
バイク仲間の間で、たまに話題に上るのは「自分の子供をバイクに乗せるか、乗せないか」。
僕の場合、子供ができる前までは「絶対に乗せたい」と思っていたのだが、実際に生まれてみると、やはり可愛さからか「乗らないで済むならそれでいい」と考えていた。
しかし、最近になって甘やかしや過保護というのも一種の虐待であるというのを悟り、子供の将来を考えるなら、バイクに限らずとも、多少の危険や自己責任を経験した方がよいのかもしれんなぁとも思い始めている。
ま、いろいろ悩んだ末に、何か歪んだポリシーを自分の中で確定してしまうのもイカンので、ここはいつものユルい親父になって、深く考えないようしていた。(問題先送りともいうが)
ただ、僕がバイクに始めて接した時のインパクトは強烈だったので、子供達の場合はどうなんだろう?という興味はあった。
それから数ヶ月。
ふとしたことで、子供サイズのヘルメットを入手することができた。
入手してしまったら、一応、聞いてみるしかない。
幼稚園の小僧は「ヤダ…恐い」と。
小学2年のオネイは「ウン!乗りたい!!」と。
おいおい、普通、逆じゃねーのかい?と思いながらも、オネイをバイクに乗せてひとっ走りしてきた。
うちのオネイというのは「石橋を叩いて叩いて、ヒビが入ったところで誰か他のヤツ(弟とか)に渡らせた挙げ句、自分はやっぱり渡らない」という狡猾な慎重派なのだが、ある日、あれほど嫌いだった自転車の補助輪を外して欲しいと言い出したり、クルマで何時間もドライブしても全然平気という、変な子である。
しかし、バイクは自転車やクルマとは全然違う。
剥き出しのエンジンとデビル管が奏でる轟音に包まれ、強烈な加速で風圧の中を突っ切っていく世界にはさすがにビビるはず。
そう思って、パニクっても平気なようにタンデム用の背負いヒモ(ただのヒモなのに4000円もした…)も買ってきたのだが…
結果的には、全然ヘッチャラ。「ドキドキしてキモチイイ!」と。
「まだ乗りたい」というので、近所から少し離れ、中・低速の連続切り返しや、高速の下りがある道も流してみた。
普通、こういう道でバイクに乗ったことがない人を乗せた場合、傾いた時にアウト側に仰け反ったり、必要以上に身体を硬直させたりするのだが、そういうのが全くない。(ちなみに、今まで乗せた中で最悪の反応を示したのが、今のヨメである)
何も知らない子供の場合「速い→重い→傾く→タイヤは2つしかない→倒れる→大ケガ!」などと、頭で屁理屈を考えないから平気なのだろう。(父の人格と、ライテクに対する信頼とかはゼロだと思う)
そのまま興味を持つようならば、どこかでポケバイなどに乗せた方がいいかもしんない。
自分で走って、そのうちに必ず転んで痛い思いをするので、そこから本人がどうするか?だろう。
オネイが無事に生還すると、今度は小僧が乗りたいと言い出したが(しっかりしろー、坊主!)、この子達が大きくなった時、この日のことをどんな風に思い出すのだろう。
ちなみに僕の場合、途中でバイクに脱線したが、小学生の時はクルマが大好きだった。その原体験は、幼稚園の時に親父の車でドライブ中、運転席に潜り込んでハンドルを握らせてもらったことだ。
安全規制がユルかった時代だからできたことだが、あの日にフロントガラスから見た景色や、大きなクルマを自分が操作しているというドキドキ感は鮮明に残っている。
当然、今の時代は御法度な行為なのでできないが、いろいろと安全を保証するのが当たり前となる一方で、何か熱中できるモノとの接点も制限されてしまうってことかも知れないなぁ。
「可愛い子には旅をさせよ」と言う諺があるが、親や引率者が同伴では意味がないだろうし。
Posted at 2011/02/23 06:05:59 | |
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ニリンのヒトリゴト | 日記