
徹夜明けの週末。家に電話すると全員カゼっぴきだという。
実は土曜は千葉で料理研究、日曜は長野にツーリングとお誘いがあったが、やむなくオモリに徹することに。家でゴロゴロしてるしかあるまいが、ここしばらくイスが寝床だったので、それもいいかと…
しかし、土曜になると娘の方は回復。外に連れて行けという。
病み上がりなので遠くは無理。どこにしようかと考えていたら、この間の父親参観の時を思い出した。
今までは全然気にならなかったのだが、他の女の子達と比べると、娘の髪はみすぼらしさダントツNo.1だった。
これには理由があった。「子供にする夫婦の考え方の違い」である。
ヨメは娘の髪を三つ編みにしたり、髪飾りを付けるため伸ばしたいらしいのだが、私は反対で、子供の髪は思っきし短くしておきたいのだ。それには
シバイタロカ博士ポルシェ博士のような美しい論理がある。
何しろ、女の子と言ってもまだ4歳。いくら髪を整えても、30分でボサクサになる。それだけならまだいいが、外れかかった髪留めとかをブラブラさせながら暴れたり寝っ転がっているわけで、それが目に刺さったりなどしたら大変だ。
それに、長い髪は洗うのも大変で、結局それはヨメの負担になる。息子の方を2歳になるまで五分刈りにしていたのも、彼女のことを思ってのことである。そういう夫の思いやりという美しい空気を読めないガサツなヨメは、
「えー、切るのー?」
好きにさせとけばいいと思うだろうが、疲労の溜まったヨメは私のパンツを洗い忘れるので、これは私にとっても大きな問題なのだ。
しかし、そんな私の完璧合理的ロジックを理解しないヨメは一向に娘の髪を短くしない。なので、頃合いを見ては娘の髪をカットするから変な髪型になってしまうのだ。
よし、ヨメが油断しているスキに美容院に連れて行き、思いっきり短くしてもらおう。
切っちまえばこっちのモンだ!
Y「あのさぁ、美容院ってとこ、知ってる? もーねー、すっ… …ごい、オシャレできるトコ」
娘「知ってる」
Y「じゃあさ、そこ行こうよ。夏に向けてサッパリしようよ」
娘「行く。でも長いのがいい」
Y「美容院なら、短くてもちょーカワイク仕上がるよ。プリキュアみたいに」
娘「プリキュアは髪の毛、短くないよ」
Y「…(チッ、そうなのか?) じゃぁ… …短いプリキュアみたいに…」
娘「そんなのいないよ」
Y「…い、いるよ~。世界のどこかに~(汗)」
娘「いないよ」
Y「フィ、フィリピン・ミンダナオ島とかの方とかに~」
娘「???」
Y「ドメル将軍も短いし~」
娘「?!?!?!」
どうにかこうにか誤魔化しなだめすかし…
Y「じゃー、みゆきと美容院行ってくるわ!」
ヨメ「ええっ!?あっ、ちょっ。ちょっと!」
ダッシュで美容院に到着。
店員「どの位切りますか?」
Y「もー、短く軽く!おでことかバーンと出しちゃってください!バーン!と」
店員「お、女の子さんですよね??」
Y「ええ、女の子なりに短く軽く!」
お父さんも横で見てますか?と言われたが、これも娘の試練。
泣いて店員を困らせたらどうしようかと思ったが、驚いたことに父親の存在なんかすっかり忘れ、終始ご機嫌で話をしているではないか!
耳をダンボにして話の内容を聞いていると、なぞなぞやら、幼稚園のことやら。
しかし、それはまだ良かった。
お父さんの事を話し出したら、「時々家に帰ってこない」とか「夜中にどこか出かけて朝帰ってくる」とか、何か誤解を招くようなことや、「アイスクリームが大嫌いで、それは実は内緒」とか、全く根拠のない東スポ級の無茶苦茶なガセネタまで炸裂している。
娘はそんな上機嫌であるが、よく見ると結構ばっさり切られている。
あ、ヤバイ。短いっつっても「ゴッド姉ちゃん」みたいになったらヤダなぁ…と少し後悔したが、言ってしまった以上は仕方ない。
それもいつか笑い話になる。今は娘の安全が第一なのだ。
そんな心配も杞憂に終わった。
女の子としてギリギリの短さに仕上げてしまうのはさすがプロ。プロ中のプロ。
その後、喫茶店でお茶をし、公園で水遊び、買い物などのミッションをこなしてから帰宅。
ヨメ「あらぁ~…(タメイキ)」
Y「…(可愛いと言わんか、可愛いと!泣くぞ)」
しかし、娘はやっぱり4歳児である。切った髪の毛のことなんかどうでもいいらしく、ひっくり返って絵を描いている。
ヤレヤレ、これでオレも寝れると思ったら、燃料の余っている息子が鼻水まみれで襲いかかってきた。
そんなこんなで土曜日は終了。
気がついた。翌日は父の日。ならば、ちょっと時間をもらえるかも知れない。
(続く?)
Posted at 2007/06/19 01:34:06 | |
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オレと娘と息子とヨメと | 日記