今回は排気バイパスバルブについて考察していきたいと思います。
排気バイパスバルブとは資料にも記載されている通り、過給するターボチャージャー1個→2個に切り替え時にターボラグが発生しないようにセカンダリー側のタービンを助走運転させる為に制御されているとされています。
文章ではわかりにくいので資料を見ていただくとわかりやすいかと思います。
助走運転状態では主に排気圧が作用しているのはプライマリー側のタービンとなりますが、排気バイパスバルブが開閉しながらセカンダリー側のタービン側にも排気圧が作用し、バイパス経路を通ってプライマリー側のタービン出口へ抜ける事でセカンダリー側のタービンを助走させているとなっています。
排気バイパスバルブはプライマリー側の過給圧が上昇することでピックアップパイプからバキュームトランスミッティングパイプを経由して制御用アクチュエーターに過給圧が作用するようになっています。
アクチュエーターNo.2が排気バイパスバルブ用のアクチュエーターとなるのですが、単体点検の資料によるとアクチュエーター内のスプリングレートは0.96㌔となってるので、あくまでも仮定の話ですが、プライマリー側の過給圧またはセカンダリータービン側の2次排圧が0.4~0.5㌔付近まで上昇するとバルブが開き始めるとすると、ノーマル制御またはプライマリー側のウエストゲートバルブVSVのみでブーストコントロール制御した場合、排気バイパスバルブ作動圧(セカンダリータービンの助走運転開始圧)=プライマリー側のみ過給圧の最大値となると考えられます。
各VSVの制御表と配管図の資料を見ていただいても分かるように、本来のプライマリー側のウエストゲートバルブVSVはオープン=過給圧をインテーク側(セカンダリー側)へ逃した状態なので過給圧制御はしていません。
その為過給圧は最大過給圧まで上昇するはずなのですが、セカンダリータービンの助走運転=排気バイパスバルブが開き始めることで1次背圧がセカンダリー側を通ってプライマリー側タービン出口へ抜けていく構造の為、こちらが結果的にウエストゲートバルブの役目を果たしているものと考えられます。
セカンダリータービンがフル回転するまでの数秒間程度、過給圧が右肩上がりに上昇せず0.5㌔付近で一度安定するようなデータが出るのだと思われます。
この制御によってシーケンシャル機能がスムーズに行えているのでシングル→ダブル過給に移行する際も違和感なく加速していける開発者の意向がわかります…が、
これはあくまでノーマルの場合だと考察しています。
この年代の車は日本自動車工業会の最高出力規制(280馬力)の影響を受けて色々なメーカーのデチューンが施されています。笑
2JZ-GTEに関しては吸排気ともに疑問に感じる構造になっている部分が多々見受けられます。
もちろんメリットもデメリットも把握して当時の規制のギリギリをメーカーの開発者の方々が攻めた結果現代最高峰エンジンとして今も人気が高い名機なのですが、この仕様が今回の配管の再考察をするキッカケになったということです。
次回はいよいよブーストコントローラーの配管方法を現在の自分の仕様をもとになりますが、深掘りして考察していきたいと思います。
長々と未検証の案件を書き連ねてしまいましたが、ご意見ありましたらとても参考になりますのでコメントでもなんでも構いませんのでお知らせください。
ブログ一覧
Posted at
2024/03/04 12:42:34