2006年01月20日
Nikonのデジタル一眼「D200」が好調で、Canonを抜く勢いだという。それと同時に銀塩部門をF6とFM10を除いて撤退し、本格的にデジタルへ移行するというのだ。
私は昨年Nikon D70を購入した。仕事と趣味の両立でコツコツ揃えたNikonのシステムを一通り持っていたことや、一眼デジカメ本体に関しては1万円/1年で7万円、最低500~700万画素と考えていたが、それをやっとクリアしたからだ。
購入を決断するまでに目まぐるしい経緯があった。
お手軽デジ眼の火付け役Canon EOS Kiss Digitalの登場に、やっと重い腰をあげたNikon D70の大ヒットで競争が激化、新製品でたたみかけてきたCanonに対し、Nikonもより小型で簡単なD50を発売した。ところが、一部の性能が上位機種であるはずのD70を上回ってしまうという現象が起きる。これを補うためか、D70はD70SにマイナーチェンジしてD70が暴落。新品のオークション価格がついに6万円を切ったので、迷わずに落札した。
結果的にD70は、私が思っていたよりも素晴らしかった。ドケチな私がここまで満足した製品というのもあまりない。
従来のNikon AFレンズが全て使用可能なのは当然だが、何よりもいいのは撮影という行為のスピード感である。起動の速さや、使い慣れた銀塩機と同じ手動ズーム(私にとってモーター駆動のズームほど煩わしいものはない)、直感的なボタンコマンドによるモード選択ですばやい撮影ができる点だ。また、電池はストロボ発光でも約2000ショットの長寿命である。一般的なレンズ一体型と違い、モーターや液晶ファインダーによる電力消費が抑えられているからだろう。
低価格実現のために採用したAPSサイズのCCDではレンズ焦点距離が約1.5倍換算となるが、慣れればそれほど気にならない。
不満な点を上げるならば、気軽に持ち運べないサイズだが、実はカメラはある程度大きな方がよいと言う。大きさ故に不評であったCONTAX AXやLeica M5なども実際に構えると安定する。それは私も実機で体感していた。小さなD50やKiss Digiもカメラ屋で触ってみたが、私の手には馴染まなかったし、所持しているレンズとのバランスも悪いだろう。(大きすぎてパンティラ狙いのカメラ小僧と勘違いされるのはイヤなのだが)また、描写では微妙な色味の再現ができないものの、こればかりは仕方がない。将来的に買い換えればいいのであって、本体は本体以外の何物でもないと私は考えている。レンズという財産が活かせればいいのだ。
すぐに確認でき、何枚でも取り直せるデジタルカメラは、銀塩が持っていた現像までのドキドキ感や、1ショットにかける集中力のようなものが稀薄であると思う。しかしあまりにも便利なのだ。こればかりはアナログ人間な私も一度使ったらデジタル一辺倒になってしまい、仕事で使う際などは、銀塩が恐いくらいである。
そんなわけで、私もすっかりデジ眼にシフトし、10年以上愛用していたNikonの銀塩一眼 F-801は電池を抜き取られてしまった。801はLeica M3に私用機の座を奪われたが、そのM3ですら最近フィルムに光を当てていない。かつてのNikonフラッグシップF4に至っては、重さと故障の多さに7年以上も巨大なレンズキャップと化している有様で、まだEMの方が出番は多かっただろう。愛着のある801以外は処分しようと思ったが、古いカメラという機械には何か哀愁を感じてしまうし、置き場所に困ることもないのでそのままになっている。(多分、D70も将来的には売られずに死蔵されるのかもしれない)
Nikonが銀塩市場から事実上撤退のニュースは衝撃的だったが、過去の栄光を重んじるNikonであっても、シェアの少ない赤字部門を維持できるほどの余裕はないのだろう。デジ眼市場が伸びた時期、ひっそりと登場した銀塩ハイエンド機F6はNikonの意地だったのだろうかと思うが(さすがにあの巨大なF5を残すわけにもいかない)、これにFM10だけとは何とも悲しい。ユーザーにとって救いなのは、昭和34年のF以来、ずっと変わらないレンズマウントをデジタルにも継承してくれたことだ。(私が高性能なCanonを使わないのは、FDというマウントを捨てた前科があるためだ)
追記
そんなヒトリゴトを書いていたら、今度はコニカミノルタがPhoto部門から撤退し、αマウントはソニーに引き継がれるそうで。Nikon Canonに比べるとミノルタは及ばないようにも見られるが、使ってみるといいカメラなだけに残念。機能てんこ盛りなにの激安いし。まぁ、αマウントが生き残ったのは救いだが、ミノルタやロッコールのブランドは残るだろうか?
ソニーの一眼デジタル…全く想像つかないが、もしかしたら「ソニー・ミノルタ サイバーショットα-9」とかだったりして。レンズはソニーが看板にしてきたカールツアイスとミノルタ・ロッコールの二本立てってこともあるかもしれない。
しかし有名な「あのタイマー」とか、「あのメディア」が標準搭載されたら残念だ。
Posted at 2006/01/20 23:02:14 | |
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機械いぢり | 日記