ポルシェ社が、Audi Q5 のシャシを利用して、カイエンジュニア、「Cajun = カイユーン」なるミドルサイズ SUV を開発販売するとのニースが、Carview に載りました。
また同じく更に小型の SUV も販売予定であるとのことです(これも Carview ニュースより)。
この辺りの流れを、あるいは抜けがあるかと思いますが、少し整理すると、
<ドイツ>
ポルシェ:
カイエン、カイユーン、(小型SUV)
アウディ: Q7、
Q5、Q3、オールロードクワトロ
メルセデス: GW、GL、M、GLK、(CLS ベースの SUV)
BMW:
X6、X5、X3、X1
VW:
トアレグ、ティアグン
先日ブログでも触れましたが、本格 SUV から、小型 SUV あるいはクロスオーバーと呼ばれる、SUV、セダン、ワゴン、(あるいはミニバンも)の特長を融合したような車種への展開が急速に進んでいます。さらにこれらのなかには、先駆け的にHV システムを搭載したものも目立ちます(下線)。
<イギリス>
ランドローバー:
レンジ、レンスポ、LR4、イヴォーク、FL2
ブランドのアイコンであった本格SUVからの転換を図りつつ、クロスオーバーであるイヴォーク発売し、更にイヴォークとレンスポの間に位置する新型車を開発予定と報じられています。また、レンジにもHVシステムが搭載されるであろうことは、先日ブログでも話題にしました。
<フランス>
フランスには本格 SUV からではなく、一般のセダン、ワゴンからの展開として、PSA から一連のクロスオーバーが登場しつつあります。彼らの特長は、ディーゼル HV を 4WD と組み合わせて積極的に導入しようとしているところでしょうか。成り立ちとしては、ボルボXC、オールロードクワトロなどと同じ流れといえます。
シトロエン: DS4、
DS5
プジョー: 3008、
508RXH
これらは、共通の特長として殆どが4WDシステムを持つとはいえ、その狙いは、いわゆる「クロカン4駆」のそれからは、随分遠いところにまできてしまったといえます。頑丈なシャシと4駆の組み合わせによる悪路走破性などは(ほぼ)全く狙っておらず、直噴、過給、HV といった最新技術を導入統合して高効率化したエンジンとトランスミッションにより生み出される動力を、アウディクワトロのように効率的に路面に伝達することが主目的になっています。
HV を考慮した動力系のレイアウトの柔軟性、多人数乗車を含めたパッケージングの自由度の高さ、多目的性/多用途性、使い勝手の良さや高い姿勢やSUV的かたちによる運転の容易さ、等々。もろもろのことを考慮すると、このようなクロスオーバー型の車種が今後のクルマの主流になるのではないか、との予感は強まるばかりです。直近の課題としては、クロカン4駆的な特徴の排除と、ピープルムーバーとしてのブラッシュアップ、そして軽量化ではないかと考えます
しかして、その目指すところ、あるべき姿の近傍には、(すくなくとも日本では)ガラパゴス的に発展してきた、ある意味優秀なミニバン群が存在しています。これら二つの流れは、融合して、更なる高機能なクルマを生み出すのか、あるいは、どちらかが衰退していくのか、共存の道をたどるのか、非常に興味があるところではあります。
追記)プジョーの 508 が格好が良くて気になるということを先日ブログに書いた後に、プジョーの RXH が発表され、これも非常に魅力的であることから、今回の話題を着想しました。DS5 もそうですが、日本導入は来年以降、それもガソリンのみでしょうね。
Posted at 2011/07/16 16:29:06 | |
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