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2016年05月03日 イイね!

305:極私的C4ピカソ試乗記(その4)

今回が試乗記の最終回になります。

乗ってみて感じたこと
試乗記というからには、今回がメインになると考えてあれこれと思いを巡らせていたのですが、3年前にシトロエンDS5に試乗する機会があり、試乗記としてブログに書いたことを思い出しました。参考までにと確認してみると、驚いたことに今回書こうと思っていた内容が、ほぼそのまま書かれていることが分かりました。なので手抜きではなく、真面目にその時の記載を、以下再掲したいと思います。

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エンジンと6速ATの組み合わせは非常にスムース。低速からなめらかに加速、言い換えればトルク等の盛り上がりや落ち込みなどメリハリは希薄。エンジン音も回転数相応で存在感を主張しないもの。ATはアイシン製とのことだが、以前のフランス車というかAL4程にはエンジンブレーキをきかせたりロックアップを維持しないような設定(お店の人曰く、それでもまだ他国車に比べると特徴を維持していると)。ブレーキもガチガチの踏力コントロールから、若干ストロークを効かせるような設定に。総じて普通のクルマに近づいたといえる。

ハンドリングは、軽めでやや粘りつくような感触、センター位置へ戻す力を常に感じる。なので、コーナーリングもスムースではあるが、ややスイッチ的な印象。乗り心地は総じて良し。サスペンションはバネであるが、柔らかく、かつ良く動くもの。特にダンパーの設定に優れているのか、道路の小さい不整や凹凸を上手くいなす。中速域でのフラットライド感にも優れる。このあたりは、ハイドラクティブにも通ずるシトロエンのサスセッティングの特長が良く出ていると思われる(依然ハイドロとは異なるが)。

(S60との比較)低速のマナーやスムースさでは、ATとDCTとの違いもあってDS5に軍配。ただし、パワー感やメリハリはS60の方が上と感じました。ステアリングはS60がよりスムースかつスポーティで明らかに優れている(実際、S60/V60のハンドリングはドイツ車にも負けてないと思います)。それに比べるとDS5は直進主体でゆったりと運転するロングツアラーの資質がより強く出ていると思います。乗り心地はDS5の勝ち。柔らかいのにフワフワしていないサスは、やっぱり良くできている。S60は、ボルボの特徴かもしれませんが、減衰力の強いダンパーと柔らかいバネの組み合わせで、一般道では路面の状態をDS5より強く伝えるような気がします。高速道路ではゆったり感が前面に出てきて両者近い乗り心地になりますが。

******
DS5をピカソに読み替えるとそっくりそのまま当てはまるというのが今回の結論です。

あとあえてピカソにおいて追記すべきことを挙げるとすると、
・先にも書きましたが、着座位置がDS5などと比べると少し高く、運転感覚もややミニバンよりになっていると感じたこと(これも、運転しやすいなどポジティブな面もあり、一概に欠点とはいえない)。
・あくまでおそらくですが、ピカソの方がDS5より更に柔らかいサスセッティング。なぜなら、今回ピカソに試乗して、乗り物に弱い人だと場合によっては、乗り物酔いするのではないかな、と思ったが、それはDS5にはなかったように記憶しているので。

総合的にはDS5より、今回のピカソにより大きな魅力を感じたように思います。そして、その大きな部分はファミリカーとしてのより高い機能性にあるというのが結論です。

エンジン、サスペンション形式、大きさ、重さなどハードウェア的にはほぼ同じであるのでおかしな話ではないとは思いますが、3年の時間的な隔たりがあり、(内容を忘れて)全く独立して試乗したシトロエン車2台の印象がほぼ同じであるというのは、個人的には驚くべきことに感じました。他社のクルマで同様の体験をしていないので断定的な物言いは勿論できないのですが、シトロエンのクルマづくりには強い一貫性があるのではないかと、今回あらためて感じた次第です(タイトルの極私的~はこのような私的体験を元にしている故)。

まとめ
4回に渡る一連のピカソ試乗記における命題、「C4ピカソは理想的ファミリーカーであった先代C5の後継たる5ドアハッチバックなのか」について、私なりの答えを出して、今回のブログを締めくくりたいと思います。

仕様→YES
S60やC5と比較して、ミニバンよりむしろ5ドアハッチバック寄りのハードウェアと結論された。

エクステリア・インテリア→ほぼYES
エクステリアデザインはミニバン的だが、むしろミニバンの強みを取り入れつつ、本質は5ドアハッチバックであると結論された。しかし、それ故の限界も垣間見えた。

走行性能→YES
5ドアハッチバックであるDS5と同じであることからも支持された。

加えて、パノラミックサンルーフやフロントグラスによる全席の開放感、ミニバン的とも言える居住空間の使い方、クラス最大級の荷室などを勘案するならば、C4ピカソのファミリーカーとしての資質は極めて高いことは明白かと思います。

ということで、試乗した結果、自分の中ではC4ピカソの魅力がぐっと高まったというのが結論になります。S60に不満がある訳ではなく、状況的に買い替えは難しいのですが、気になるクルマとして、次期愛車候補リストの筆頭に置いておこうというのが私なりの答えになります。

最後に
試乗前後から、真剣にC4ピカソの記事を読み、またみんカラのオーナーさんのブログなどを眺めているのですが、唯一気になる(懸念する)のはやっぱりフランス車らしい、細かい不具合やトラブルとは無縁ではなさそうというところです。ディーラーの方からは、ドラブルの頻度は最近は劇的に減ったと伺っているのですが(C5を買う前も同じことを言われたような...)、やっぱり心配は心配です。ボルボ車の信頼性は国産車と同じくらい高く、5年間でほぼトラブルフリーなのですが、その結果、C5を所有していた時よりも、信頼性に対するハードルが上がっていることも事実です(昔ほど寛容になれない)。

この辺りをもう少しウオッチしつつ、購入機会を伺っていこうかなと考えています。


Carview 2014.12.24 レポート記事の掲載写真

後日追記~そうこうしているうちに、私自身が年を取って、また子供が大きくなり独立しつつあり、かつて程にはファミリーカーが必要とされなくなってきているという現実があります。もし、同じ乗り味が他のシトロエン車にもあるのであれば、そちらも選択肢に入ってくるのかもしれません。もし、この辺りの情報をお持ちの方はおられましたら、是非、ご教授ください(とはいえDS5は自分にはちょっと無理ですが)。

Posted at 2016/05/03 12:46:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | フランス車 | クルマ
2016年05月03日 イイね!

304:極私的C4ピカソ試乗記(その3)

今回はC4ピカソ試乗記3回目になります。

運転席に座ってみて感じたこと


・シートが高くセットされているので乗り込みはセダンより楽でそのまま腰を入れていく感じ、必然、視線はやや上からになる、この辺りややミニバン的ではあるが気になるほどではなく、むしろ運転し易いというメリットのみが期待できる範囲内。
・外からでは目立たなかったが、運転席に座るとフロントガラスは確かに類を見ない大きさで眺めは圧巻。斜め前方の視界も良好。ほぼ全面開口のサンルーフと相まってピカソの最大の特長という主張もうなずける。

・インテリア質感はなかなか良い、ただし、日独に比較して80%くらいのレベルか?
・センターメータ(プリウスみたい)は視認性良好、フルディスプレイでパネルデザインを3種類変えられるのは、まるでPCのデスクトップのようで面白い。そのなかの一つは、ボビンメーターを模したものであり、オールドシトロエンのオマージュであろう。

・エアコンを始め、基本すべての操作はタッチパネルを使って行う。最新のインターフェースでありトレンドだと思うが、使い勝手は実際のところよくわからない。ハンドルに重要な機能をコントロールするボタンが取り付けられており、ここも現代水準。
・安全関連デバイスはフル実装、この辺りも他社に負けていない。加えてフロント/リアビューカメラ、パークアシストや360度ビジョンなども装備しており、国産ミニバン顔負けの至れり尽くせり状態。

・シフトレバーは変なところに生えているが、これは過去のシトロエンDSのオマージュ。機能的には特段のものはない(普通に使える)。この配置によりセンターコンソールは基本格納スペースのみとなり、格納ボックスとしてデザインされているセンターコンソールがまるごと取り外してしまえるのはユニークな点。外せば助手席との間が広々使える。
・ナビはディーラーオプションで、パナソニック製のものが装備される。しかし、昨今、スマホのナビが進化しているので、本当に必要かどうかは不明。自分はといえば実際のところ、最近はもっぱらiPhoneのGoogle Mapのナビ機能を利用している現実がある。ここはナビレスを選択し、25万円を節約するもの一案だと感じる。



以上、インテリアの質感は先代C5よりは格段に向上(10年経つので当然)、S60より少し劣るくらいでしょうか。各種装備は満載、メーターパネルなどが典型ですが、デザインはユニークで他国車に比較すると前衛的なんでしょうかね。あえて類似を探すと日本車に近いように感じました(なので、やはりミニバン的な印象も受ける)。

少し余談になりますが、そもそも昔からフランス車は電子デバイス等の最新技術の搭載には積極的で、ピカソもその伝統に沿っているということなのかもしれません。しかし、各機能の完成度はドイツ車などに比べるとやや低く、おもちゃっぽいものであることも事実で、ピカソも同様の印象を持ちました。3車比較ということでは、先代C5より大幅進歩、S60と同等以上のレベル、ただしどことなくギミック的なものを感じるというのが結論です。なので、この部分は、こういうフランス車的(シトロエン的)な特徴を受け入れることができるかどうか、によると思います。無論、私は受け入れられる訳ですが。

シートについて
冒頭写真にも少し写っていますが、布製ツートンカラーのシートです。オプションで革製も選択できるみたいですが、ピカソには実用的な布製が合っているように思います。この手のクルマには似つかわしくない程にサイドサポートが張り出しています。恒例かどうかは分かりませんが折りたたみ式の肘掛けもあります(C5にもありましたが嬉しい装備)。

座り心地は前後席ともに良好ですが、シートそのものは欧州のミニバンにあるようなクッション薄手のシートです。後席がより顕著で、独立仕立ての小ぶりなシートが3つ並んでいます。独立して前後スライド、リクライニング(一段)できます。子供や小柄な大人であれば問題ないですが、男三人となれば、並ぶとやや窮屈、特に肩まわりが触れるかもしれません。少し座席を前後させることで軽減できると思われましたが、この辺りはビックサイズミニバンではなく5シーターハッチバックの限界かもしれません。あと後席に2名以下で乗る際には、独立シートが良いのか、普通のベンチシートが良いのか、好みの別れるところでしょう。

後席も巨大サンルーフを加えてグラスエリアが広大なため窮屈感や囲まれ感は一切なく、快適です。細かいところですが、Bピラーにエアコンの吹き出し口があったり、下の写真に取手が写っていますが、後席のドア窓に引き出し式のサンシェードが装備されていたりと、この辺はフランス車らしい快適性向上に寄与する少工夫が施されています。

さらに後席の床は完全にフラットで、センタートンネルの出っ張りは一切ありません。何気にここは重要な加点要素で、3座独立シートとあいまって、3名が完全に平等な快適性を持って過ごせる住空間という、ミニバンの持つ強みが、ピカソにおいても実現されていると言えます。この部分はS60やC5にはない、ピカソのみの長所といえましょう。



以上、クルマにおいてとても重要な部分であるピカソのシートについての説明ですが、C5、S60との比較の観点ではどうでしょうか?

まず大きく異なるのはS60のシートです。S60のシートは家具家さんに売っているような立派で大きいシートです。ボルボ車全般に言えるのですが、ある意味、割りと平凡なハードウェアであり、セッティングであり、乗り心地であるクルマに、とても良質のシートを奢ることで他社と差別化を図っているのだと思います。すなわち人とのインターフェースであるシートを重視することで人へインプットされる乗り心地などの情報の質を高める、悪く言うとシートよければすべてよし、人生塞翁が馬作戦です。書き方が否定的に受け取られるかもしれませんが、必ずしもそうではなく、コモディティ化が進行する昨今のクルマ事情のなかでは割りきった、他社があまりやっていない良い戦略だと思います(ちなみにボルボ車のハンドルもやや小径握りが太く革製で良い感じです、シート、ステアリング合わせての差別化戦略です)。なのでボルボ車のシートは革製が良く合っています。

ではシトロエンは、といえば、これは全く違う方向性であり、すなわちサスペンションとそのセッティングによる乗り心地と快適性の追求がメインで、シートはその努力の中での脇役であり、一部であると言えます。シトロエン車のシートは、ボルボ車のそれほどには重要な役割を持っておらず、それ故にC5は、厚手のクッションのソファー的なシートであり、一方、ピカソは前述したような作りのシートであるという、大きな違いがあるにせよ、シートを通じて入力される乗り心地情報おいて両車に本質的には差異はない、というのが結論です。いわゆるシトロエンの乗り心地、というやつです。

シトロエンとボルボ、それぞれ戦略が違うとして、運転してみて、どちらが好ましいか?
それは次回、走行編に書かせていただくこととして、長くなりましたので今回はこれでおしまいにしたいと思います。

Posted at 2016/05/03 11:41:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | フランス車 | クルマ

プロフィール

「久しぶりの投稿です。」
何シテル?   03/21 11:29
yutty1325です。シトロエンC5からの乗り換えで、ボルボS60に乗っています。下手の車好きです。ブログにはクルマを中心とした話題を取り上げていきます。
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