
話題に乗り遅れた感はありますが、一応触れとかないとですね。
レーシングカーコンストラクターとして有名というより、ここまで広いカテゴリーで成功し、なくてはならない存在のDallaraが、公道仕様車「Dallara Stradale」の日本での販売を発表しました。
欧州では既に1年以上前に発表され、っかくもベースモデルで155,000EURでしたので、今回発表された価格2256万5000円は、妥当というか想定の範囲内。
まぁ、こんなものでしょうね。
仕様は乾燥重量855kgで400PS、ダウンフォースは280km/hの最高速時に820kgとのことです。
ご存知のとおり?X-BOWもDallaraの設計で、生産初期はDallaraの工場で作られてたかと思います。国内には入ってきていませんが、X-BOW Dallaraというモデルもありますね。
ということで、KTM X-BOW、特に自分の弐号機と比較して考えたいと思います。
乾燥重量で比較すると、855kgと805kgで、約50kgDallaraのほうが重いです。
パワーは400PSと240PSで比較になりませんし、X-BOW Rの300PSでもまだ足りない。弐号機の約360PS(レースガスで390PS)でいい勝負。
X-BOWのAudiエンジンは、チューンアップメニューも確立されているので、350PS以上にするのも割りと容易ですから、パワーのハンデは少ないと思います。
(海外のX-BOWを見てると、ノーマルの車両のほうが少ないような気がします。)
ダウンフォースは820kg@280km/hですので、418kg@200km/hになり、X-BOWの200kg@200km/hの2倍以上(重量比2倍弱)になりますが、これはリアウイングを装着したときと想定されるので、X-BOWにリアウイングを付ければ同等レベルかと思います。
でも、そのダウンフォース量で280km/h出るのは凄いですね。ドラッグはX-BOWより圧倒的に小さいです。
X-BOWはオープンホイール風のデザインですので、空力的には不利ですし、KTMのデザインアイデンティティーのために、ドラッグは犠牲にしているところが多々あります。
エンジンは両車とも横置きのミッドシップ。量産車流用のコスト優先とも言えます。
自分も昔は、縦置きが絶対的に良くて、横置きのメリットはコストだけかと思ってましたが、どうなのでしょうか?
エンジンを横置きにすると、リアデフューザーの始点を前に持っていけるので、空力的に有利な構成が取れるのではと思うようになりました。
最近のポルシェ911のレースカーが、ミッドシップレイアウトに変更されたのも、重量配分のためではなく空力のためだと聞いたことがありますし、ダウンフォースを大きくする、すなわちサーキットで速く走るために、横置きミッドシップも捨てたものではないのかと。
X-BOWが出てから早いものでもう10年経ちますし、新しいモデル、それもDallaraが自社ブランドで気合を入れて作っているでしょうから、X-BOWよりいろんなところがよくなっているのは確かでしょう。
個人的には、デザインがいまいち刺さらないので、というか価格的に無理なので興味ないですが(^_^;)
一番の心配は、600台も売れるのか?というところ。
X-BOWも1,000台売るのに6年だかかかってますし、トータルでも1,500台いってないかもしれません。600台はそれなりに高いハードルです。
2,000万円で600台だと120億円。案外少ないですね。
開発投資で50億円くらかかってるとしたら、半分の300台とかだったら結構大変で、本業のほうに影響が出ないといいのですが・・・
まぁ、少量生産は慣れてるでしょうし、大丈夫だと信じていますが、御大の目が黒いうちにと焦って出したのではないことを願います。
個人的にはこの手の車はもちろん大好きで、いろんな車が出てくるのは嬉しいのですが、クーペスタイルで3,000万円出すのなら、マクラーレン600LTのほうがいい気がするなぁ。
Posted at 2019/05/01 16:57:27 | |
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