こんばんは。
今回はイベントのメインである空冷VWを紹介したいと思います。
旧車については詳しい方々が多数いらっしゃると思いますので、紹介するのははばかられるのですが、自らも勉強しつつ得た拙い知識での紹介ですので、間違っていたらゴメンナサイ。
私が会場で見た中で、一番古いビートル(タイプ1)がこれでした。ただし、かなりカスタマイズされております。
オリジナルのエンジンは軽合金製空冷水平対向4気筒OHV1131cc、25HP/3300rpm、6.8kgm/2000rpm。圧縮比は5.8と、現在のクルマと比べるとかなり低いです。
わたしも友人の初期型ビートルを運転させてもらったことがありますが、街中で乗る分にはこの数字からは想像できないほどよく走ります。しかしブレーキはあまり効かなくて少々怖かったような気がします。

1953年以前のモデルの外観の特徴はリアで、リアウィンドウが分割(スプリット)になっています。テールランプも小さいです。

最も特徴的なのがインパネで、1953年以前と1954年以降で全く異なります。こちらは古い方で、スピードメーターがセンターにあります。
お次は1949年7月から1980年までの長きにわたりカルマン社で製造された4人乗りのオープンカー、カルマン・カブリオレ。

下の写真ではドアノブの右隣りに腕木式方向指示器確認でき、極初期のモデルと思われます。

先ほどのビートルのインパネと比べると違いがよくわかりますね。スピードメーターがステアリングの前になっています。こちらの方が新しいです。
ビートル(タイプ1)の次はVW1500(タイプ3)です。
当時、収益のほとんどをビートルという単一車種に頼っていたフォルクスワーゲンは、そこからの脱却を図るべく、1961年9月にVW1500(タイプ3)を発表。RRレイアウトなど基本的なところはタイプ1を踏襲していて、スタイル以外目新しさはなく、販売も芳しくなかったようです。(といってはオーナーの方に失礼かもしれませんね。このスタイルが好きという方もいらっしゃるでしょう)
1961年に登場したのは下の写真の2ドアセダンのみ。
エンジン出力は45HP/3800rpm、10.8kgm/2000rpm、圧縮比は7.5。

RRでこのスタイリングでは、トランクは相当狭いのではないでしょうか。

インパネはいたってシンプル。メーターが独立三眼になって、下には棚のような物置きがあります。
1962年1月VW1500(タイプ3)に、バリアントが追加されます。
フロントはセダンと変わりません。

RRなのでリアサイドガラスの下にスリットがついていますね。

バックドアの下端線がかなり高いですよね。ここが荷室の床高さになります。

ご覧の通り床面はかなり高く、あまり荷物は載りそうにありません。
1965年8月、エンジン排気量が1600ccにアップするとともに、ファストバックの1600TLを追加されました。エンジン出力は54HP/4000rpm、11.2kgm/2200rpm、圧縮比は7.7。
お次はタイプ1、タイプ3の派生車種であるカルマン・ギア。
デビューは1955年8月でタイプ1をベースにデザインをイタリアのカロッツェリア・ギア社が、ボディの架装をカルマン社が行ったモデルであることは広く知られていることと思います。
エンジンは1954年型のタイプ1から搭載されている1192ccで30HP/3400rpm、7.7kgm/2000rpm。圧縮比は6.6。

カルマン・ギアといえばリアのエンブレムがかっこイイですよね。

下の写真は何年式から変更になったのか不明ですが、左右1対のフロントグリルが初期型より大きくなっています。このクルマはいじりかたがかっこよかったです。
1957年9月にはタイプ1カルマン・ギアにカブリオレが登場。
1962年3月にはタイプ3をベースとしたカルマン・ギアが登場。タイプ1カルマン・ギアとはうってかわって直線的なデザインとなりました。エンジンはタイプ3と同じ1500cc/45HP。
1965年8月にはタイプ3と同様に1600ccに排気量アップ。
あまり人気が出ず、タイプ1カルマン・ギアも並行して生産され、タイプ3カルマン・ギアがタイプ1カルマン・ギアよりも先の1969年7月に生産打ち切りとなりました。

タイプ1カルマン・ギアとはインパネのデザインが異なり、よりシンプルになっています。
1968年4月、長年VWを引っ張てきた社長のハインリッヒ・ノルトホフが69歳で病没したため、新たにクルト・ロッツが社長に就任。
新体制後に登場したのが、1968年8月に登場の411(タイプ4)。
ボディデザインにはピニンファリーナが関与しているらしいです。
ボディはモノコックになり、サスペンションもトーションバースプリングからコイルスプリングへと多少の進化(VWにとっては大幅な進化?)したものの、戦後20年以上経っても相変わらずRRレイアウトを採用し、エンジンも相変わらずの空冷で、エンジニアリング面での古さは隠せず、タイプ3に続き販売が思わしくなかったようです。
1972年にはマイナーチェンジし、412となりましたが、変更したのはデザインだけでした。
下の写真は412です。私は実車を初めて見ました。
VWの本によると1679ccの1.7リッターと書かれていますが、リアのエンブレムにはVW1600とありますね。

多少化粧はしているものの、シンプルさは相変わらず。床から生えているペダルもタイプ1から変わっていません。

こちらはバリアント。

荷室はタイプ3と同様床が高く狭いままです。
長々と紹介してしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
ゴルフが登場するまでのVWの混迷期はいろいろなモデルがあって私も良く把握できていなかったのですが、次回も行く機会がありましたら、このブログのために得た知識を活かしてじっくり見比べてみたいと思います。