1953年、警察予備隊(現在の自衛隊)発足に併せ、生産された車両。
アメリカ・ウィリス社とライセンス生産契約を結び、当初は前回紹介したウィリスMC型の部品を輸入、ノックダウン生産したのを始めに、改良型で輸出用に車体を簡易にしたM606型(CJ-3B)のライセンス生産を行った。
なお、エンジンがサイドバルブ・2.2Lガソリンからオーバーヘッドバルブ2.2Lガソリンに改良され、エンジンの高さが増した為、ボンネットが嵩上げされた。
自衛隊への納入は、憲法で武装放棄を宣言した憲法に配慮し、あくまで「アメリカ軍が貸与した車両」という事で生産された。
一方で、朝鮮戦争でソ連率いる東側国家の驚異を身に染みて痛感したアメリカは世界戦略として、このジープを友好国に貸与した。
だが、三菱マークは、かつて零戦で苦しめられた戦災国に配慮し輸出・貸与仕様は元メーカー「WILLYS」の文字プレスのみにされた。
民間にも販売された三菱ジープは、ベトナム戦争で忙しくなってきたアメリカ軍の事務処理を速やかに行うために、自衛隊に直接納入を許可され、以後、日本国内仕様は「WILLYS」のプレスは消され、三菱マークのみとなり、さらに民間に向けて三菱独自でバリエーションを増やしていった。
1973年には形こそ似ているものの、三菱独自に進化させたものにフルモデルチェンジされた。
なお、韓国、南ベトナムで、当時のニュースフィルムに供与されたM606の姿を見ることが出来る。
アメリカ軍でも、最前線に本来のジープ・M38A1や、新型のM151A1の供与が優先された為、空軍の基地警備・連絡用等の後方任務で使われた。
韓国では、この車両を機に後に亜細亜自動車でAMC・CJ-5をライセンス生産を開始。
主に軍用に納入されたが、民間にも販売され、1988年のソウル・オリンピックの際に日本にも輸出された。エンジンは日本から輸入した、いすゞ・G180型が搭載されていたが、サスペンションが弱く、あまり激しい運転は得意では無かったようだ。
(現在、軍用向けは終了。独自のSUVに名前のみ引き継がれた)
インドでは、イギリス植民地時代に自動車生産を行っていたマヒンドラ&マヒンドラ社によってライセンス生産を行っている。内装の紹介で一見、ボロいので中古車に見えるが、マッサラな新車である。よく見ると外装部品(ウインカー等)も取り付けが曲がっていて造りが荒っぽい。一時期民間仕様が欧州に輸出されたが、あまりに酷い作りだと酷評されてしまった。
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ジープ・軍用車 | クルマ
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2011/09/18 12:35:39