
クルマのシートとタイヤは、それぞれドライバーと路面とのインターフェースにあたることから、その性能はとても重要です。また、シトロエン(フランス車全般?)とボルボのシートは昔からその性能に定評があります。幸いなことに両ブランドのクルマを順に所有してきましたので、そのあたりを少し書いてみたいと思います。
シトロエンC5(初代)のシート:
グレーのモケット生地のシートで、さわり心地はなめらかで気持ち良いものでした。シートは単色ではなくセンスの良い柄があり、お洒落な雰囲気。こうゆうところは布シートの長所の一つで、特にフランス車の得意領域かと思います。シート形状はいたって普通で、座面は厚みのある適度な大きさでした。サイドサポートは顕著ではありませんが、布シートなので滑るようなことはありません。また背面は肩まできちんとホールドしますし(高さの足りないクルマはままありますよね)、ヘッドレストの形状は合格点。表層のクッションは非常に柔らかく、お尻全体が沈み込んで荷重は均等に分散され、長時間座っても痛くならないシートといえます。車検で代車に乗って、点検後に戻ってきたC5に乗ると、「やっぱ、いいなー」と癒される感じでした。欠点としてはシート表面に毛玉が付きやすく、メンテが大変なこと(ガムテープではがしとる等の対策が必要でした)、8年くらい経つと、運転席の右クッションのスポンジが割れてしまったこと等が挙げられます。後席は、横に広く子供3人がけができますが、座面の長さ、背面の高さは大人用としてはまあまあ標準で、ヘッドレストは引き出して使うタイプ。座り心地は前席と共通する良好なものでした。
ボルボS60(2代目)のシート:
革シートで、お尻が当たる底面はシボなし、サイドにはシボ有りのパターン。大柄で身体を包み込むような感じでサイドサポートも比較的しっかりしたもの。安心感もありここが一番の長所かなと。またヘッドレストは非常に立派。シートはC5に比べたら、明らかに固いです。底面にかかる荷重は、まずます分散されているようですが、未だロングドライブ未経験なので長時間乗って疲れないシートかとうがは未検証(1時間程度では全然OKですが...)。特筆すべきは後席のシートがとてもしっかり作られていること(写真)、ボルボ以外のクルマではここまでのものは見たことありません(感動)。大人が座っても満足できるものです。真ん中の席はその分やや窮屈になりますが子供なら大丈夫でしょう。革シートなのでメンテは水拭き程度でとても楽。ということで、いまのところ欠点らしい欠点はないですが、あえていえば色が黒の単色なので、室内が暗くかつ単調に見えることでしょうか。
さて、どちらが良いシートか?
私的にはC5のハイドラクティブサスペンションと柔らかい布シートの組み合わせが秀逸で、コンフォートという意味ではこちらに軍配が上がります。ただし、少しペースを上げてワインディングを通過するなど、いろんな局面を考慮した場合、ボルボのシートは安心感があって良いかなというのが、私の判定です。
最後に少し話はそれますが、一般的な話として、布より革が良いという認識があるように感じますが、また、革シートは数十万のオプション設定だったりするので、コスト面でそのような印象を助長していると思いますが、両方経験してみると実際には一長一短あり、布シートの良さも捨てがたいなぁ、と思う今日この頃です。
Posted at 2011/05/25 23:49:02 | |
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ボルボS60 | クルマ