先日の続き。
正直言ってしまうと、私は社外品のカスタムパーツというモノにあんまり期待していない。もちろん、キチッと作っているメーカーもあるが、どーでもいい粗悪品を作っているメーカーはゴチャマンとあるからだ。
「そんなら何も買うなよ。」と言われそうだが、男はダマされるとわかっててもロマンを求める生物なのでR。なので私もダマされるのでR。
仕事は忙しい、娘にはすっかり嫌われる、ヨメには晩飯を作ってもらえず、唯一の楽しみであった息子も最近はワガママで乱暴者。
そんな小公女セーラ状態に悲惨な私だから、ドブに金と言われても「
癒しパーツ」のバックステップで足も人生も後ろ向き。で、
自分を慰めエクスタC。誰が何と言おうがこれでよかですたい。…のはずだった。
※ところで
「ステップ」を「スッテプ」とか
、「スプロケット」を「スポロケット」という誤植が多いなぁ、と思うのは私だけか?
ところがぎっちょん。
やっぱりきちんと付かないんだなこれが。(涙)
元小僧なら知らなきゃモグリの老舗「マ●クク●ーン」だから…という小さなチボーも作業開始10秒で崩壊。シフターのピロボール・リンケージやシャフトが思いっきりサイドスタンドの付け根やフレームに当たるわ、ペダルとロッドが擦りまくるわ…。
付属のカラーが付いていたので、それで浮かしてみたら今度はプレートがフレームから飛び出てキモチワルイわと…
ニッチもサッチもどうにもよろしくメカドック状態。
ああもぅ…。
なので、ヨロシクオレにチューンナップとばかりに主治医の所に持ち込む。
この主治医、10歳になる前にカブのポイント調整を覚え、中学生の頃には父親のアメ車を転がしていたような人なので、レシプロエンジンは半世紀前に枯れた技術だというのを知っている。そんな人からすれば、このテのカスタムパーツは所詮「店屋物」。マトモに付かないで当たり前ヨと、ギャハハ。
そこを何とかタガネでブッ叩いたりしてもらい、どーにか「店屋物ステップ」を上手く作動するようにできたのだが、見た目は「
カスタム度20%UP」でも、気分は
なんだかなぁの「阿藤・改」。
しかし、これには慣れている。私のオートバイは整備すると「
そうはいかんざき」なトラブルが必ずおきる「
呪われた個体」なのだ。必ず想定外の作業が発生するのが想定内。多分
100回ぐらい整備しているが、予定通り終わったのはたった1回だけで、その時は本当に「今日は事故って死ぬんじゃないか?」と思ったほどだ。
ちなみに、どんな事がおきるのかというと…
・タイヤ交換時。新品に変えたばかりのぶっといアクスルシャフトがビミョーに曲がっていた。
・転倒したのでアライメントチェック。必ず狂うはずのアライメントが完璧になっていた。
・ハザード装着時。サーモスタットが粉砕・消滅していたことが発覚。
・Rサス交換時。スイングアーム・シャフトの固着が発覚。巨大ハンマーで叩いても結局抜けず。でも動きは良い。
・油と水回り交換時。最後にセンタースタンドをかけたらハンドルがポキッと折れる。
・ユーザー車検時。車検場についた途端、エンジンオイルがだだ漏れ。走ると止まる。
…その他多数。
パーツメーカーばかりを責めてもいられない。ダイキャストの純正と同じ複雑な形状を簡素な切削パーツと薄っすい板ッきれで作ること自体がムリなのだが、私のオートバイ自体、かなり設計がおかしい。
明石のメーカーが「メンツをツブされた」と言うだけの理由で
旧型ツアラーを突貫工事でいじり倒し、タイヤメーカーにはウソついて発注。あとからさすがに「ヤベーよ、こりゃ死人出るよ。」と思ったのか、
エンジンもフレームも再設計して同じ名前で売り出し、「最初のヤツはなかったことにしようねっ!」という「加勢大周」みたいなシロモノである。
(さらに言うといじった旧型のツアラー自体も突貫工事なので
10台あったら12台はフレームが割れている)
そういうわけで
随所に見られる「バカ設計」。
・小型化を狙った900ccエンジンのミッションをそのままに1100にスケールアップ
・なので6速車なのに、ある日突然5速車になる。
・オマケにドライブ・スプロケットは太くなったタイヤにムリクリ合わせるためにオチョコ型
・どー見ても後付っぽいムダに大きなヘッドのオイルライン
・自然に砕けるウォーターポンプ・ベアリングの設計
・力のかかる所は薄く、かからない所はブ厚く、という姉歯設計級のステー類。
・整備は何をするにしても素っ裸にしないと始まらない。
…その他多数。
だから純正の状態でもシフト廻りの出来が悪い。元々アンダーフレームのないスリムな900cc用に設計されたエンジンなので、シフター・シャフトはナローで下に着いている。それをゴツイフレームで包んだのだから、ロッドはムリに横に引っ張り出すような形状。(なのでシャフトのシールから普通にオイルがにじむ)純正でも酷いシフト・フィーリングを「店屋物」で改善させるのは当然ムリどころか
「バカ設計×2」で、今のところフィーリングはサイアクちゃんである。
それは今後の課題として、ステップ位置はBack:25mm、UP:40mmと大きく変った。跨るだけでもずいぶん上がったと思ったが、実際に走らせればさらに操舵感が変化したのがわかる。まるで別のオートバイのような感覚だ。
オートバイは「腰―膝―足」で形成されるトライアングルで操舵を行うが、このカタチがガラリと変わり、体感的にかなり高いポイントから入力するようになった。良く言えば機敏になり、悪く言えば落ち着きがない。リーンウィズで乗る街中でもこんな感じなのだから、ワインディングならばより大きな変化を感じるはず。それがちょっと楽しみである。そういう意味では悪くない買い物だった。
所詮は「店屋物」パーツであるが、結局は楽しければいいのかもしれない。楽しくなければヤメるなり、他を探すなりすればいいのだ。
オートバイは好きだが、所詮、趣味の乗物である。
もっと大切なものもある。だから、飽きたら降りればいい、つまんなくなったらヤメりゃいい、そう思って20年。何度も「もう、捨てちゃる。」と言わせたこの個体で14年。
きっと、私は上手く行かないモノに対してはシツコイ性格なのだろう。
「苦痛を楽しむ」という「真性M」なのかもしれない…。