2014年02月24日
新車を買って車両保険をかけようとしている人なら、誰でも簡単に掛け金を節約できる方法がある。例えば最大で43%、年間で10万円以上安くなる例もあるのだ。保険を賢く使う方法を考えてみたい。
「事故割増制度」で意味が薄れる
車両保険とは、事故が起きた時、自分のクルマの修理や買い替えの費用を補償してくれる保険だ。例えば新車を買ってすぐ全損。クルマは廃車になり、残ったのはローンだけという不幸な状況が起こらないように掛けるもの。もちろん有用で意味のある保険商品だ。
もうひとつの対物保険とは、他人の所有物を壊した場合に支払われるこれも有用な保険だ。筆者の知っている最悪のケースは、免許を取ったばかりの少年が中古のシルビアを買いに行き、帰り道で生まれて初めてのドリフトに挑み、そのまま新車のベンツが並ぶショールームに突っ込んで店舗と展示車両をめちゃめちゃにしたケースだ。この少年は保険に未加入だったらしいので、おそらく人生崩壊級の大変な事態になったと思われる。
前述のように車両保険も対物保険も有用な商品だ。しかし、近年の保険制度の変更でユーザーが圧倒的に不利になったため、補償に対する考え方を根本的に変える必要があるのだ。とりあえず車両保険に絞って話を進めたい。結論から言えば、車両保険は全損の場合以外、事実上使えなくなってしまったのだ。
事故を起こした人は割高に
保険には等級という制度があり、無事故を続けると毎年等級が上がって割引率がどんどん大きくなる。保険の話でいう無事故とは、保険会社から補償を受けないことを意味するから、保険を使わなければ無事故だと考えて良い。従来は事故があってもこの等級のすごろくで3年分コマが戻るだけだったのが、現在はそれに加えて事故割増というハンデが適用される。
等級のダウンに事故割増が加算された結果、1事故で30%くらいの割引が吹き飛ぶことになった。しかも「無事故を続ければ本来進んでいたはずの割引」が上限に達して、3コマ分の遅れを取り戻すまで10年以上かかることもある。もはや罰ゲームが厳しすぎて事故を起こす(つまり車両保険を使う)とほとんど回復できないと言っても過言ではない。結果として保険を使ってメリットのあるケースはほぼ無くなっているのだ。
事故割増制度ができる前ですら「20万円以下の修理で車両保険を使ったら損」と言うのが保険業界の常識で、事故を起こして保険会社に連絡すると「保険は使わない方が良いですよ」とアドバイスをされた。今回の記事に際してあらためて保険の専門家に状況を聞いてみると「今ではもういくらからメリットがあるとは言えません。むしろよっぽどのことが無い限り、保険を使えば掛け金で損をすると思った方がいいです」と言う。
さらに驚いたのは「修理代金で50万円を超えることなんてほとんど無いですよ」と言う発言だ。あくまでもファミリーカー的な一般的な国産車の場合だが、50万円で修理できない場合、大抵はフレーム修正レベルのダメージを受けており、全損として扱われてしまうのだそうだ。つまり保険が修理に使えるのはせいぜい50万円が上限ということだ。
こうなると実際のところ修理費用が保険で賄われるケースは無いと思っていいくらい。車両保険は全損のリスクのみに備えるものだと考えた方がいい。取材をしてみて率直に思ったのは、ユーザーサイドから見れば車両保険はあくまでもローンの残債に対する保険だと割り切って、ローンが払い終わったら掛けないのが一番賢明なのではないかということだ。
「免責」を最大にするのがコツ
では具体的にどうやって掛け金を抑えるかだが、キーワードは「免責」だ。免責とはカンタンに言えば自腹分のこと、あらかじめ決めた金額までは自腹で払いますよという契約だ。保険に入る時はつい「どうせ補償してもらうなら自腹分は少ない方が……」となりがちだがちょっと待って欲しい。
新車のプリウスを買って一括で保険掛け金を払うケースを見てみよう。最近は保険会社の掛け金が横並びでなくなり、頻繁に改定される上、過去の契約や事故、年齢などで細かく異なるのであくまでも一例だが、免責の設定いかんによって、その差額は年間10万円以上になる。車両と対物の免責(自腹)がゼロの場合、つまり損害を全部保険会社が払ってくれるケースでの掛け金は24万300円。車両と対物の免責をともに20万円まであげるとこれが13万7610円に下がる。実に43%もセーブすることができるのだ。
乱暴に言えば月額2万円が月額1万円ちょっとになる。厳しい罰ゲームのせいで、ほとんど使う見込みのない補償にそれだけの差額が発生しているのはいかにも馬鹿馬鹿しい。特別な事情が無い限り、免責は可能な限り大きくすべきだ。ただし、免責は無制限に上げられるわけではなく、ほとんどの保険会社では免責の最大額を20万円に設定している。もちろん最悪のケースでは車両20万円と対物20万円、計40万円の自腹が発生する。その覚悟は必要だが、それで浮く金額があまりにも大きい。
勘違いしてはいけないのだが、これは保険が無意味な商品だということではない。車両保険も対物保険も、例に挙げたシルビアの少年の様に、人生設計が狂う様な負債を背負いこまないためには絶対に必要だ。クルマに乗る以上加入するべきなのは間違いない。ただし、何も考えずに勧められるままに加入すると意外にも無駄が多い商品でもある。あくまでも深刻な事態を避けるための商品であることをドライに判断して、本当に備えるべきリスクだけに絞っておくべきなのだ。
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というコラムがニュースにあがってました。
確かに保険は、事実上使えないようなものになってしまいました。
まぁ、飛び石とかで美味しいお話もあったのは事実で、私も偉そうなことは言えませんが、考え方によっては事故って保険を使って、元の等級に戻るのに10年とかって、かなり厳しいと思います。
もし自分が中高年だったら、車の運転を後何年するのかということも考えるようになるかもしれません。
んー、保険は更新したばかりですが、次回更新時は悩むでしょう。
皆さんはどう思います??
おとうと
Posted at 2014/02/24 01:21:05 | |
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