2007年10月19日
新しい端末は、1時間後にセットアップされて渡されたが、1分で後悔した。このW-ZERO3 esとかいう端末、やはり実際に取りまわしてみるとその大きさがムカつく。胸ポケットにいれようものならシャツが落ちてくるし、タイトなジーンズでは尻のポケットに入れるとガンダムみたいになる。
さらに、mobile Windowsが立ち上がっているので、電話やメールのきり変え勝手が違う。
ちくしょう。やっぱりやめときゃよかったと思っても後の祭り。これ2年つきあう契約である。
で、早速メールをしようと思ったのだが、ソフトが3種類もあってわからん。では電話をかけようとアドレス帳を出したが、116しか入っていない。アドレスの移し換えを頼んだはずが、反映されてないようだ。
買った店は少し遠いので、検索したら近所にWillcomプラザがあったので飛び込んだ。
直営のサービス店のはずなのに、打ちっ放しの壁、輝度の不足した雰囲気は「庶務2課」って感じだ。それでも、キャンペーン中のためか、店内は賑わっている。
ボーっと突っ立っていたら、奥からオネイが出てきた。他キャリアや家電店と違い、役所のような地味な私服。髪は染色しているが、化粧もおとなしく隙がある。顔つきは可愛らしい小動物系だが、ハツカネズミのような薄幸さを感じなくもない。
Y「他の店で買ったんだけど、アドレス移してくれんかったみたいで。」
店「それはひどいですね。今やりますので少しお待ちください。」
彼女は見かけによらず手際よく新旧二つの端末を操作してデータを移し換えていたが、私以外の客の対応も同時にこなしていた。イレギュラーな要求もこなす。仕事ができる娘だというのはすぐにわかった。
しかしなぜだろう、イマイチあか抜けない。ちょっとした客のジョークに歯は見せるものの、声に出して笑うことはしない。どんなに面白くても仕事というモードにおいては神経伝達をシャットダウンするような、生真面目な性格なのだ。2つある心の壁の外壁が高いが内壁はもろい。意外とこういう娘に限ってダメな男に執着して判断を誤る。周りがあんな男、やめなよ、と言えばいうほどのめり込む。物事を途中で放棄する自分への失望いという恐怖が、この人は私がついていないとダメなのだという使命感へすり替わる。常に与えられたことに対して最前を尽くすことしか知らない自分にうんざりしつつも、靖子ができるのはそれしかない。もう28 になろうかというのに、7年つきあっているタケシから結婚の話は一切でてこない。あの男、月末になると必ず金の無心にやってくる。先月も仕事で客の車を傷つけてしまったとかで、8万円持っていかれた。その前の月は酔った上司を送り届けてタクシー代に6万、今年の夏には外資系ビジネスの投資に少し足りないとかでボーナス全額と虎の子の50万を持っていかれた。おかげで由美子との旅行もドタキャンで彼女にはイヤな顔をされた。-由美子。電屋勤めの同僚。愛想が良くって年上受けのする子だけど、結構したたかでいい加減なのを私は知ってる。今日の客はアドレス移行をしてもらえなかったそうだけど、由美子も同じようなミスは何度もしてた。いや、ミスではなく確信犯かもしれない。昔の暴力夫の影響か、彼女は男を、いや、他人を信用していない。自分と、子供がい生きていくだけで精一杯なのだ。だからいい子を演じている。その辺ではかなわない。けれど、あと数年もすれば彼女の息子達も、自分を痛めつけた元夫の面影が強くなるはずだ。逃れられない。でも、そんなことを私が言えた義理か。自称フリーランスのマーケティングアドバイザーと名乗っているが、実はプー太郎以下のチンピラに収入のほとんどを献上しているじゃないか。まだ、そんなクズと決別し、子供という「未来」を手にしている由美子の方が幸せなのかもしれない。けど、幸せってなんだろう。私にとっての幸せとは……
(以上、待ち時間で妄想)
店「終わりましたよ」
Y「あっ、どうも」
なぜか勢いでオプションの充電スタンドとか買ってる俺。
(つづく)
Posted at 2007/10/19 12:52:46 | |
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機械いぢり | 日記