待望のNEWゴルフ、試乗してきました!
試乗車 VWゴルフ TSI Highline BLUEMOTION TECHNOROGY 価格299万円(税込)
試乗車オプション
アダプティブシャーシーコントロール"DCC"パッケージ 14.7万円
バイキセノンヘッドライトパッケージ 10.5万円
試乗車価格 324.2万円(税込)
●外観デザイン
ルボランカーズミート2013ではじっくり見ることが出来なかったので、そんなに変わってないなと思っていたのですが、フロントのボンネットはプジョーやボルボほどではないですが、立体感があってかっこよくなってますね。
サイドとリアに関してもシャープな感じでかっこよくなってますが、先代のシンプルななかにも面の張りがあって造形の巧みさを感じさせるものよりも単純な造形になってしまった気がします。
空気抵抗係数Cd=0.27と、先代の0.312より相当よくなっています。当然それによる弊害もあります。フロントガラスは傾斜がきつくなり、サイドウィンドウもけっこう寝ています。私が他のCセグメントのクルマよりゴルフが優れていると思っていた居住性に関しては、あまり有利とはいえない状況になっていました。

写真はDCC装着車でこのホイールがセットでつきます。
全長4265mm×全幅1800mm×全高1450mm(DCC装着車)、ホイールベース2635mm
車重1320kg、前軸重810kg、後軸重510kg (車検証記載値)
●エンジン
今回試乗したクルマは1.4リッター直列4気筒DOHC直噴ターボ。先代のハイラインではスーパーチャージャーとターボのツインチャジャーで、比べるとパワーは118kW(160ps)から140psへダウンしたものの、トルクは240Nm(24.5kgm)から250Nm(25.5kgm)へアップしており、発生回転数も低くなって、より低中速重視となっています。体感的にはこれで十分といった感じで、ボルボV40ほどパワフルな感じはしませんでしたが、回転もVWらしくスムーズで、ベンツのようながさつなフィールや音も一切なく、面白みがあるかと言われればないかもしれませんが、不満に思うようなところはありませんでした。
なんといっても話題は気筒休止システムでしょう。けっこう街中でも頻繁に働いていましたが、いろいろな雑誌でも言われているとおり、いつ働いているのかは体感的にはわかりませんでした。メーターのマルチファンクションインジケーターに表示が出るので、それでわかるだけです。これだけ頻繁に働くのであれば、燃費に相当効いているのではないでしょうか。このシステムはぜひ他のエンジンにも(GTIにも!)採用してほしい技術です。
燃費面では当然アイドリンングストップやブレーキエネルギ回生システムも装備しています。
他に技術的には前方吸気・後方排気になったり、ブロックが鋳鉄からアルミになって20kg軽くなったりしていますが、重量配分にいい影響を与えているのかは乗ってもよくわかりませんでした。
今回TSI Highlineには”ドライビングプロファイル機能”が備わり、エンジンやミッションのレスポンスまで変わるようになりました。”ノーマル”や”エコ”だと出足がもっさりした感じですが、”スポーツ”にするとエンジン回転は高めを維持し、DSGのレスポンスもすばやくなるため、結構楽しめます。今回は試せませんでしたが、”インディビデュアル”といって、個々の要素を別々にセッティングできるモードもあります。設定はセンターのタッチパネル画面で行います。
さらに、先代のGTIに標準装備されていて、Highlineにはオプション設定すらなかった電子制御デファレンシャルロック”XDS”が全グレードに標準装備されています。簡単に言うと疑似LSDで、コーナリング時にコーナー内側になる駆動輪が空転するとデフの効果で外側の駆動輪に駆動力がいかなくなるため、内側の駆動輪だけにブレーキをかけることによって、LSD効果を生み出し、外側に駆動力が伝わるようにしてアンダーステアを軽減する機能です。個人的には、いろいろな機能をつけず素の状態でいいクルマが好きなので、なくてもいいと思います。自分のクルマで高速のインターチェンジのカーブをステアリング切った状態でアクセルを踏みこんでみたところ、確かに内側に切れ込んでいく感覚はありましたが、意図的に状態をつくり出さない限り、街中では体感することはないです。
●ミッション
7速乾式DSGです。心なしか変速がスムーズになっているような気がしました。
●ハンドリング
電動パワーステアリングです。ちょっとセンター付近のレスポンスが甘いですね。また、先代よりも路面の感触がつかみずらい感じがあります。タイヤが先代のコンチネンタルからピレリ チンチュラートP7に変わったということも影響しているのでしょうか。でも切り込んでいけば、切った分だけ素直に曲がっていくVWらしさは健在です。個人的には唯一熟成を期待したい部分です。
●足回り
フロントがストラット、リアが4リンク(マルチリンク)です。
タイヤはピレリ チンチュラートP7、サイズは前後とも225/45R17 91Vです。
とにかく動きが軽くなって、乗り心地がよくなりました。先代のHighlineに比べて20kgしか軽くなっていないのに、ここまでひらりひらりと軽快な感じになるなんて、大げさに言うと、まるで別のクルマのようです。代わりに、ドイツ車らしい重厚さは薄れましたね。でも日本車のコンパクトクラスのようにダンパーに腰がなく、コーナリングでカクッ、カクッと腰砕けのようなロールをする安っぽい動きではなく、連続的にきれいにストロークします。
DCCで切り替えしてみましたが、”スポーツ”にしてみてもロールは多少減りますが、そんなに劇的に変わる感じはしなかったです。
●ブレーキ
フロントがベンチレーテッドディスク、リアがディスクです。
強いブレーキングは試し忘れましたが、特に違和感はありませんでした。
パーキングブレーキは今回から電動式になりました。Aクラスと同様にホールド機能がありますが、こちらは奥まで踏み増す必要はありません。自然に停車したときにホールド状態になります。もちろんアクセル踏めば解除されます。
●静粛性
ほんとに静かです。先代も静かなほうだと思いますが、さらに静かになっています。とてもCセグメントのクルマとは思えない静粛性です。
●シート
フロントシートは座面、背もたれともに大きさが適度で、クッションのホールドが若干甘いですが、それ以外はウレタンの固さも含めて特に不満を覚えるようなところはありませんでした。結構フロントガラスが寝ていますが、明るい色の内装だったせいか、それほど圧迫感は感じませんでした。また特にどこがどうなっていると指摘できるわけではないのですが、何か先代よりもコストダウンしているように、簡単にいうと安っぽくなったように感じられるのは私だけでしょうか。

リアシートは先代よりもポジションが適切になった気がします。先代のネガだったクッションの短さも改善されています。ただし空力を重視したために、ルーフが低くなり、サイドウィンドウも寝ているため、頭上に先代にはなかった圧迫感があります。外観デザインの項でも触れましたが、ゴルフの他車に対するパッケージングのアドバンテージがなくなったようで寂しいですね。また、ホイールベースが先代より60mm長くなっているにもかかわらず、足元空間が広くなったようには感じられませんでした。クッションの座面が長くなったこともあるのでしょうか。
●内装(インパネ)
インパネセンターがドライバー側に向けられてパーソナルな感じになり、パネルもピアノブラックの加飾で高級感を演出しています。
センターには機能選択のためのタッチパネル画面が付きましたが、ナビの表示機能がありません。年内に間に合うように組み込み式のを鋭意開発中とのことでしたが、現状では、ポータブルナビをインパネ上部に設置する以外方法がありません。
唯一不満だったのはDCCのスイッチです。シフトノブが邪魔でスイッチが見えませんし、押すにもノブよけて腕を回り込ませて押さなければならないため、非常に操作しずらいです。左ハンドル仕様そのままなのでしょうが、これはぜひスイッチを右側に移して欲しいです。
それからアクセルペダルがオルガンタイプじゃなくなりました。MQBプラットフォームに変わったからでしょうね。コストダウンを感じて残念です。

今回オーディオや車両の設定がセンターのタッチパネル画面で操作できるようになりました。

エンブレム内蔵のリアカメラが装備されており、タッチパネル画面で見られるようになっています。

メーターのレイアウトは先代と同様。マルチファンクションインジケーターがついに日本語表示されるようになりました!(遅っ)
よい画像がなくてすみません。
●ラゲッジスペース
容量は380リッターと先代の350リッターよりだいぶ増えていますが、見た目にはそれほど広くなったようには感じられませんでした。カーペットの質感は先代より増しています。床下にはパンク修理キットではなく、ちゃんとスペアタイヤ(緊急用)が入っていました。
●安全装備
今回のモデルチェンジの目玉は皆さんご存知のとおり、「これでもか!」というほど安全装備がてんこ盛りなことです。しかし残念なことに、ブラインドスポットモニターがありません。ここまでやったのなら、ぜひ装備してほしかったです。ブラインドスポットモニターが欲しい方はベンツかボルボかマツダアテンザを買うしかなさそうです。
・シティエマージェンシーブレーキ
これはup!に装備されたものと機能は同じです。30km/h未満で走行中、バンパーに組み込まれたレーダーで衝突の危険を感知すると自動でブレーキをかけ、衝突を回避または被害の軽減をはかるものです。私は景色を見るのが好きで、よくよそ見をしてぶつかりそうになるので、この機能は欲しいです。
・プリクラッシュブレーキシステム”Front Assist Plus”
全車速域でバンパーに組み込まれたレーダーで前方車両との距離を感知して、衝突の危険が予測される場合に、ブレーキ圧を高め、ドライバーに警告音・警告灯により注意喚起をします。それでもドライバーが回避行動をとらない場合は、自動で減速し、被害軽減をはかります。
注意しないといけないのは、この機能は設定で"ON"状態にしていないと働かないことです。
・アダプティブクルーズコントロール”ACC”
私の大好きな前車追従機能付オートクルーズです。通常のオートクルーズでも、アクセル踏まないだけで長距離走行時の疲労はかなり軽減されますから、追従機能が付いたらほんとにラクですよね。フロントバンパーに組み込まれたレーダーを使い、前車との車間距離を設定した一定距離に保ちながら追従走行を行えますし、前にクルマがいない場合には設定した速度でオートクルーズしてくれます。ゴルフのACCは前車が完全停止するところまで追従するのがいいですね。
・レーンキープアシストシステム”Lane Assist”
フロントガラス上部に設置されたカメラによって、走行中の車線をモニタリング。車線逸脱を検知すると、ステアリングに振動を与えてドライバーに注意を促すとともに、自動でステアリング補正を行う機能。この機能は65km/h以上でないと働きません。
・マルチコリジョンブレーキシステム
エアバッグ用センサーで衝突を検知すると自動でブレーキをかけ、10km/h以下になるまで減速させ、2次被害を軽減するシステムです。
・プロアクティブ・オキュパント・プロテクション
事故の可能性を急制動やオーバーステア/アンダーステアの挙動で検知すると、シートベルトのテンションを高め、サイドウィンドウを閉めて、万一衝突した場合にエアバッグの効果が最大限発揮あれるようにするための機能です。ベンツのも同様の機能がありますね。
・ドライバー疲労検知システム”Fatigue Detection System”
通常とはちがうステアリングの動きを感知すると、警告音とマルチファンクションインジケーターの表示で、ドライバーに休憩を促す機能です。
●快適装備
・電動パノラマスライディングルーフ 12.6万円 TSI Highlineにオプション設定
ゴルフもやっとパノラマになりましたね。しかも開けられるのがなお良いです。
・バイキセノンヘッドライト オプション TSI Highlineで10.5万円
先代では標準だったのですが、オプションになってしまいました。まあ、これをつけても先代よりも安いですが。
先代に比べ値段のわりにいろいろな装備が増えていますが、雑誌で騒がれている程には、走りの部分での進化の幅は少ないのではないかと思いました。先代から乗り換えたいほどかというと、自分の中ではそこまでではありませんでした。新型GTIに乗ったら気持ち変わるかもしれませんが。今後機会があれば1.4リッターのDCCなしのものや、1.2リッターも乗ってみて確かめてみたいですね。
今現在Cセグメントでクルマを選ぶとしたら、やはり燃費を含めた総合力ではゴルフということになるのでしょうか。ライバルのV40は燃費はあまりよくないし、可変制御もないですが、デザインは魅力的だし、シートの出来もゴルフよりは上だと思います。どちらもいいクルマなので、あとはもう好みで選ぶしかないでしょうね。
あとはプリウスと比べる方はいらっしゃるかもしれません。プリウスを検討されている方は”ハイブリッド”や”デザイン”の先進的なイメージと”燃費”等に惹かれているのでしょうけど、クルマとしての出来は明らかにゴルフが上です。ボディのつくり、ハンドリングの良さ、シートのつくりなどなど、基本的な部分がしっかり作りこまれています。先代のTVコマーシャルじゃないですが、ドアを閉める音などはまったく違います。燃費に関してはゴルフは1.4リッターに気筒休止システムを採用してリッター19.9km、1.2リッターで21kmを実現しています。欧州車の場合実燃費との差がが少なく、特にVWの場合は実燃費がモード燃費を上回ることさえあるので、実燃費も20km/Lくらいと考えていいのではないでしょうか。対するプリウスは燃費スペシャルのLグレードで32.6km/Lと相当差があるように見えますが、プリウス乗っている人に実燃費を聞くと20km/Lくらいとのことで、ゴルフとほとんど差がないと思います。また、今回のゴルフの価格設定も絶妙ですよね。プリウスにかなりせまっているというか、TSI Trendlineと比べたらほとんど変わらないんじゃないでしょうか。
ゴルフはこれ1台で完結できてしまうクルマです。コストパフォーマンスもこれ以上ないくらいいいと思います。プレミアムブランドにこだわらず、飽きのこないいいクルマが欲しい人には最高じゃないでしょうか。個々のポイントで見れば、他のクルマに負けているところもあるかもしれませんが、トータルで1台のクルマとしてまとまっているかどうかを見たときに、これ以上のクルマはないのではないでしょうか。
私がおすすめするまでもなく、みなさん魅力をわかってらっしゃるようで、すでに年内納車は出来ないほどだそうです。ナビの問題が解決してから購入しようと思っても、そのときに契約したら納車がもっと先になってしまうでしょう。ゴルフ人気恐るべし!