
今からさかのぼること約20年。時代はバブリぃでした。
金持ちが「文化」を求めてしまうように、バブリィだと一般庶民にもちょっと小銭がたまってゼータク品が流行るモンで、オートバイなどという
ムダな乗り物が大ヒットしたものです。
世界GPではK・ロバーツとF・スペンサーのヤマハ・ホンダが火花を散らし、片山高済や平忠彦などの日本人スターライダーの存在もあって、中型のロードモデルは日進月歩で過激になっていきました。やれ、セパハンだ、アルミフレームだ、16インチタイヤだ、排気デバイスだと。中型のレーサー・レプリカが飛ぶように売れました。
んで、オートバイを題材にした漫画なんかもたくさんありました。
『バリバリ伝説』は有名ですが、時代の要求にさりげに路線変更した「あいつとララバイ」や、『湘南爆走族』。一部のマニア受けする『ペリカン・ロード』なんてのもありましたね。
※
ちなみに『750ライダー』はもうちょっと前ですが、初期の主人公は自車のブレーキの玉を抜いてライバルにブレーキポイントをミスらせる、といった極悪非道でございました。
16歳でオートバイという忌まわしい乗り物に取り付かれた私ですが、バイク漫画には全然興味ありませんでした。実は。どっちかっていうとケーベツしてました。
しかし、その半年後に死ぬ寸前の事故で入院し、前のベッドにいたお兄さん
(GPzで交差点に入ったとこで意識がなくなり、気がついたら病院のベッドの上で串刺しになってたとか)が「ヒマなら読む?」で渡された『少年マガジン』で『バリ伝』とか『あいララ』を見て「カッコイイなぁ」と思ったわけです。退院後は片っ端からバイク漫画を借りて読みあさりました。
なので、大体のバイク漫画は目を通していたはずでした。『キラーボーイ』とか『Love Love 遊ターン』を始めとする
超弩級マイナーや、『GXブルース』(GX400でRC30をアウトからブチ抜くという夢のようなStory)も目を通しました。だいたいは「速い=エライ→だからサーキット&峠」というヒエラルキーで構成されていたと思います。
さて
だんだんとマンガはマンガであり、多くのヤング・ライダーが「ガードレールキックターン」を本気にすると青春を台無しにするのだとわかってきた頃にも、『キリン』やら『サムライダー』などのオートバイマンガはありました。この頃には体育会系ヒエラルキーもずいぶん抜け、どっちかっていうと「チョイ悪」というエッセンスでオートバイが添えられていたのです。
「まぁ、オートバイマンガもこの辺で落ち着く感じかなぁ」とブームの終演を見守りつつも私はオートバイに乗り続け、すっかりオートバイマンガなんて読まなくなった頃、古本屋で見たことのないバイクマンガを発見しました。
『ストリート・ライダー』
何とも単純明快。背表紙を見ただけで「オートバイマンガ」とわかります。
作者を見てびっくり。
「
しもさか保」
そう、あの
「ガクラン八年組」の漫画家さんです。
私は「ガク八」を友達の家で読んだ時、
脳みそから心臓が飛び出るほどのショックを覚えました。
コレ読むと「北斗の拳」とか「ドラゴンボール」とか「男塾」がつまんないというか、
フツーな出来事に見えます。
何しろ、身長10m位の敵(もちろん高校生)が出てくるのは当たり前。大木を引っこ抜いて相手の腹に大穴を空けても死なないし、堤防とかを引っこ抜いて投げたりするのです。
しかも全11巻中、
女キャラが出てくるのは1話だけ。
しかも、すぐ死にます。
そんな、
スペクタクロで硬派が持ち味の「しもさか保先生」のオートバイマンガがあるとは!
ガク八では2ページに一回出てくる台詞
「何ィッ!?」
とか
「バカなぁぁぁ!??」
と、無知な己に愕然とし、気づいたら3冊全巻(多分、打ち切り)掴んでレジに並んでました。ええ、1冊100円なので、即買です。
『ストリート・ライダー』は、さすがガク八のしもさか先生だけあって、すごいものでした。もう、コレ読むと『バリ伝』とか『あいララ』が普通に見えます。「ガードレールキックターン」とか「溝落とし」なんて簡単にできそうな気がします。
そんな知る人ぞ知るオートバイ大作の内容は次回に回すとして、『ガク八』を知らない人はまず読んでみましょう。
インターネッツでは、
ここで立ち読みできます。
ただ、これは最初の方なので、ガク八の醍醐味は2%しか見ることができませんが。
Posted at 2006/11/09 06:39:18 | |
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