ダウンフォースが大きなレースカーは、どこまでいけるかが分かり辛く、限界で走らせるのが難しいと聞きます。
なんとなく分かるのですが、どうしてなのか、簡単に検証してみました。
細かくはもちろん違いますが、大まかには空気抵抗やダウンフォースは、速度の2乗に比例します。
つまり、速度が2倍になると、ダウンフォースは4倍になり、速度が半分になると、ダウンフォースは1/4になります。
X-BOWのダウンフォースは、200km/h時に約200kg・fですから、100km/h時には約50kg・fです。
車重を850kg、μ=1.3(Sタイヤでサーキットだと、だいたいこんなものだと言われている数値)として計算したのがこのグラフです。
赤線がダウンフォースあり(200kg・f@200km/h)、青線がダウンフォースなしです。
もちろん、荷重によってμも変わりますし、あくまで局所的な目安にしかならないと思いますが、
ダウンフォース無しで100km/hで回れるコーナーが103km/hで回れ、150km/hで回れるコーナーが161km/hで回れるようになり、速度が増すにつれて、ダウンフォースがあることの有利性が見えてきます。
例えば富士の100Rで、実際には110Rくらいで回ってるとすると、約8km/h速く回れることになります。
車重が軽ければ赤線はもっと上に行きますから、ダウンフォースがどれくらいかは分かりませんが、Radicalだと富士の100Rで、15~20km/h速く回れるんではないでしょうか?
このグラフからは、感覚がつかめないほどの差が出るようには思えません。
でも、トップフォーミュラを想定した計算をしてみると…
車重を600kg、μ=1.5(スリックだと、だいたいこんなものだと言われている数値)、ダウンフォースを1200kg・f@300km/hとして計算したのがこのグラフです。
例えば鈴鹿の130Rを、実際には150Rくらいで回っているとすると、ダウンフォース無しでは169km/hで回るところを、ダウンフォースがあると280km/hで回れることになります。これは全く違う…
グラフを見ると、200km/hを超える領域では、速度を増すことによりダウンフォースが増え、より限界が高くなることが良く見えますね。これが実際に走ると、もうちょっといけると思って速度を上げても、それによりダウンフォースが増え、限界がどんどん奥に行ってしまうんだと思います。
これは全く歯がたちそうにないな… まぁ、乗ることはないけど(笑)
前の回にも書いたとおり、ダウンフォースがあれば、車重が軽いほどコーナリング速度は速くなるので、普通の車だと燃料重量がほぼ加速時にしか効かないのに対して、トップフォーミュラではコーナー速度にも大きく効いてくるので、自分たちの常識とは全然違う重量のシビアさになりそうです。
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レース | 日記
Posted at
2013/01/13 20:24:45