
Mとの付き合いはもう15年位になるだろうか。
親指シフトしか叩けなかった“超文系のアナログ男”も、なぜか今は日本でも稀少な分野のエンジニア。この男、人には理解されない趣味がある。それは
「虫」
Y「君、まだクワガタとかやっとるんかネ?」
M「まぁ、さすがに繁殖は大変なので減らしているし、
クワガタはヤメた。」
Y「じゃぁ、アレか。
死体収集の方が本格派してるのか?」
M「
標本て言えよ。まぁ、
月に数匹買う程度に抑えたよ。昔みたいにバカスカ買ってないって。」
Y「ちなみに、最近買ったヤツは?」
M「えーと、コガネムシかな。1cm位の」
Y「いくら?」
M「安いヤツ。
2万くらい」
Y「
に、にまんえんだとぉぉぉ???」
M「まぁ、さすがにオレもコレを買う時は…」
Y「ちょっと待てやコラ!お前、昔はせいぜい
1000円位のヤツを月に数匹とか言ってただろが?
理系のエンジニアが算数できんのか?
ナベアツよりアホか?」
M「いやいや!ちゃんと計算しとるって。
安いヤツを沢山買うより、高いヤツを数匹の方がスペース的に…」
Y「お前、
小2の九九からやりなおせ。
ナベアツに教わってやりなおせ。」
M「そう言うな。確かにソレを買う時は、オレも
一線超えちまうんじゃないかと悩んだよ。もー、悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで…」
Y「仕事も手に付かず?」
M「そう。でぇ、
仕方なく買った。」
Y「仕方なくか。
カミさんも泣いてるぞ。ちなみに、今欲しいのはあるのか?」
M「おう、あるある。
ムカシクワガタといってな…」
Y「おまえ、
さっきクワガタはヤメたと断言してなかったっけ?」
M「いやいや、ムカシクワガタってのは、
クワガタといってもアゴがほとんどなくてだな」
Y「
ハァーッ!!??アゴがないクワガタ?
そんなん、固いゴキブリだろが。何が面白いの?」
M「これがなぁ…、なん………っともいえん味があるのよ。そのアゴの形がまた…」
Y「
ナンボじゃ?」
M「え?」
Y「
ゼニやゼニ!ナンボするんかと聞いとるんじゃ!」
M「安くても
3万以上するヤツじゃないとなぁ…」
Y「
思っくそ一線超えちゃってるじゃん!
予算も景気のいいベンチャー企業の株価並みにグングン上がってるじゃん!!」
M「こればかりは仕方あるまい。時代の流れはドラスティックなのだか…」
Y「もういいよ。ところで“虫”ってのは、
この地球にどんだけいるのよ」
M「ンー、一般的には確認されているのが
100万種位とか言われてて、
実際にはその4倍位いるんじゃないかと」
Y「はぁ。そんなにいるのか。
『キンチョー』や『アース』が潰れないはずだ」
M「
違うと思うけど。ちなみに
世界中のアリが団結したら、簡単に人類を滅ぼせるらしいぞ」
Y「どうやって?“
働きアリ党”とか作って、
不安定な雇用問題に立ち上がるのか。『
意義アリー』とか言って」
M「
寒いな、この部屋。
氷河期なみに」
Y「ああ、わかった。全部が
富士山に集まって穴を掘り始めて、噴火させて氷河期到来というハリウッド系のシナリオか」
M「
ハリウッドとか言ってワールドワイド感を出そうとしてるけど、掘る場所が
『富士山』ってのが、何か昭和の子供番組的だな」
Y「マグマで仲間が焼けても焼けても『
オレのことはいいから、先を掘り進めろ…(ガクッ)』とか」
M「
ヤマトの見過ぎで脳神経がマヒしてんじゃないの。」
Y「もしくは北朝鮮に集まって、
テポドンを担いで、日本海、太平洋とアリが身体で橋をかけてアメリカに運んで、『オレを踏み台にしてゆゲガバゴボガボ…』とか」
M「また
ソレか。わざわざそんなトコいかんでも、
他にもっと精度のいいミサイル持ってる国に行くだろ。普通」
Y「
ロマンのかけらもないのぅ」
M「
ロマンはヤマトと日活のポルノで見飽きたよ。」
Y「
あの大事なとこは花瓶で隠れるのがロマン…まぁいいや。で、虫たちもアレかい。
絶滅と新種誕生を繰り返しているの?」
M「地球にいる生き物は
一日に2種ぐらい絶滅と新種誕生があるらしいぞ。」
Y「それはスゴイ!
今時のお笑い芸人並みじゃないか!」
M「
感心するほどモノの例えがヨーチでわかりやすいなぁ。」
Y「『知的怠慢』という言葉を知っているか?ある大学教授が漫画を読まないヤツを…」
M「ところで、君は『
スケスケアマガエルモドキ』とか『
スベスベマンジュウガニ』とか、
変な名前の生き物が大好きみたいだけど、虫にもおるぞ。そういうの」
Y「今、
5年ぶりにとてもカッコいい話ができるチャンス到来で、
それを遮った事に対しては尻の穴にバルサンを突っ込んでブッ殺したいほど腸が煮えくりかえっているのだが、ぜひ、そのお話を
お聞かせいただけませんか?」
M「えーとね『
トゲアリトゲナシトゲハムシ』とか」
Y「何じゃそりゃ???
ハッキリしろよ!あるのか、ないのか!?」
M「ハムシってのがいるんだが、あれの“
トゲ付き”が見つかって『
トゲハムシ』。で、その仲間の“
トゲ無し”が見つかって『
トゲナシトゲハムシ』。で、今度はソイツ仲間の“
トゲ付き”が見つかって…」
Y「
学者ってバカだろ?
勉強のしすぎでバカになってんだろ。
オレがつけた方がマシだ。」
M「えー?じゃぁ、なんて名前にするの?」
Y「えーとぉー、『
サンダーフラッシュボーイ』とかぁー、『
バトルタイガー』とかぁー。カッコよくね?」
M「なんやねん?その
パチモンプラモみたいな名前は?あまりのダサさに虫が絶滅するぞ。」
Y「じゃぁ、『
江戸の黒豹』とか『
鈴木たけし』とか」
M「漢字にすりゃいいってもんじゃないでしょ。
誰よ『鈴木たけし』って?
近似種は『きよし』とか『さとし』にするんかい?」
Y「じゃぁ、じゃぁー『
どっちつかずの★あんちくしょう』とか。おー!ピッタシじゃないか!『トゲナシトゲアリナントカ』とやらに」
M「…虫の学者にでもなるか?付け放題だぞ」
Y「よし、そうする。まずは
網か。
網だな?東レか?東レでいいのか?」
M「今からダイソーで買ってこい!
白いランニングと
虫メガネ付きのカゴも忘れんなよ。」
Posted at 2008/09/24 01:13:15 | |
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