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Mark V Collectorの愛車 [リンカーン マークV]

整備手帳

作業日:2022年1月8日

EGRバルブ交換によるCO・HC低減

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 1時間以内
1
 日本における自動車の排出ガス規制は昭和41年に開始され、以後、幾多の改正を経て現在新車で販売される乗用車に対しては平成30年規制が適用されています。
 これらの規制は古くは10・11モード、現在ではWLTCモードというようなシャシダイナモ上で負荷をかけたモード走行時の総排出量で規定されており、並行輸入車等では国内新規登録時に排出ガス試験(いわゆるガス検)を課すことで適合を確認することとなっています(排ガス規制施行前の製造車を除く)。

 一方、一度国内登録された自動車の継続及び新規検査(車検)時における排ガス検査では、上記モード走行による排出ガス検査が現実的ではないため、アイドリング時のCO・HCのみを計測しNoxや実走行時の排出量についてはチェックの対象外となっています(画像中段:継続検査時のアイドル規制値)。

 私のマークVの場合、車両製造年が1979年(昭和54年)のため昭和53年規制が適用され、継続検査時のアイドリング規制値はCO:4.5%・HC:1,200ppmです(この値は平成10年規制より前の乗用車:識別記号[E-]以前で全て共通となっています)。

 今回、ガレージに排ガステスターを設置し、日常的にCO・HC測定を実施できるようになりましたが、計測値は概ねCO:3.0~3.5・HC:100~200程度となっています(写真下)。
 これは上記継続検査時のアイドル規制には適合していますが、COについては上限値に近く、HCについても比較的高めの値となっているため原因を探ることにしました。
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画像上段は一般的な空燃比とCO・HC・Noxの関係を表したグラフです。

 私のマークVの場合、CO・HC共に比較的高めの値であることから、アイドリング時の空燃比が濃いめとなっていることを容易に推定できます。
 このため、いきなりキャブレターのアイドルミクスチャーを絞ってみてもよいのですが、まずは周辺の補器類が正常に動作していることを確認することが先と考え、キャブレターの調整は最後に行うことにします。

 画像下はエンジンに発生している異常に対応したCO・HCの変化がまとめられている表ですが、今回はアイドリング時における吸気へのEGR混入を疑ってみることにしました。
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内燃機関においてエンジンを理想的な状態で運転するとNoxの発生が問題となります(物質が高い温度で燃焼すると空気中の窒素[N]と酸素[O2]が結びついてNoxが発生する)。
 このため、大気汚染問題が深刻化した1970年代初頭に燃焼温度を下げる手段として排気ガスの一部を吸気管に戻し、吸気中の酸素濃度を下げることで燃焼時のNox発生を抑える技術=EGRが開発され、現代まで一般的に使用されてきました(現代のガソリンエンジンではEGR流量を電子制御で精密にコントロールしています)。

 マークVに搭載されるフォードMブロックの場合、このEGR供給量の制御はキャブレター下部に装着されたスペーサーに接続されるEGRバルブ(図中緑丸部)で行われています(エキゾーストポートからの排気ガスはヘッドとインマニの内部通路を経由して図中赤丸より供給され、EGRバルブで制御された流量が青丸部より噴射される構造です)。
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画像上はEGRバルブの構造を示していますが、黄色着色部はキャブレター下部のスペーサーより排ガス(EGR)が供給されるエリアで、エンジン回転上昇に伴いEGR圧力が増加すると図中青丸部のバルブが閉じ、図中水色部に掛かる負圧によりダイヤフラムが引かれ、図中赤丸部のバルブが開く構造となっています。

 写真下赤丸部が実車から取外したEGRバルブのバルブシート部ですが、新車時より40年以上も経過しており、バルブの密着不良でアイドリング時に吸気側へEGRが混入している可能性を疑いました。
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EGRバルブは非分解の構造なので、いつも選択しているSTANDARD MOTOR PRODUCTSの製品を購入(画像下右側:RockAutoで$52.79)。
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この製品は莫大な種類の品番に対応しており、セッティングの異なる各品番への対応はどうしているのか気になっていましたが、付属している14種類のオリフィスワッシャーを組み合わせて選択することで、該当する品番のセッティングに合致させる構成になっていました。
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私のマークVの場合、オリジナルのEGRバルブの品番がD8ZE-9D448-D1Aのため、流入側に209番のオリフィスを装着して車両に取付(付属の新品ガスケットを使用)。
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装着後、暖機を兼ねてテスト走行しドライバビリティに異常がないことを確認、排ガステスターでCO・HCを測定しました。

 結果CO:0.9%・HC:115ppmと見事に両者共減少し、現行(平成10年以降)のアイドル規制値(CO:1.0%・HC:300ppm)でもクリアできる値まで下がりました。

 ただ、ネット等で検索するとCO:0.8%・HC:50ppm程度まで絞ることができた実績も確認できるので、今後も各補器類やバキュームリークの点検を継続して行い、これらに異常がないことが確認できた上でキャブレターのアイドルミクスチャーのセッティングを行う予定です。

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