前回の続き
キャッチセールスのつもりが意気投合した吉田という女性。
どーでもいい会話で話が盛り上がり、仕事と偽って会うことに。
しかし、
美容院でいつもと違う注文を付けたのがマズかったんですかね、
変なテクノカットみたいな頭のまんま、ファミレスに向かいました。
ランチも終わって、半分ぐらいしかいない店内の奥に、こちらを見るとスッと立ったスリムなパンツスーツの女性が見えました。
吉田さんだ!
身長は150cmそこそこでセミロングな髪型に、ナチュラルメイク。村上里佳子を若くした感じの美人。ちょっと目尻が少し下がっていて、それでいて一歩引いたようなしとやかな感じの女性です。歳は1つか2つ上だったと聞いてました。
吉「は、はじめまして。Yukiさんですか?」
Y「はい、この間は長電話すみませんでした」
吉「いえ…こちらこそ…。ありがとうございました…」
Y「電話の印象と違いますね。」
吉「そ、そうですか?」
Y「いや、何というか…すんごい美人なので、ビックリしました!」
吉「そ、そんなぁ~…」(赤面)
吉田さん、ハッキリ言って、
ど真ん中のストライクです。
吉「yukiさんこそ、カッコイイですよぉ」
Y「な、え、や、やだなぁーもう!」(お世辞なのに、くちゃくちゃにもんどり打つオレ)
吉「オートバイ乗るっていうから、恐い人かと思ってましたよ」
Y「スカ連
(横須賀連合という暴走族)といっしょにしてませんか?」
そこから1時間位ですか、吉田さんといろんな事を話しました。
吉田さんの彼、と言うよりも、付き合っているのかは微妙な男性が、最近会ってくれないこと。聞いてみたくても、聞くのが恐いということ。
それはきちんと聞いた方が後々いいというような話。私の女性に対する偏見と、吉田的な女性という生き物の扱い方講座、地元ネタ、なかなか楽しかったです。
「でも、吉田さん、一応仕事って言って抜け出してきたんですよね?」
吉田さんの顔が少し困惑気味になりました。目が泳いでます。
吉「え?はい…、でも、まぁ…」
Y「ならば、一応、仕事の話をした方が、建前上いいんじゃないですか?」
吉「え、いいんですか?」
Y「その方がいいんじゃないですか」
すると吉田さん、泣きそうな顔でバッグからゴソゴソと資料を出し、一通りの説明をしはじめました。
ああもう…年上の彼女なんてのもいいなぁ、と説明なんてそっちのけで吉田さんの顔を見ながら、美しい未来を勝手に妄想するとです。
吉田さんてば、お淑やかで慎ましい感じがいいよなぁ。『ハハハ、ダッセー!やってらんねーよ!』とか言ってる同級の女子共とか、便所閉めないお袋みたいな生き物とは全く違う美しく愛おしいヒトだ。こんな人と特別な関係になれたら、もうオレは死んでもいいかもしんないなぁ…
デートは3回ぐらいでコクるのかなぁ。何て言ったらいいんだろう。「オレのみそ汁」…ちがうだろ!「付き合ってください」「好きです」?いや待て、何で敬語なんだよ。まぁいいや、いや、よくない。そしたら、その後どーすりゃいいんだ?やっぱり、相手のお宅に「お嬢さんとお付き合いさせていただいてます」で、和服のお父さんにしかめっ面で…
つーか、ヤバイよ、彼女とデートはどこに行けばいいんだろう?この血と汗と擦過傷とカストロールまみれのオレの青春ノウハウでは、吉田さんは満足できないぞ。箱根の温泉旅館に止まって美術館巡りとか?このオレが?マジかよ、あり得ないだろ?
なーんて思っている間に、一通りの説明は終わりました。
吉「やっぱり興味ないですよね…」
吉田さん、寂しげで、今にも泣きそうな微笑をしてます。
その顔がまた…
イイ!!!
Y「…はい。ゴメンなさい」
吉「いえ、いいんです。だって私も…」
吉田さんがそう言いかけて書類をしまった時、大きな影が覆い被さるようになり、彼女の横に
30歳位の肉厚な体育会系男がドッカリと座りました。
?
男「はじめまして。私、吉田の上司で××と申します。吉田の説明が足りなかったようですので、私から今一度ご説明させていただいていただきますっ!」
え?何これ?吉田さん???
下の歯茎がでたような間抜けなツラで吉田さんを見ると、今にも泣きそうな顔で小さくなってうつむいてます。そんな私や彼女にお構いなしに、男は一方的に話しまくるわけです。
男「どうですか!?素晴らしいと思いませんか?あなたは5万人の中から選ばれた人なんです。今を逃すと、もうチャンスはありません!今しかないんですよ!!!」
Y「…」
男「さぁ!」
Y
「絶対に、死んでも入らんわーっ!!!」
男「今しか…」
Y
「こんな詐欺みたいなやり方するようなトコの会員になんか入れるか、チキショーっ!」(半泣き)
帰り際、「入会しないなら、コーヒー代は自分で出してください」と言いやがった肉厚男の横で、吉田さんは泣きそうな顔で深々とお辞儀をしてました。
ひどいよ吉田さん。
他に男がいるならいるっていってくれよ。ウワーン!!!!
今日会って、今日ホレて、今日裏切られる。
ロマンスとメルヘンの無駄無駄無駄な妄想。ああ、このオレの間抜けっぷりって何なんだわさ。これって、いわゆる一つの美人局…?(泣)
その日は「カゼひきました。熱が42度くらい出てます」と嘘をつき、夕方の海岸までFZを走らせました。
さざ波と潮風がこのハートブレイクを癒してくれるはず…
寒かったので、ホントにカゼひきました。
Posted at 2007/02/26 05:52:26 | |
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