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「スーパーカー誕生」　沢村慎太朗著　文踊社刊　 ￥４,９８０．－（税込）

このブログを読んでいただいている方の中で、スーパーカー世代の人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。私は１９７１年生まれで、小学校１年生のときにスーパーカー消しゴムを飛ばして遊び、テレビでスーパーカーのクイズ番組をやっていた時代に育った生粋のスーパーカー世代です。近所の東名高速の橋の上から、リトラクタブルライトのスーパーカーが走ってくるのを見ると、近所の小学生たちと一緒に「ライト！ライト！」と手を上げてあおると、ドライバーの方がそれに答えてパッシングをしてくれた、なんて時代に育ちました。そこから自分のクルマ人生が始まった気がします。おそらく自動車ジャーナリストの西川淳さんも同じ世代なのではないでしょうか。さすがに自分にはカウンタックを所有する勇気も根性もまだありませんが。

ちなみに当時の私のあこがれは
・ランチア　ストラトス
・ランボルギーニ　カウンタック
・フェラーリ５１２ＢＢ
といったところです。
みなさんのあこがれのスーパーカーはどれでしたか？

そんなあこがれであり、雲の上の存在であったスーパーカーに対し、純粋に技術的考察をし、技術的な矛盾点に突き当たったことについて、実際に作った人たちにインタビューして聞きだすという、とんでもないことが書かれている本です。自動車の歴史書で、実際に作った人に聞いたというものは、過去に見たことがありません。作った本人たちに聞いたのですから、どんな書物よりも事実に近いのではないでしょうか。

それにしても、たいていの人はこの８００ページにも及ぶ見た目と値段に尻込みすることでしょう。私も通勤電車の中で毎日１時間だけ読み、終わるのに１ヶ月かかりました。

入手するのも困難かもしれませんし、読むのも大変かもしれませんが、私はみなさんにこの本を読むことをオススメします。なぜなら、作った人の思いが伝わるように物語として書かれているからです。

日産の前身である「快進社」を立ち上げた人たちの思いのことをブログに書かせていただきましたが、この本でまたみなさんがスーパーカーを生み出した人たちの情熱を感じていただけたらうれしく思います。

ただし、あこがれていたクルマの造りを知ってショックを受ける場合があるかもしれませんので、あしからず。