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2006年02月02日 イイね!

プチ帰宅難民体験 (その3)

プチ帰宅難民体験 (その3)もう、どれくらい歩いただろうか。1時間半以上は歩いている。

足は棒、肩にカバンがメリ込む。今日に限って背広に革靴。腹も減った。

42.195kmを「楽しく走れました!」と笑顔でシレッと言うキューちゃんは絶対おかしいと思った。

ふと気が付くと、目の前の路地にカローラが止まっている。室内灯に老夫婦が映し出されていた。






カローラの助手席が開き、年配の女性がドア越しにこちらを覗いた。

「清彦、清彦じゃないのかい?」

「え?」

女性は目を潤ませながら駆け寄ってきた。

「やっぱり清彦よ!清彦、お母さんはずっと待っていたんだよ!」

私が困惑していると、運転席から、ごま塩頭の男性が降りてきた。

「良江、この人は清彦じゃないよ。」

「清彦、帰ってきてくれたんだね。清彦。」

「よく聞きなさい、良江。清彦は…死んだんだ。」

「清彦ぉ~。」

女性は私の膝元に泣き崩れた。

「すみません、ご迷惑をおかけしまして。あなたに死んだ息子の面影があったもので。」

「そうですか。それは…」

「ところで、こんな雨の中、徒歩でどちらまで行くのですか?」

「ええ、電車が止まってしまい、歩いて帰る羽目になりまして。」

「そうですか…。ああ、もし良ければ、ご自宅までお送りしますよ。」

「いえ、そういうわけには。」

「お節介かもしれませんが、この雨の中では大変でしょう。家内もあなたとしばらくご一緒させていただけば…。いえ、もう、昔の事なのですが、なかなか立ち直れないようで…。」

「…そうですか、それでは、お言葉に甘えて…」




近づくカローラに、そんな妄想を抱いたが、老夫婦は出てくるどころか、こちらの顔すらも見なかった。

さらに歩くこと、数十分。やっと我が家に一番近いコンビニまでたどり着いた。

やった。

オレは歩ききった。

家にたどりついたんだ!

すると、後ろから大型車の音。振り返ると、来るはずのないバス。そう、増発させていたのだろう。

ちくしょう!けれど、家には愛する家族が待っている。きっと、私の身を案じていたヨメや娘、息子が温かく迎えてくれるだろう!

しかし、ボロボロになってたどり着いた家は真っ暗。全員ガースカ寝ており、風呂場の種火までも消されていたのだった。

(おわり)
Posted at 2006/02/03 03:04:17 | コメント(8) | トラックバック(0) | 日記
2006年02月02日 イイね!

プチ帰宅難民体験 (その2)

人の前の席に傘を突き立てたじじぃ。

お前には地獄すら生ぬるい!

と、言いたくなったが、ばばぁの方が遠慮したので、私は座ることができた。

さて、ここからどうするか。横浜駅で降りても、京浜東北が復旧してないとしょーがない。

ウチに一番近いのは、快速が次に止まる上大岡。じじぃに席をみすみす譲るのもシャクだ。なので上大岡で降り、そこからバスかタクシーに乗ることにした。

無礼千万のじじぃが座れないようにディフェンス&肩タックルしながら上大岡に降りると、バスもタクシーも乗り場は人混みでいっぱい。

歩こうか…。

しかし、クルマの間隔で考えてはいけない。歩いたらとんでもない距離だ。すると、反対側のバスターミナルがガラ空きで、行き先を見ると、家路の半分ぐらいまで行くようなので飛び乗った。降りたトコで待っていれば、多少は空いたバスが来るはずだし、ここで並ばないでも済む。

どーしてこんな窮地でも頭脳明晰ちゃんなんだろうと、バスの中でニヒヒヒと笑った。そんな私を見た隣のジョシコーセーがちょっと離れた。

予定通りの中間地点で降り、時刻表を見ると…

もう終バスが終わってるじゃないか… orz

いやまて、こんな事態だから遅れているに違いない。しかし、ここで待っていて来なかったら…。仕方なく、後ろを気にしながら歩くことにした。

3つめのバス停を越えても、全くバスは来る気配がない。
せめてタクシーでも来ないだろうか…と思って振り返ったら、ちょうど空車のタクシーがやってきた。

片手を出そうと思った瞬間、腕がポケットに引っかかって出なかった。無情にもタクシーは私の前を通り過ぎ、その先を歩いていたオッサンがゲットした。

トボトボと、5つめのバス停を越える。もう、来るはずはない。このまま歩いて行くと、こっち側は歩道橋になる。ちょうど信号が変わったので、向かい側に横断して、また歩き出した。

その直後、後ろから大型車の音。来ないと思っていたバスである。しかもガラ空きで、表示板が… 赤い。つまり最終。

幹線道路はクルマがバンバン走っているので、渡れるはずもない。走り出すバスのテールランプを見ながら、私の頭の中ではプロジェクトXのエンディングが流れていた。

(つづく)
Posted at 2006/02/03 02:46:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2006年02月02日 イイね!

プチ帰宅難民体験 (その1)

プチ帰宅難民体験 (その1)2/1、その日は早めに仕事が終わり、事務所を出たのが20時35分。54分に出る通勤快速に余裕で間に合う時間だ。

早めに駅に着いたが、ぜんぜん電車が来ない。ヨイヨイのオヤジが線路に入ったかと思ったら、地震で電車が止まったと構内放送が知らせた。

いつもはノンビリ待つ私だが、東海道、横須賀線だけならまだしも、京浜東北まで止まり、「復旧のメドが立たない」というアナウンスの口調にも異常を感じたので、振り替えに乗ることに。

アナウンスでは、唯一動いている山手線で品川、そこから京浜急行へと促すが、浅草線の新橋に京急は乗り入れている。メチャ混み山手線で大混雑の品川経由よりは、ここで一足先に乗ればノートPCも壊されずに済む。

緊急事態でも冷静な自分に陶酔しながら、快速久里浜行きにPPから乗り込んだ。座れなかったが、網棚にカバン、手すりと吊り輪を確保できた。

ところがぎっちょん。

品川から土石流のごとくなだれ込む乗客。両手で支えても骨が折れそう。そこでアントニオ猪木の「風車の理論」を思い出す。土石流を全て受け、最後に自分が優位なポジションに残るのだ。と、力を抜いた瞬間、私の体は「ジョジョの奇妙な冒険」みたいなカッコになって、そのまま発車した。

私の周囲の人間は、前にふんぞり返ったオッサン、左が立派な体躯のギャル、右が泥酔オヤジ、後ろが体育会系屈強リーマンと強豪揃い。私はこの連中から受ける凄まじいプレッシャーに耐えるため、普段使わない筋肉に強大な電気信号を供給し続けねばならず、わずか十数分で憔悴してしまった。

もうダメだ。と思った川崎駅で、目の前のオッサンが席を立った

ビッグチャンス到来!

ところが、どー考えても座る権利のないところにいた定年間近カップルのじじぃの方が、

「おう、空いたよ、座っちゃえよ。」

と、空いた席に傘を突き立てたのだ。

傘を!

濡れた傘を!!!

オデの前の席に!!!!

オデを座れなくするために!!!!!!



「てめぇらの血は何色だぁ!」


(ツヅク)
Posted at 2006/02/03 02:30:58 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記

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