タイトルどおり、スバルレガシィ アウトバックを試乗しました。アウトバックに関しては以前より、
・水平対向エンジン、4輪駆動など、独自の技術的なこだわりを持ち、それがブランドの強みに結びついている、国産メーカーとしてはユニークな立ち位置。
・ファミリーカーとしての5ドアハッチバック(ワゴンとも言う)の魅力。
・同じく5人家族の場合、大きすぎると不評の車体の大きさも逆に長所になる。
・デザインが好み。
などの理由より、自分の中では「気になるクルマ」に位置付けられていました(ただ5ドアハッチのアウトバックの方がより条件に合致するとはいうものの絶対とは考えておらず、セダンには別の魅力があり、なのでのB4と両睨みではありますが)。で、試乗の申し込みをするとアウトバックであれば準備できますとの返事で、本日、30分程度の試乗を敢行しました。
(実車を前にして)
やはりスタイリングは抜群に格好良いと感じました。スバル車のデザインは過去にあまり感心(共感)したことがないのですが、最近の6角グリルのフロントフェイスになって琴線に触れるものがあり、特にレガシィのエクステリアデザインはツボに嵌りまくりではあります。またボディカラーは、デザインに良くあっていると思います。
(運転席に乗り込んでみて)
・各部の作り込みはしっかりなされていて、結果、質感は高いと思いました。やや配置が下過ぎるもののナビも含めて機能的にも優れている印象です。ただし、デザインが洗練されているかというとそれ程ではないのかな、というのが正直なところ。
・革シートはなかなかの座り心地で、助手席とも距離があるので、ゆったりと運転するに適した環境が提供されています。メモリ付き電動シート、ヒートシーターなど快適装備も抜かりなし。ただし、試乗の最後の辺りで腰が痛くなる予兆があったので長時間乗ってみた時どうなるかは少し不安なところ。
・後席も乗ってみましたが、車体サイズの大きさもあって満足できる空間でした。
(運転して思ったこと)
・まず感じたのは視点がセダンより高いこと。数値としてはそれほどでもないのでしょうが明らかに違います。しかしながら先日試乗したC4ピカソよりは低く、なのでセダンのS60やこの後に試乗したマツダアテンザに比して腰高感を感じる一方、ピカソのように見下ろし感があり運転しやくすく感じる程ではない、という少し中途半端な印象を持ちました(あくまで個人の感じ方の問題なのですが)。
・サスペンションはかなり柔らかい。がフワフワしている訳ではないので、これ自体は問題ではないと思います(むしろ好みであり、乗り始めは良いなあと感心した次第)。ただし、上記のとおりやや腰高感があるなかでのサスの柔らかさなので、曲がりの下り坂が続く局面で、ほんの少しだけ不安を感じたのも事実。
・アクセルを踏んだ分だけリニアに力が出てくるのはNAエンジンとCVTの組み合わせによる故でしょうが、ターボエンジンに慣れている自分としては、ちょっと力感にかけるかなと思いました。回せば上り坂でもストレスなく登っていけたので必要十分なのでしょうが、サスペンションのセッティングと相まってスポーティというよりむしろ長距離巡航が似合うクルマといえます(米国向けにしつらえたクルマとして、ある意味狙い通りの乗り味なのでしょうが)。
・ハンドリングはまずまず良いが、少し直進位置に引っ張られる感触。当初セッティングかと思いましたが、後で考えると4輪駆動に由来しているのかもと考え直しました。必ずしも欠点ではなく直進安定性に優れることでもあり、繰り返しになりますが、長距離を巡航する性格付けには良く似合っていると思います。
・ブレーキはストローク短く、グッと効くタイプ。
(その他)
・荷室は大きく、形状も使いやすそう。さずがに「ワゴンのスバル」の伝統が生きている。
・リアハッチは電動(上級グレード)。
・パーキングブレーキも電動(自動解除あり)
・衝突防止や運転支援システムは言わずもがなで完備されている。運転が下手なので、車線逸脱警告が下り坂の曲道でしばしば鳴ってしまい気になったのはご愛嬌(正確に作動しているとも言える)。
以上、試乗しての感想になりますが、気になる部分もないではないが総じて悪くないというのが結論で、むしろ最近の国産車は出来が良いなあと感じ、先日、シトロエンC4ピカソの運転フィールに感動したものの、乗り心地などは決して負けてないなとも思った次第です。試乗車でもある上級グレードでは乗り出し400万円位と結構な値段になるので、その意味でもボルボやシトロエンであれば、直接の競合として考えるべきなのだと改めて認識しました。
と、「気になるクルマ」としてそれなりの手応えを持ち、引き続きフォローしていく、との締めくくりになるかと思いきや直後に試乗したマツダアテンザの印象が良すぎたため、アウトバックの存在がやや色褪せてしまいました。優れた居住性、5ドアハッチであること、4輪駆動、水平対向エンジン等々、個別要素ではアウトバックの圧勝ではあるのですが、やはりクルマは乗って面白くてナンボのもの、なのかもしれません。ただし、アウトバックはSUVであり、運転の面白さでセダンのアテンザと比較するのはフェアではないのかもしれませんが。
聞くとアテンザのディーゼル車は、たまたまその週のみディーラーに回ってきていたとのこと。偶然、このタイミングでマツダのディーラーを訪れ、アウトバックと乗り比べて比較することがなければ印象も全く異なったものになったと思います。
了
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Posted at
2016/05/08 22:52:02