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2012年04月22日 イイね!

228:ライカM3の話

 最近、新しいデジカメを購入して俄かにカメラへの興味が掻き立てられています。写真撮影自体もそうなんですが、生来の歴史好き、メカ好きの性格のため、カメラ(機種)にまつわる歴史や研究開発の経緯に係わるエピソードなんかにもとても興味があります。主にウェブサイトで情報を収集して楽しんでいるのですが、なかでも感心したのは、ライカM3(写真)に関する以下のようなエピソードです。



 ライカM3といえばレンジファインダー(RF)形式の銀塩カメラの珠玉の名作として知らぬものはいない歴史的傑作カメラですが、そのあまりの機械的完成度の高さに、その後のカメラの歴史に大きな影響を及ぼしたことも良く知られた事実です。ひとつには光学王国ドイツのライバルに成長しつつあった日本のカメラメーカーが、M3のあまりの高性能に同じRFカメラでの開発競争を断念し、当時未成熟であったがポテンシャルが高い一眼レフカメラへと開発の方向性をシフトさせたこと、もうひとつはライカM3の開発メーカーであったライツ社が、その後の商品開発の中心をM3の改良をもっぱらとして、一眼レフのような新しい技術潮流に乗り遅れる原因となったことです。

 勿論、現在もライツ、カールツアイスといったドイツのカメラ/レンズメーカーは大きな存在感を持ってカメラ業界で活動していますが、一眼レフで主導権を握ったカメラ王国日本の地位は揺るぎないようです。このエピソードは、偉大な成功は時として成功者の次の挑戦の阻害要因になるということと、モノづくりにおける競争において、常にガチンコ勝負をかけるのではなく、「負けを認めて、勝負の土俵をかえる」といった判断が時に重要になるということを示唆しているのだと思うのです。

 ライカをはじめとする欧米のメーカーの模倣からはじまりカメラに関する技術的な蓄積を長年続けてきて、やっと肩を並べるモノをつくることが出来るようになったと考えていた当時の日本のカメラ開発者達は、ライカM3を見た際にどのように感じたのでしょうか?優れた技術に舌を巻くとともに(おそらくがっちり権利化されていることから)ビジネスとしては追随も難しいと絶望的になったのではないでしょうか?しかし、そこで大胆に方向を転換したことは長期的に見た場合には英断であったといえるでしょう。

 軍事学者リデルハートは、その著作のなかで間接アプローチにより戦場での重点を変えることが戦略の要諦であると述べています。上記のライカM3のエピソードは、そういったことの好例といえるかもしれません。私自身の経験においても、似たような事例は思い当たります。

 翻って現在のクルマにおける研究開発はどのような状況なのでしょうか。欧州の優れた技術開発力に対して日本の自動車メーカーはどう対処していくのでしょうか?あるいは、「勝負の土俵を変える」ような判断も必要なのかもしれません。自動車の長い歴史において技術面で真の画期といえるような展開は近年に到るまでなかったと思いますが、ここに来て動力機関の抜本的な革新とIT技術のクルマへの統合といった大きな変革期を迎えています。こういった時期に、主戦場を上手く定めて次世代の主導権を握るような研究開発が展開できることを願います。
Posted at 2012/04/22 11:24:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | カメラ | 趣味
2012年04月22日 イイね!

227:ナンバーナイン

 シトロエンの新コンセプトカー、Numero9が発表になりましたね。C6が引退?しつつある状況の中で、将来のDSシリーズのフラッグシップカーの登場とそのデザインを予見するものとなるのでしょうか?シトロエンによると中国市場に投入されるということですが、日本でのビジネスはおそらく難しいのでしょうね。

 以下carviewのウエブサイトからの引用です。





~ボディサイズは、全長4930×全幅1940×全高1270mm、ホイールベース3000mm。プラグインハイブリッド(PHV)。直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボ「THP」エンジンは、最大出力225ps、最大トルク28kgmを発生。リアアクスルに置かれるモーターは、最大出力70ps、最大トルク20.4kgm。車両重量は1500kg。0‐100km/h加速は5.4秒、最高速は244km/h。欧州複合モード燃費は58.8km/リットル、CO2排出量39g/km~

 デザインは個人的にはとても気に入っていますが、まあ嗜好はヒトそれぞれということで。ただし、一点特に興味を引かれたことは、Numero9のリヤデザインが、シトロエンいわく「シューティングブレーク」という形式を採用していることです。低い車高ととても長い全長、大口径タイヤと流麗なデザインとの組み合わせで、とても個性的かつ美しいデザインを実現できているのではないかと思います。

 そもそも「シューティングブレーク」は、英国発祥の言葉で、英国貴族たちが狩猟にクルマで出かける際に犬と猟銃を載せる目的で、高級GTカーやスポーツカーをワゴンの荷室をカスタムメイドで架装したことに由来するとされています。なので非常に特殊な形式のクルマとの定義であったわけですが、現在ではワゴン(あるいはブレーク)そのものにイメージ的に重なるような、若干あいまいな使い方をされているのではないかと思います。

 ここのところ欧州の自動車メーカーでは、この「シューティングブレーク」をもう少し独自の意味を持たせて、丁度オーソドックスなセダンの上級クラスとして、メルセデスCLSを典型とするようなスタイリングを優先した4ドアクーペが「プレミアムセダン」のような位置づけで登場したように、いわゆる「プレミアムワゴン」としてお金持ち(小金持ち)層にアピールできるセグメントを新たに開拓しようとしているように思われます。

 例えばこれとか、



 あるいはこれなんか、そういった動きの代表例かもしれません。



 機能面から言えばワゴン形式にすることによるメリットはスタイリング優先のため殆どないに等しいと思われますが、まあ製作者側の意図のとおり格好よいことは確かかなと(素直にそう)思います。しかし、4ドアクーペについてブログで取り上げた際にも同様のことを書かせていただきましたが、ビジネスとしては「あざとさ感」を強く持ってしまい、好きではありません。環境問題の深刻化や経済が世界的に悪化している状況で、こういった重厚長大かつ高価格なニッチカーを開発していく意義は、少なくとも庶民の私には積極的には見出しにくいのです。

 最後に少し話はズレますが(というかこっちがむしろ本題)、ボルボのC30もシューティングブレークタイプと謳っていますが、これは上記のプレミアムワゴン路線とは少し違うようです、趣味性の高い用途に気軽に使えるスタイリッシュでそこそこ安価な車ということなのでしょうか?



 C30の後姿はまさにこのクルマへのオマージュを感じさせてくれるものです。



 庶民が夏休みなどのバカンス中にちょっと荷物を詰め込んで出かけるセカンドカーというのは、なんとなく軽快で楽しそうな感じがしますよね。日本あるいは日本人は、今までのような経済優先、効率優先の暮らし方はいろんな意味で抜本的に見直さなくてはならない踊り場に来ているのだろうと思います。経済的にはそこそこのレベルで良いが、本当に大切なこと、例えば、伝統文化の尊重や暮らしやすいコミュニティーの構築、女性や年配者の活躍の場を増やす、ワークライフバランスの見直し等などといったことを考えていくのであれば、まさにそういった新しい生活の中に位置づけられる道具の一つであるとするならば、冒頭で述べたような「プレミアムワゴン」ではない「シューティングブレーク」は、近未来の我々日本人にとっても魅力的な選択肢になるのではないかと感じます。
Posted at 2012/04/22 10:02:19 | コメント(2) | トラックバック(0) | フランス車 | クルマ

プロフィール

「久しぶりの投稿です。」
何シテル?   03/21 11:29
yutty1325です。シトロエンC5からの乗り換えで、ボルボS60に乗っています。下手の車好きです。ブログにはクルマを中心とした話題を取り上げていきます。
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