過去246回から250回までの5回に渡り、トヨタカローラについていろいろと思うことをブログで書かさせて頂きました。これは昨年夏の第11代目となる新モデルの登場に触発されたためでしたが、その際に考慮し忘れたことがあったため、「その6」としてもう一回だけブログに取り上げたいと思います。
カローラは以前より派生モデルが複数生まれており、セダンモデルだけではその全容は語ることはできません。その意味では11代目の”正統”カローラセダンが、ビッツのプラットフォームを流用した、いわゆる「歴代カローラ愛用シニア層向けの人生最終モデル」的な位置づけで開発されたことも、派生モデル含めた全体の文脈の中で捉える必要があるのだろうと思います。そして前回ブログでは、カローラというブランド名は派生モデルを独立させた後にその役割を終えて滅びる運命にあるのか、あるいは長年トヨタを支えてきた愛着あるブランド名として、何がしかのレスペクトが払われるのか、できれば後者であって欲しい、というような内容のことを書きました(
こちら)。
上記ブログを書くことになった心境というか考察には今も変化はありません。が、ここからが本題なのですが、カローラを語る上でもうひとつ重要な側面、すなわち海外仕様車のことは前回では全く触れることがなく、これは片手落ちではないかと考えました。そして海外モデルを含めて考えるとカローラというブランドに関するトヨタの考え方も、また違って見えてくるのではないかと考えた次第です。
現行の海外モデルは先代のカローラE140型の派生車種で、E14X型あるいはE15X型のモデル名がで世界各国で販売されています(ちなみに11代目はE160型です)。E140型はカローラ歴代の中でも最大サイズを誇るモデルですが(
参照)、では海外モデルについて数値をwikipediaから拾ってみると、
全長 178.7in(米国仕様)、4,540mm(中国仕様)
全幅 69.3in(米国仕様)、1,760mm(中国仕様)
全高 57.7in(米国仕様)、1,490mm(中国仕様)
ホイールベース 102.4in(米国仕様)、2,600mm(中国仕様)
*ボディタイプはセダンのみ。日本国内仕様のカローラアクシオと異なり3ナンバーサイズで、全長が130mm、全幅が65mm、全高が30mm拡大されている(中国仕様)。
海外向けに、歴代最大サイズの10代目を更に拡大していることが分かります。ちなみに他車と比較して相対的にどの位の大きさになるかというと、現行ジェッタ(ゴルフ6世代に相当)は以下のサイズであり、欧州の同セグメントセダンとほぼ同じ大きさになります。
全長 4,640mm、全幅 1,780mm、全高 1,470mm、ホイールベース2,650mm
したがって、カローラはトヨタの安価な量販モデルとして、国内仕様とは対照的にサイズ拡大を図り、欧米のライバル達と販売においてグローバルな戦いを繰り広げていることが分かります。その意味では、国内とは違ってトヨタのビジネス戦略においてはカローラは重要なブランドであり続けているのだと思います。
で、今年1月に開催されたデトロイトのモーターショウで、米国仕様のカローラの新型コンセプト、「カローラフーリア」が発表されました。
以下、
Responseのwebサイトの記事からの抜粋になりますが、
~カローラ フーリアのボディサイズは、全長4620×全幅1805×全高1425mm、ホイールベース2700mm。デザインテーマには、「アイコニック・ダイナミズム」を掲げ、シンプルな面構成の中に、若い顧客にアピールする個性を表現する~
と国内仕様とは全く異なる方向性であることが分かります。
結局、”カローラ”は、トヨタのグルーバルなBセグメントモデル(ブランド)名として今後も存続していくことになるのでしょう。その意味では今後もトヨタの屋台骨を支える存在としてレスペクトされるモデルであり続けると言うわけです。では国内はというと、トヨタを代表するある意味国民車的な地位は、やはりプリウスにその座を譲り、徐々にではあるでしょうが、コロナやカリーナといったブランド名と同様に消えていく運命にあるのかもしれません。
個人的には、現行モデルがカローラにとって白鳥の歌になる確率が高いように想像しますが、さてどうなりますかね。
了
Posted at 2013/02/17 10:15:12 | |
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