1310kg、V8を載せている割に軽いですね。
エンジンは4637ccV8OHVで、250hp/5000rpm、30.5kgm/3800rpm
ミッションは4MTで、0-60mph(96km/h)加速7.6秒、最高速約201km/h

内装もおしゃれですね。

タイヤはB.F.GoodrichのSilvertown、サイズは前後とも6.70-15 4PLY



●ジャガーXK120 (1949年式)
紹介するクルマがどんどん古くなってますね。
ジャガーも気になるクルマです。名車Eタイプ、さらにはマーク2よりも前のモデルですね。

全長4270mm×全幅1550mm×全高1270mm、ホイールベース2590mm
車重1143kg(現車1320kg)
エンジンは3442cc直列6気筒DOHCで、160ps/5000rpm、27.0kgm/2500rpm
ミッションは4MTで、0-60mph(96km/h)加速8.4秒、最高速約195km/h

さすがはジャガー、内装はシンプルですが、革張りでいいもの感が漂っています。

タイヤはダンロップROAD SPEED RS5を履いていました。サイズはフロント・リアともに6.00-16。



以上好き勝手に私が気になったクルマを紹介させていただきました。
こういうクルマが気軽に近づいて見られるというのはいいですね
Posted at 2014/03/22 19:08:02 | コメント(2) | トラックバック(0) | ミュージアム | クルマ
2014年03月16日 イイね!

フォード フォーカス試乗

だいぶ時間が経ってしまいましたが、フィエスタ試乗のときにフォーカスも試乗してきました。
一昨年アメリカに行ったときにたくさん見かけた3代目フォーカス。世界ではゴルフよりも売れているというフォーカスに、以前から試乗してみたいと思っていました。


試乗車 フォーカス Sport     車両価格293万円(税込)



●外観デザイン
アメリカで初めて見かけたときには車名もわからず、リアのテールランプのデザインを見て「変なカタチだぁ」と思っていました。あとはフロントのバンパー中央開口部の形状が自分は好きではありません。カタログで見ていたらボディカラーが黒だとあまり目立たなくていいかもしれません。でもフィエスタ同様、実車を見るとそんなに変に見えないんですよね。指摘した細かい部分は別にして、全体の造形としてはまとまっているからそう感じるのでしょうか。

全長4370mm×全幅1810mm×全高1480mm、ホイールベース2650mm
車重1380kg、前軸重840kg、後軸重540kg(車検証記載値、重量配分61:39)
空気抵抗係数Cd=0.298

このブログの作成途中に新型が発表されました。フィエスタ似のこちらのほうが私は好きです。リアの形状も結構カッコよくなっていると思います。



●エンジン
2リッター直列4気筒直噴DOHCで、125kW(170ps)/6600rpm、202Nm(20.6kgm)/4450rpm。
今流行りのダウンサイジングターボに慣れてしまっていると、やはり低速でのトルクが薄く感じます。車重の差もあると思いますが、同じ日に乗った1リッターのフィエスタのほうが出足がいいように感じました。でもこちらは4気筒なので、フィエスタから乗り換えたら振動は少ないし、回転がスムーズに感じられました。
燃費はJC08モードで12km/hと現代のモデルとしては不満がありますね。今時アイドリングストップもないですし。2リッターターボのゴルフⅦGTIですら15.9km/hなので、このエンジンではゴルフと勝負するのはちょっと厳しいですね。

●ミッション
6速DCTで、フォード通称「パワーシフト」です。フォード・ゲトラグ製です。
フィエスタと同様の感覚でした。ツインクラッチだけあって加速にダイレクト感があり、変速ショックもVWよりも少なくスムーズなのですが、フィエスタ同様マニュアルのシフトは反応が遅くて残念です。これもフィエスタ同様なのですが、マニュアル変速には「セレクトシフト」と呼ばれる、シフトノブ横にあるボタンで操作しなければならないため、慣れが必要です。やはりパドルシフトにしてもらったほうがいいですね。

●ハンドリング
電動パワーステアリングです。
フィエスタの機敏さとは対照的にしっとりとした感覚で、イメージしたライン通りに素直に曲がってくれます。ただしタイヤの特性もあるのでしょうがフィエスタよりもタイヤの感触がつかみずらく、センター付近の反応も甘くて、走って楽しいという感覚はフィエスタよりも薄いと思います。

●足回り
フロントがストラット、リアがマルチリンクです。
タイヤはミシュラン プライマシーLC、サイズは前後とも215/50R17。
乗り心地が非常にいいです。かといってふわふわした感じではなく、ハンドリング同様しっとりした感触です。ちょっと上級のクルマに乗っているかのようです。ゴルフⅦのクルマの軽快さを感じる乗り心地の良さとはまた違ったいいアシです。

●ブレーキ
フロントがベンチレーテッドディスク、リアがディスクです。
ペダルの剛性感がゴルフに比べると低いですが、効きは特に違和感はありませんでした。
パーキングブレーキはハンド式の革巻きです。

●静粛性
結構静かです。ゴルフに匹敵するのではないでしょうか。フィエスタよりもエンジンは静かなので、体感的にも上級車に感じられます。

●シート
フロントシートはフィエスタとは対照的に、シートが大きく、柔らかく包み込むような座り心地です。剛性も問題なく、これなら長時間乗っていても疲れなさそうです。

リアシートはクッションが柔らかく、背もたれは逆に固くて平板で、あまり座り心地がいいように感じませんでした。またクッションは床面から高さがあり、身長が低い方は足が浮いてしまうのではないかと思われるほど不自然な高さでした。おそらく私のかみさん(152cm)では確実に浮いてしまうでしょう。フォーカスを検討されているいる方で、リアに奥さんや子供を乗せるという方は、実車で確認してみたほうがよいかもしれません。
頭上の空間は身長164cmの私にはフロント・リアともに特に問題ありませんでした。


●内装(インパネ)
フィエスタ同様キネティックデザインのインパネは写真で見るとエグく感じますが、実車を見ると気になりませんでした。オーディオはフィエスタと使っているものが同じなのに、不思議なことに乗り換えるとちゃんとクラスが上のクルマに見えるんですよね。どうデザインしたら軽快に見えるのか、あるいはどうデザインしたら上級に見えるのかといった勘所をきちんとつかんでデザインしているのでしょう。さすが歴史あるフォードです。日本車はこういった勘所を押さえるのがヘタな気がします。

メーターはフィエスタ同様レイアウトは普通ですが、メーターフードの形状が独特だったり、指針がブルーだったりと、デザインに凝っていて安っぽい感じはありません。


●安全・快適装備
以下一部フィエスタのときの文章を引用しました。フィエスタに装備されていたリアビューカメラとリバースセンシングシステムは装備されていません。下のクラスのフィエスタに装備されていて、上級のフォーカスにないというのも変ですよね。エアバッグもフィエスタのほうが1つ多い(運転席ニーエアバッグ)です。

・アクティブ・シティ・ストップ
いわゆる「ぶつからないクルマ」です。機能的にはVWup!のシティエマージェンシーブレーキと同じで、30km/h以下での衝突回避機能だけです。

・オートスピードコントロール
いわゆるクルーズコントロールで、追従機能はありません。操作はステアリング右側下に付いているスイッチで行えます。追従機能付きクルーズコントロールを装備しているので、このクラスでも追従機能付きが当たり前になってくるかもしれませんね。

・スマート・キーレスエントリー
日本車ではあたりまえの装備になってきましたが、VWはゴルフ(GTI除く)にすらありませんからね。ベンツでさえもA・Bクラスにはありません。クルマの本質的な機能には関係ありませんが、あれば便利ですね。

・バイキセノンヘッドライト&コーナリングライト
自分には欲しい装備の一つです。年をとって夜見えにくくなったので、明るいにこしたことはありません。
ゴルフはバイキセノンとセットでダイナミックコーナリングライト(ステアリング操作に合わせて進行方向を照らす機能)が付いているので、

・熱線入りフロントガラス
カタログには載っていませんが、珍しくフロントガラスに熱線が入っています。
ディーラーマンいわく、もともとはレンジローバーに装備していたものだそうです。
私は運転していて気になることはありませんでしたが、人によってはこれがイヤだという人もいるかもしれません。

●ラゲッジスペース
316リッターと、このクラスにしては少ないですね。新型ゴルフが380リッターですから、今となってはちょっと不満ですね。見た目にはそんなに狭くは感じなかったんですけど。
私が欲しいアームレストスルー機能もありません。
フィエスタ同様、フロアの下にはパンク修理キットではなく、ちゃんと応急用タイヤがありました。


なぜこのクルマがアメリカでたくさん走っていたのか、やっとそのナゾが解けました。アメリカは道路が荒れているので、ゴルフのような固めの足のクルマよりもフォーカスのような乗り心地のいいクルマをアメリカの人は好むのですね。同様の理由で、アメリカではドイツ車よりも日本車がたくさん走っている理由がよくわかりました。
フォーカスはクルマの仕上げの方向性が一貫していてすばらしいと思いました。エンジンの静粛性、ショックの感じられないミッション、足回りのしなやかさ、シートの座り心地と、どれをとっても快適性重視に仕上げてあり、こうした一貫した仕上げ方は日本のメーカーが苦手とするところではないでしょうか。また大衆車でありながら、内装のデザインや質感などで所有欲を満たしてくれる要素もあり、さすがにゴルフを上回る世界販売台数を記録するだけの実力があると思いました。

だからといって欲しくなるかというと、そうでもないんですよね。販売台数が世界一でも日本では売り方がよくないです。フォーカスと一緒なんですが、装備てんこ盛りのわりにそれが自分の欲しい装備でなかったり、日本に導入されているのが1グレード1エンジンのみという設定も不満です。本来このクルマは大衆車なので、数を売ってナンボのクルマだと思いますが、こと日本において現在このクルマを買うのは、「ほかの人と違ったクルマに乗りたい」とか、「ほかの人が乗っていないクルマに乗りたい」と思っている方のみで、すっかり狭い顧客層向けのクルマになってしまっているのではないでしょうか。

ベースとしてはいいクルマなので、少しずつ手を加えていってもらえれば日本でも売れるクルマになるのではないでしょうか。もっと価格の安いグレードやスポーツモデルがあってもいいと思います。エンジンは通常グレードとしては燃費のいいダウンサイジングターボ、スポーツモデルとして2リッター直噴ターボくらいがいいですね。ミッションは変速レスポンスをもっと早くして、ハンドリングももう少しレスポンスよくしつつも、乗り心地はいまのキャラクターを維持してくれたら、ゴルフのいい対抗になるのではないでしょうか。安全装備もゴルフ・ベンツA・マツダアクセラなみに充実させつつないと、日本市場では今後厳しいかもしれません。
Posted at 2014/03/16 11:48:49 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗記 | 日記
2014年02月08日 イイね!

フォード フィエスタ試乗

それにしてもすごい雪でしたねぇ。
先週試乗してきたので報告します。
見た瞬間にデザインやメカニズムなど直感的に「いい!」と思い、すぐ乗りに行きたいと思っていました。

試乗車 フォード フィエスタ   229万円(税込)


●外観デザイン
個人的にはもう少しボンネットやサイドのキャラクターラインを減らして、塊感で魅せてほしかったですが、このデザイン結構気に入りました。実物のほうがかっこ良かったです。寸法よりも大きく存在感があるように見えました。色もいいと思います。
フィエスタのキネティック・デザインはフォーカスほどエグくなくていいです。


全長3995mm×全幅1720mm×全高1475mm、ホイールベース2490mm
車重1160kg、前軸重730kg、後軸重430kg (車検証記載値、重量配分63:37)
下の写真は日本仕様とホイールが異なります。


●エンジン
1リッター直列3気筒DOHC直噴ターボエンジン、フォード通称「エコブースト」エンジンです。
スペックは74kW(100ps)/6000rpm、170Nm(17.3kgm)/1400-4000rpm。
とても1リッターとは思えない加速をします。5000rpmくらいまで一定のパワー感で加速します。
3気筒なりのビートを伴いながらも、吹き上がりはいいです。
音は低音でちょっとスポーティーですが、3気筒にしては静かだと思います。
アイドリング時の振動も少なく、いいエンジンです。さすがに2012年・2013年エンジン・オブ・ザ・イヤーを獲得しただけのことはあります。
VWポロと比べると、さすがにポロは4気筒なので回転のスムーズさでは負けますが、パワー感、音、回した時の楽しさなどは200cc少ないハンデを感じさせないものでした。
燃費はJC08モードで17.7km/ℓで、ポロTSIハイラインの19.4km/ℓ、TSIコンフォート・ブルーモーションテクノロジーの21.2km/ℓと比べると見劣りがします。アイドリングストップもついていません。ディーラーマンの方は高速では23km/ℓまで伸びるとおっしゃっていましたが、燃費が多少悪い分は税金が安い分で相殺といったところでしょうか。

●ミッション
6速DCTで、フォード通称「パワーシフト」です。
さすがにツインクラッチだけあって加速にダイレクト感があり、変速ショックもVWよりも少なくスムーズです。ただし、マニュアルのシフトは反応が遅くて残念です。またマニュアル変速には「セレクトシフト」と呼ばれる、シフトノブ横にあるボタンで操作しなければならないため、慣れが必要です。どういう意図でこのようなしくみにしているのかはわかりませんが、できればパドルシフトにしてもらったほうが、ステアリングから手を離さずに済むのでいいですね。


●ハンドリング
電動パワーステアリングです。最小回転半径5.0m。チルト&テレスコピック調整付。
革巻きでしたが、あまり手触りは良くなかったです。
テレスコの調整幅が少なくて、身長のわりに腕が長い私には、シートの背もたれを立てるとステアリングが近くなってしまい、腕が窮屈になってポジションがしっくりきませんでした。
結構クイックで、センター付近の反応もいいです。切り込んでいった分だけイメージどおりに曲がってくれます。コーナリング中のタイヤのインフォメーションはゴルフほど良くはないです。

●足回り
フロントはストラット、リアはツイストビームトレーリングアーム式です。
タイヤはハンコックで銘柄は確認し忘れました。サイズは195/45R16 84Vです。
全般的にはボディがしっかりしていて、クラスに似合わずどっしりした感じですが、タイヤのごつごつ感を結構感じます。それを乗り心地が悪いと感じるか、スポーティでいいと感じるかは、感じ方に個人差があると思います。私はもうちょっとごつごつ感を取り除いてほしいと思いました。

●ブレーキ
フロントがベンチレーテッドディスク、リアがドラムです。
ストロークに応じた効き、ペダルタッチともに不満はありません。
性能的には問題なくても、この価格でリアがドラムというのは残念ですね。

●静粛性
ボディ自体の静粛性は高く、クルマが横をすれ違う時のような、まわりの音は気になりませんが、エンジン音は気持ち大きめだと思いました。

●シート
前後シートともかなり固い感触で、最初は乗り心地がきついかなと想像していましたが、走り出してみると意外と平気でした。GTIのシートに慣れた体にはフロントシートは肩やひざまわりのサポートが足りないように感じましたが、布地が滑りにくかったため、体が動いてしまうことはありませんでした。
それにしてもこの柄はどうにかならないものでしょうか...

リアシートは背もたれが平板で、クッションの座面も短めです。走った状態で座ってはいないので、フロントシート同様意表を突かれる可能性もなきにしもあらずですが、展示車に座った限りではとても座っていられるシロモノではないと思いました。このクルマを買われる方は二人乗りと割り切って買った方がいいです。よほどVWup!のほうがちゃんと座れます。


●内装(インパネ)
フォードのキネティック・デザインは写真でみるとエグい感じであまり好きではなかったのですが、実際にシートに納まって眺めてみると、結構見やすくデザインされていることに驚きます。VWのように事務的にしなくても、デザインで遊びながらも使いやすいインパネは作れることを証明していると思います。
ウィンカーレバーは欧州車のように左ではなく、日本車と同じ右側です。ディーラーマンいわく、タイ製のため日本に合わせてつくっているとのこと。
インパネのセンターにはソニー製8スピーカープレミアムサウンドシステムが標準で付いています。フォーカスやクーガと共通のシステムだそうです。音がなかなかいいですよ。Bluetoothで携帯音楽プレーヤーの音楽を聴いたり、携帯電話とつなげてハンズフリー通話が可能です。
センター上部の4.2インチディスプレイは「メッセージセンター」と呼ばれるもので、ナビ機能はありません。
写真ではわかりませんが、上下の中間あたりの切れ込みのところにアンビエントライト(間接照明)があります。意外と私、こういう演出ものが好きなんです。

メーターは文字がフォード共通のデザインで、針の形やフードの形状に遊び心があり、それでいて嫌味になっていないところがいいです。


●安全・快適装備

・アクティブ・シティ・ストップ
いわゆる「ぶつからないクルマ」です。機能的にはVWup!のシティエマージェンシーブレーキと同じで、30km/h以下での衝突回避機能だけです。

・オートスピードコントロール
いわゆるクルーズコントロールで、追従機能はありません。操作はステアリング上右側のスイッチで行えます。

・スマート・キーレスエントリー
日本車ではあたりまえの装備になってきましたが、VWはポロにはありませんからね。ベンツでさえもA・Bクラスにはありません。クルマの本質的な機能には関係ありませんが、あれば便利ですね。

・リアビューカメラ
シフトレバーをRにすると、インパネセンター上部にある「メッセージセンター」にリアの画像映し出します。

・熱線入りフロントガラス
カタログには載っていませんが、珍しくフロントガラスに熱線が入っています。
ディーラーマンいわく、もともとはレンジローバーに装備していたものだそうです。
私は運転していて気になることはありませんでしたが、人によってはこれがイヤだという人もいるかもしれません。

●ラゲッジスペース
容量は276リッターで、VWポロが280リッターですからBセグメントの標準的なサイズです。見た感じではもう少し広く感じました。2重底になっており、中蓋をはずすと結構深いです。さらに床下にはパンク修理キットではなく、緊急用のタイヤあり。



フォード車は初めてで、デザインは気に入っていたのですが、大衆車だから作りはそれなりだろうと勝手に想像していたのですが、結構しっかり出来ていて楽しいクルマでした。ただし、すぐ欲しいという決め手にも欠けると思ったのが正直なところです。残念なのは値付けがちょっと高いところでしょうか。装備的にはオートライトもオートワイパーも付いているし結構てんこ盛りなのですが、アイドリングストップはないし、リアブレーキがドラムだったり、自分がほしいキセノンヘッドライトがオプションでもなかったりして、付いている装備が中途半端によいところが残念です。これだったらもう少し装備を簡素にしてロープライスなグレードを出してくれてもいいような気がしますが、エコブーストエンジンにツインクラッチのミッションだけでもお買い得と考えた方がいいのでしょうか。
Posted at 2014/02/08 23:00:34 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2014年01月25日 イイね!

マツダ 新型アクセラ試乗

久々の試乗記。

今回はゴルフのライバルであるアクセラ。
先代のマイナーチェンジ時に登場のスカイアクティブは期待外れでしたが、新型がどのくらい進化しているか非常に楽しみで、早く乗りたいと思っていました。
残念ながらディーゼルの発売はまだでしたので、2リッターガソリンとハイブリッドに試乗してきました。


試乗車

・アクセラスポーツ20S Touring L Package (FF,6AT)  243.6万円(税込)
  試乗車装着オプション
  ・CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー+Boseサウンドシステム 10.5万円(税込)
  試乗車価格 254.1万円(税込)

・アクセラセダン HYBRID-S L Package (FF)  262.5万円(税込)
  試乗車装着オプション
  ・CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー 3.15万円(税込)
  試乗車価格 265.65万円(税込)


●デザイン
最近のマツダの「鼓動」デザインは大好きです。私はボディカラーは赤が好きですが、イメージカラーの「ソウルレッドプレミアムメタリック」がまたとても似合っていていいんですよね。空気抵抗係数はセダンがCd=0.26、ハッチバックがCd=0.28とかなり優秀です。そのわりにはアテンザよりもAピラーが迫ってきている感じはありませんでした。

全長4460mm×全幅1795mm×全高1470mm、ホイールベース2700mm
車重1310kg、前車軸810kg、後車軸500kg (車検証記載値、重量配分62:38)
この重量配分は新型ゴルフと同等で、FFにしてはいいと思います。



●パワーユニット
・20S
SKYACTIV-G 2リッター直列4気筒直噴DOHCで、114kW(155ps)/6000rpm、
196Nm(20kgm)/4000rpm。圧縮比は13.0と非常に高くなっています。またゴルフ7と同様、前方吸気・後方排気となっています。
燃費はJC08モードで19km/ℓです。ゴルフの1.4リッターターボとほぼ変わらない数値ですが、ゴルフのほうが実燃費では勝るでしょう。
パワーは少し物足りなく感じますが、アクセルに対しリニアにパワーが出るので、乗っていて不快になることはありませんでした。同じ2リッターNAでは、インプレッサのほうがもう少しトルクがあるように感じます。
音は気持ちのいいものではありませんでしたが、先代に比べてガサツさが減ったような気がします。
エンジンマウントが良いのか、振動も先代に比べて減っていました。

・HYBRID-S
2リッター直噴DOHC+モーターです。
エンジンのスペックは73kW(99ps)/5200rom、142Nm(14.5kgm)/4000rpm。
モーターのスペックは60kW(82ps)、207Nm(21.1kgm)。
なんと燃費はJC08モードで30.8km/ℓです。

CVTということもあり、アクセルを踏んだ時のパワーの出方にリニアさが欠けています。それでもプリウスに比べれば、アクセラはエンジンが2リッターでトルクが大きいので、パワー不足を感じるようなことはそれほどありませんでした。
プリウスはモードの切り替えで、ECOとかPOWERとか切り替えが出来ましたが、アクセラはパワー特性の変更はできず、EVモードの設定のみとなっています。

余談ですが、アクセルペダルはガソリン車がオルガン式、HYBRIDが吊り下げ式となっています。トヨタのシステムの関係上、HYBRIDは吊り下げ式にせざるをえなかったそうです。
またシステムの差が低燃費技術採用の差にもなっています。
アイドリングストップ機能はガソリン・ディーゼルがマツダの「i-stop」で、HYBRID-Sはトヨタのハイブリッドシステムに組み込まれたものを用いています。
また、エネルギー回生システムの「i-EROOP」はガソリン・ディーゼルのモデルにしか採用されていません。


●ミッション
・20S
SKYACTIV-DRIVE 6ATです。いままでのものよりもダイレクト感が増しており、さらに変速レスポンス素早くなっています。VWのDSGほどのレスポンスはありませんが、DSGの素早さに慣れている私でも不満のないレスポンスでした。ベンツのA・Bクラスのツインクラッチよりもよいかもしれません。
・HYBRID-S
基本的にプリウスと同様のCVTなので、6ATに比べるとダイレクト感が落ちます。またマニュアルシフトもできないので、走る楽しみは減ります。

●ハンドリング
電動パワーステアリングです。最小回転半径は5.3m。
20Sはセンター付近もきちんと反応があり、切り込んでいく途中でもタイヤのインフォメーションが抜けず、いい感触です。トーヨーPROXES T1 Sportというプレミアム志向のタイヤもいいのでしょうし、タイヤをきちんと生かしている足回りもまた良いと思います。HYBRID-SはブリジストンのECOPIA EP150という省燃費タイヤを履いているため、センター付近のレスポンスは落ちますが、基本的な感触は20Sと変わらず、結構いいほうだと思います。

●足回り
フロントがストラット、リアがマルチリンクです。
タイヤは20SがトーヨーPROXES T1 Sport、サイズが前後とも215/45R18 89W。
HYBRID-SがブリジストンECOPIA EP150、サイズが前後とも205/60R16 92V。
けっこう固めで、車体をフラットに保ちます。車体の剛性感も高いです。20SもHYBRID-Sも基本的には変わりありません。走りの違いはタイヤの差だけだと感じました。

●ブレーキ
・20S
ちょっと踏力がいりますが、踏み込むストローク量に対してリニアに効きます。
また、ペダルの剛性感もあります。
・HYBRID-S
回生ブレーキのため、少し違和感があります。20Sに比べてリニアさに欠けます。

パーキングブレーキは私の好きな電動式ではなく、ハンド式です。

●静粛性
静粛性はかなり高いです。インプレッサより静かです。かなりゴルフの静粛性に近づいたと思います。

●シート
フロントシートはゴルフに比べるとウレタンの厚みが足りない感触はありますが、座面や背もたれの大きさ・サポート性に不満はなくフレーム剛性も高いので、いいシートだと思います。アテンザと座った感触がほとんど一緒でした。リアシートは試す時間がありませんでした。


●内装(インパネ)
上半分はソフトパッドになっており、見た目にも高級感が出ていていいですね。とても200万円台中盤のクルマとは思えません。メーターのデザインがボルボV40風で先進的なデザインですし、センターのディスプレイが独立していてダッシュボードの高さを低くして開放的にしているので、アテンザと比べても遜色がないどころか、こちらの方がデザインや質感がいいように思えました。


20Sのメーター
全体の形状はボルボV40風です。センターのメーターはタコメーターとなっています。目盛りの部分がシルバーになっていて、ちょっとメルセデスベンツAクラスのメーターを思わせるような色づかいです。デザインは気に入ったのですが、左右のディスプレイは文字が小さく、老眼になった私の眼には見えずらかったのが残念です。こういうところの気遣いはトヨタ車のほうがよく考えられていますね。

HYBRID-Sのメーター
センターのメーターがスピードメーターになっています。左側のディスプレイにはモーターの状態とバッテリーの充電状態が示されています。


メーターバイザーの上には「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」があり、イグニッションのONとともに立ち上がります(任意に下げることはできません)。
スピードのほか、簡易ナビ表示、レーダー・クルーズ・コントロールの車間設定表示がされます。



7インチセンターディスプレイ
ナビゲーションはショップオプションのナビゲーション用SDカード(3万1500円)を購入して装着することにより見ることが可能です。
アウディ・コネクトならぬ「マツダ・コネクト」が装備されていて、スマホに「Aha」というアプリをインストールし、スマホを介してインターネットに接続し、FacebookやTwitterのメッセージの読み上げやインターネットラジオの利用を可能としています。
機能が限定的で、インターネットが見られるわけではありません。
アウディ・コネクトの場合はクルマ本体が「3G」無線通信でインターネットに接続し、車内でWi-Fiの利用を可能にしていたり、Google earthを見られたりといった機能がありますが、一長一短ですね。マツダの場合はスマホがないとできないかわりに、インフラが進化して通信速度が上がっても、スマホを買い換えれば対応できますが、アウディの場合はクルマ本体に内蔵されてしまっているため、インフラの進化に合わせるためには、クルマ自体を買い換えなければいけなくなるといったことが起こりえるかもしれません。

操作はセンターコンソールにある「コマンダーコントロール」で行います。
操作感はボタン、ダイヤル共に少し硬かったです。

-DM(インテリジェント・ドライブマスター)の表示
マツダ独自のドライビング教習機能とでも言ったらよいのでしょうか。
i-DMがセンターのディスプレイで表示できて、わかりやすくなっていました。
スコアを達成すると、左上に表示されているステージが上がっていくそうです。
最大5th STAGEまであるそうです。


●安全・快適装備
以下はアテンザ試乗記ブログの引用です。
マツダの安全思想のことを「MAZDA PROACTIVE SAFETY」というそうです。
安全技術の総称を「i-ACTIVSENSE」というそうです。

では「i-ACTIVSENSE」に含まれる技術を1つ1つ確認してみると、

①スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)&AT誤発進抑制制御
SCBS4~30km/hの間でフロントガラス部分にある近赤外線センサーを使って感知して衝突の危険があると判断すると、自動でブレーキをかけるシステムです。ATご発信抑制制御は10km/h以下の徐行時及び停止時にセンサーが障害物を検知しているにもかかわらずアクセルが一定以上踏み込まれた場合に、警告と同時にエンジン出力を抑える機能です。
SCBSはボルボの「シティセーフティ」やVW up!の「シティエマージェンシーブレーキ」などと同様の
システムです。

②マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)
私の好きな装備です。フロントグリルのエンブレム内にあるミリ波レーダーを使って30km/h~
100km/hの間、前車との車間距離を一定に保ちながら自動追従するクルーズコントロールです。
車間距離は5段階に設定できます。日本車のクルコンは100km/hまでしかセットできないのが
残念です。

③スマート・ブレーキ・サポート(SBS)
こちらも②と同じミリ波レーダーを使って15km/h以上で車間距離を認識し、メーター内に表示、
車間距離が基準値に達すると警告を発し、さらに距離が縮まると自動ブレーキで衝突回避または
衝突時の被害軽減を図ります。

④車線逸脱警報システム(LDWS:Lane Departure Warning System)
フロントガラスにあるカメラを使って、車線を逸脱しそうになると判断すると、音で警告を発します。
ウィンカーを出しているときは働かないそうです。

⑤リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)
リアバンパーに内蔵されたレーダーを使って、斜後方約50mまでの範囲で近接車両を検知し、
ドアミラーにあるインジケーターが点灯します。その検知している状態でウィンカーを操作すると、
インジケーターの点滅と同時に警告音を発します。

⑥アダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)
ステアリングを切る角度と車速に応じて、ヘッドライトの向きを進行方向に近づけるシステム。
GTIにもついています。

⑦ハイビーム・コントロール・システム(HCS)
ハイビームで走行中、フロントガラスにあるカメラが対向車のヘッドライトや前走車のテールランプを
検知すると、自動的にロービームに切り替えるシステム。
これは便利かもしれません。

ディラーマンはミリ波レーダーは200m先まで補足でき、悪天候時でも補足できると言っていました。
スバルのアイサイトはステレオカメラで60m前までしか補足できず、悪天候時は補足しにくくなるそうです。ただし、物体を認識するのにはカメラのほうが向いているそうです。

こうやって調べてみると、スバルのアイサイトはステレオカメラだけですが、i-ACTIVSENSEはミリ波レーダー、近赤外線センサー、カメラと3種類の感知装置を使ってより多機能にしてあるので、開発陣のこだわりをいろいろな名称を使って表現したかったということもあるのかもしれないですね。けっこうベンツやボルボに迫るぐらいになってますね。

アクセラの場合、グレードによってけっこう違いがあります。
アクセラスポーツ(5ドアハッチバック)ディーゼルの「XD」というグレードにはすべて標準で付きます。
「20S Touring」系では④と⑦が装着されません。
なんと1.5リッターには安全装備が付いておらず、オプションでもほとんど選べません。
HYBRID系では私の好きなレーダークルーズコントロールがオプションですら付けられません。
この装備の差はなんなのでしょうか。
オプションでもいいからすべてのグレードにこれらの安全装備を付けられるようにしてほしいものです。
私には安全装備の差でわざと「XD」か「20S Touring」を購入したくなるように誘導しているように見えてなりません。

●ラゲッジスペース
ラゲッジ容量は350リッターとこのクラスで標準のサイズです。先代のゴルフで350リッター、ゴルフ7で380リッターですから、新しいモデルですからもう少し大きくてもいいんじゃないかと思います。私の好きなアームレストスルーがないのも不満です。

容量は312リッターとちょっと少な目。またバッテリーがあるため、トランクスルー機能を採用できていない点が残念です。



いろいろ文句も書きましたが、国産Cセグメントの中ではすばらしい出来だと思います。インプレッサと比べてもこちらの方が気に入りました。足りないのはパワーくらいでしょうか。ディーゼルなら満足できるかもしれません。ゴルフと比べるとまだツメの甘さを感じるところもありますが、マツダはモデルが新しくなるごとに進化していますので、これからの熟成にも期待したいと思います。
Posted at 2014/01/25 00:34:06 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ

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「motoGPホルヘ・ロレンソ選手の引退はショック!」
何シテル?   11/16 08:45
VWのダウンサイジング直噴過給エンジンTSIとツインクラッチミッションDSGの技術に興味を持ち、2008年2月にVWゴルフトゥーランに試乗してその走り...
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