ブレーキパッドの交換とスライドピンへの注油(その2)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
その1からの続きです。
キャリパー本体をハブから外したら、固定ボルト取り付け部のスライドピンを引き抜きます。ピンを抜く前にダストシールを上下とも捲り取るように外すのですが、シールのリップが嵌るキャリパーの溝が上側(車体側)と下側(ホイール側)で幅が異なるので要注意。上側が厚くて下側が薄いです。向きを逆にすると上手くリップが溝に嵌らないのですぐわかりますけど。
車検の際にディーラーが整備した? はずなので、ピンの状態はそんなに悪く無いだろうとは思っていましたが・・・ピンのグリスがダストブーツ内で固化していて最初は指ではピンがすぐには動かないくらい固まっていましたorz
最後にこの部分を自分で整備したのは2年前のユーザー車検の時以来なので、ディーラーが注油をしなかったのか、単にブレーキングの熱で固まっただけなのかは良く分かりません。
2
ピンを外したら古いグリスをブレーキクリーナーで拭い落として表面の状態を確認します。正常な状態なら外側はメッキがされているようにピカピカなのですが、整備状態が悪いとグリスが全然なかったり、虫食い状に錆びていたりする事があります(特にバイクでよくある・・・)ので、状態が悪ければ迷わずダストブーツとピンを新品に交換する事!
トライ号のピンは所々強く片当たりしているような
艶のない部分があるのですが、段付き摩耗などはしていないので、ブレーキグリスを良く塗ってキャリパーに差し込みます。グリスが柔らかければピンは指で左右に簡単に動かせるくらい動きが軽いんですよ。
ピンを戻したらダストシールをかぶせます。シールのリップをうまくキャリパー側の溝に被せるには、一度ダストシールを裏表を引っ繰り返すように捲っておいて、関連情報のドアスイッチのブーツ同様に、「(敢えて具体名は避けますが)棒に護謨被せる要領で」ペロンとシールを元に戻せば大体溝にリップが被さります。
なお、捲った際にシール内側にブレーキグリスを多めに塗布する事を忘れずに。
3
ペロンとシールのめくりを元に戻す要領で溝にリップを引っ掛けたら、シールをクルクル回しながらリップを確実に全周キャリパー側の溝に嵌め込みます。
ピン側の溝はあんまり意識しなくても、ピンをスコスコ上下に動かしてればその内リップに嵌ってくれます。
4
余談ですが、スライドピンのダストシール下の部分って、どのくらいグリスを塗るのが適量なのでしょう・・・?
今回、キャリパー側のピンが差し込まれる穴の中のグリスは別に固化していなかったので、ピンの外側のグリスの固化は、水分が入ったか熱で固まったのか・・・どちらにしても量が少なすぎて油分が飛んでしまったようにしか見えません。
バイクでもGX号でも今回のトライ号も、自分が整備する前の状態は、大概ダストシールの下は極薄くグリスが塗られていて、それが固化してピンが動かなくなってる状況しか見た事が無いのですが、サスペンションのボールジョイントやタイロッドエンドなどはゴムシールの下は大概グリスがぎっちり詰まっています。過去の経験ではあまりグリスを詰めすぎるとダストシール内に空隙が無くなって、それ以上ピンが横移動できなくなってしまうので、指で動かした際にピンが左右一杯まで動くのに支障がない程度グリスを詰めるようにしていますが・・・。
どちらにしても、ダストシールが健全で、スライドピンがグリスで良く動く事がスライドキャリパーの効きを直接左右するので、可能であれば毎車検ごと(あるいはブレーキフルード交換時)にピンを外して状態を確かめ、注油をした方が良いですよ。
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閑話休題。
スライドピンに注油してダストシールを戻したら、キャリパーのピストンを押し戻します。KVサンバーもU4x系ミニキャブ同様、ウォーターポンププライヤーで押し戻し桶です。
なお、これだけパッドが減っていると、ピストンを押し戻したときにブレーキフルードのリザーバーにかなりの量のフルードが逆流するので、くれぐれもリザーバータンクからフルードを溢れさせないようにご注意を。
出来れば、安いPETスポイトなどを事前に買っておいた方がいいですね。
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ピストンを押し戻したら、キャリパーを固定ボルト2本でハブに仮締めしてパッド、L型金具、止めピン、パッドカバーを順番に組み付けていきます。
パッドは「LH」「RH」の刻印があるので、それぞれのセットを組み間違えないように注意しましょう。パッドカバーは上側を差し込んでから下側をL字金具の下に中央部を曲げながら差し込みます。(外すときの説明を飛ばしてしまいましたが、カバーを外す際は付けるときと逆にL字金具側から外して上側を引き抜きます。)
7
最後に9kgのトルクで固定ボルトを本締め。この際に特に右側は一杯に切ったステアリングが元の方向に動いてしまいやすいので、面倒でも左タイヤを接地させておくと締め込みがやりやすくなります。
8
これで作業完了。ローターも新調して、ブレーキがリフレッシュされました。これでこの先10万キロも安心して乗れます。
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