8/28(火)~9/1(土)の間、夏季休暇を利用して、伊勢神宮まで往復1500kmのロングドライブをしてまいりました。私のブログを見てくださっている方にはまったく興味のないクルマだとは思いますが、走行距離が5000km未満の新車のような車だったため、私個人の記録もかねて、ヴェルファイアの感想を書いてみたいと思います。

今回の走行距離はこちら。
借用車 トヨタ ヴェルファイア 2.4X 8人乗り FF 7速CVT 標準価格300万円(税込)
●外観デザイン
さすがに大きいですね。全幅1830mmでもスライドドアのため乗り降りの不便は感じませんでした。
個人的にはアルファードよりもヴェルファイアのほうが形が好きです。下のほうのグレードですが、黒いボディカラーということもあって、安っぽさは感じられませんでした。

全長4870mm×全幅1830mm×全高1890mm、ホイールベース2950mm
車重1850kg 前軸重1040kg:後軸重810kg(車検証記載)
●エンジン
2AZ-FE型2.4リッター直列4気筒DOHC
125kW(170ps)/6000rpm、224Nm(22.8kgm)/4000rpm
6人乗っていても過不足なく走ります。全開加速は正直遅いですが、遅さがあまり気にならず、大きさ、重さのわりには十分加速してくれていると思いました。
ECOモードを使うと110km/h以上は加速しなくなります。高速道路で加速が必要な場合はECOモードを解除する必要があるでしょう。
音や振動も少なく快適でしたが、アクセルペダルに走行振動が伝わってきて、長時間乗っていると足が疲れました。また、エンジンマウントが少しやわらかく、加減速時に少しギクシャクする場面がありました。
燃費は10km/hを少し切るくらいでした。この大きさから考えたらいいほうでしょうか。
●ミッション
7速シーケンシャルシフト付CVTです。パドルシフトはありません。マニュアルシフトを試してみましたが、エンジンブレーキがほとんど利きません。そのかわり、シフトショックは感じられず、非常にスムーズに変速してくれました。
●ハンドリング
電動パワーステアリングです。この価格にしてステアリングが革巻じゃないのが残念。
パワステの重さも適度で、街中では非常に扱いやすく、5.7mという最小回転半径の大きさを感じさせないものでした。インフォメーションはちょっと希薄ですね。
高速道路ではもろに前や横からの風圧の影響を受けます。無風状態では直進安定性はいいので、おそらく足回りのブッシュがやわらかすぎなのではないでしょうか。前からでも横からでも風を受けているときにはまっすぐ走らないので常にステアリングの修正を強いられます。長時間乗っていると疲れる要素です。
●足回り
フロントがストラット、リアがトーションビームです。
タイヤはトーヨートランパスR30、サイズは前後とも215/65R16 98Hです。
乗り心地は非常によく、段差のショックの収束もいいです。さすがにロールは大きめですが。
これだけ大きい箱にもかかわらず、ボディ剛性の不足を感じることもありませんでした。
●ブレーキ
フロントがベンチレーテッドディスク、リアはディスクです。
このクラスのミニバンの中では比較的軽量なためか、特に効きに不満を覚えることもありませんでした。
パーキングブレーキは足踏み式。
●静粛性
よくもなく、悪くもなくといったところでしょうか。街中を走っているときは静かに感じますが、高速道路に入ると静かに感じつつも、オーディオが聞き取れなくなっていることに気が付きました。感じているほどは静かではないのかもしれません。ただ、長時間乗っていてもスバル車に乗っていたころのようなぼーっとなる疲れはなかったので、特定の周波数帯域の遮音がいいんでしょうか。
●シート
これだけ広くて快適そうに見えるクルマなのにシートは最悪です。
フロントシートはクッションは短めで、背もたれは腰のあたりの形状が悪く、すきまが空いてしまって、長時間乗っているとおしりやもものあたりに変な力がかかり、非常に疲れるので、腰の後ろにクッションを置いて支えたら平気になりました。それでもお尻は痛くなりましたが。
リクライニングの操作レバーが小ぶりで使いづらかったです。

右の写真のように、腰のところにクッションを入れて座っていました。
2,3列目は写真を撮り忘れました。
2列目はクッションの角度が立ちすぎていて、こちらもしっくりこない。
3列目は一番形状がまともでしたが、それでもサイズが小ぶりで平板なので、やはり長時間乗っていると疲れました。
見た目の質感はいいのですが、実際に人が座ったときに長時間座っても変に力まず疲れない形状だとか、操作のしやすさといった本質的な部分をきちんと作ってほしいと思いました。
●内装(インパネ)
デザインはあきがこないシンプルなデザインで好感が持てます。
一見整然としているようですが、ボタンのレイアウトなど意外と使いづらいです。特にステリング右側のスイッチ類はステアリングの影に隠れてしまって、運転しながら確認していると結構危なかったです。ステアリングにあるスイッチもステアリングがから手を離さないと操作できないのがなんとも間抜けです。

ステアリング右横のスイッチ類

エアコン操作パネル(時計が見ずらい)
意外だったのはメーターで、ちょっと趣味性があって、見ていて飽きないデザインでよかったです。写真では色がつぶれてしまっていますが、針はブルーで結構きれいでした。

ナビ(NSCP-W62)はとても使いやすかったですよ。トヨタ純正でどこのメーカーかはわかりませんでしたが、VWのクラリオン製に比べたら拡大案内表示、音声案内、検索スピードともすべて優れていました。トヨタ車を買う方にはおすすめです。ただし、テレビは見られません。
●ラゲッジスペース
写真を撮り忘れましたが、収納の仕方を工夫すれば、6人で5日間の旅行でも特に問題になるようなことはありませんでした。ただし、お土産をたくさん買ってしまうときついかも。
●その他気になる装備
間接照明
これは家族には好評でした。
トヨタ流快適実用グルマを久々に味わいました。日常で使うには非常によくできていると思う反面、もっと足回りやシートなど本質的な部分の機能をきちんと高めて欲しいとも思いました。装備も実際に使ってみると意外と不便だったりする部分もあります。特にインパネのスイッチ類は見た目の質感とは違って使いづらかったです。スマートキーなので、オートライト時やニュートラルポジション時に車外に出ると警告音がうるさかったり(何に対しての警告音なのかわかりづらい)、スピーカーが3列目にないのでボリュームを大きくしなければならないから2列目の人にはうるさかったり、補助ミラーはガラスに映りこみがあってほとんど役に立たないなどなど。
普通の人は、ちょっと不満があっても「こんなもんだろう」と思いつつ、広さや安楽さに打ちのめされてクルマに興味がなくなっていってしまうんだろうなと感じました。私自身もこのクルマの安楽さに少しやられているところです。
このクルマを返したあとにGTIのリアシートに乗ったら、車内が非常に窮屈に感じました。また運転してみたら、目線も低く、車体も軽く感じて、まるでスポーツカーにでも乗っているような感覚にとらわれました。GTIだって車重は1400kgと決して軽くはないんですけどね。たぶん最近の楽なクルマに慣れている人がGTIに乗ったらこんな感覚にとらわれて、「こういうクルマは自分にはあわないかな」と思ってしまうんでしょうね。