エンジン前方から異音発生(その2)W204 C180 エアコンコンプレッサー DIYで交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
6時間以内 |
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引き続いてエンジン前方から異音が出ているC180の整備です。
前回の整備手帳ではベンツ定番の故障個所であるアイドラプーリーとテンショナープーリーを交換しましたが、私の見込み違いで異音は解消しませんでした。
その後各補器類を再度確認し、A/Cコンプレッサーのプーリーベアリング損傷が原因であると判断できたため、部品を注文することにします。
EPC(パーツカタログ)に車体番号を入力し、A/Cコンプレッサーの部品番号を確認すると複数の品番が記載されているため、翌日車両をジャッキアップし現車の品番を確認します。
結果「A 00 223 045 11」のVALEO製のものが搭載されていることが判明(画像右下)。
マークVの部品調達でいつも利用しているRockAutoで検索すると同等品と思われるものを発見し、価格も$284と安価だったのですが(画像右上)、昨今の円安の影響で送料を加算すると45,000円程度となってしまうため、いつもの「パーツのパルカ」さんで注文(¥45,320- MAHLE製の互換品です)。
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当日午後3時までに注文すれば翌日午前中には到着するので、本日中にA/Cコンプレッサーを取外すところまで作業を進めておくことにします。
まずはテンショナーを緩めベルトを取り外し。
次にA/Cコンプレッサー上部に位置し、作業の邪魔になるスロットルボディーとインテークフランジを取り外すため、インタークーラーからのパイピングのジョイントを切離します。
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このジョイント、最初どのようにしたら外れるのか分からずサービスマニュアル(WIS)を確認してようやく取り外すことができました(構造が分かってしまえば簡単で、画像中段に示すようにクリップを引き上げた状態にして引抜けばスポッと外れます)。
取り外したパイピングは内部に異物等が入らないようテープで養生しておきました。
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次にスロットルボディーとインテークフランジを取り外しますが、事前に配線コネクタ2箇所(画像上黄丸部)とバキュームホース(画像上赤丸部)を抜いておきます。
このスロットルフランジは樹脂製となっており、バキュームホースのニップルなどは簡単にポキッと逝きそうで非常に気を使います(新しい車の嫌な所です)。
また、ホースバンドも見たことの無い構造で(画像中段)、ニッパーで破壊して取外しました(手持ちの板バネ式ホースバンドに変更します)。
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後は固定ネジ4本を緩めればフランジとスロットルボディーが外れます(固定ネジはタッピングスクリューってアメ車かよwって突っ込みたくなりますね)。
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取り外したスロットルボディーは綺麗なもので、清掃の必要性は全く感じさせない状態でした。
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これでやっと障害物がなくなり、A/Cコンプレッサー周辺を目視することができる状態になりました。
冷媒配管を取り外す前に配管内へのゴミの侵入を防ぐため、周辺の埃等を入念にエアで飛ばして清掃しておきます。
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A/Cコンプレッサー後部の配線コネクタを抜きます(コネクタはよくある灰色のロックを引き出してから、つまんで抜くタイプです)。
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コンプレッサーの高圧・低圧各冷媒配管の接続部を外します(冷媒は近所のガソリンスタンドで抜き取り済です)。
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あとはA/Cコンプレッサーを固定している3本のトルクスボルトを抜けば良いのですが、前方下部の固定ボルトにラチェットレンチを掛けようとすると、スタビライザーブラケット後側固定ボルトの突出部に当たってセットできません(画像は車両下側からの写真ですが、左の黄色引出線部の間隔が狭い)。
このため、スタビライザーブラケット後側の固定ボルトを取り外す必要がありました(画像右上)。
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高圧・低圧の各配管接続部にはビニール袋を被せて養生し、固定ボルト3本を緩めます。
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A/Cコンプレッサーが外れました(知恵の輪になることも無く、すんなりと取り出すことができました)。
取外したA/Cコンプレッサーをよく観察すると、プーリーが僅かに斜めになっているようです(後日、分解して損傷状況を確認してみようと思います)。
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A/Cコンプレッサーを取外した状態だと、タイミングカバー裏側のベルトテンショナー固定ボルトに簡単にアクセスすることが可能です(画像中段赤丸部 車両下側から見上げて撮影)。
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このため、昨日はプーリーのみの交換で妥協していたベルトテンショナーも、テンショナー本体ごと新品に交換することができました。
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っと、ここまででA/Cコンプレッサーの取外し作業は完了。
明日の部品到着まで、この状態でおやすみです。
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翌朝9時半過ぎには北海道から部品が到着(便利な世の中になったもんだ)。
届いたMAHLEの箱には純正で装着されていたVALEOの型番(DCS-17E)も記載されており、問題なく取付できそうです(Made in China の文字が気になりますが・・・)。
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高圧・低圧の各配管接続部のOリングを付属の新品に交換。
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付属の説明書にはシャフトシールへオイルを馴染ませるため、取付前に手でコンプレッサーのシャフトを回し、プーリ側を下にして数分放置するよう指示がありました。
取付は3本の固定ボルトで問題なく完了(締付トルクは20Nmです)。
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高圧・低圧の各配管を接続(Oリングには噛み込み防止のため旧いコンプレッサーに付着しているオイルを塗布しておきます)。
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電気配線を接続してコンプレッサー本体の交換は完了(画像は車両下部より撮影)。
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スロットルボディーとフランジをタッピングスクリュー4本で組み付けます。
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コネクタ2か所とバキュームホースを復旧(前述のとおり、ホースクリップは手持ちの一般的な形状のものに変更)。
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インタークーラーからのパイピングを接続し、ベルトを装着してテンショナーの固定を解除。
最後に外してあったスタビライザーブラケット後側の固定ボルトを復旧後、アンダーカバーを装着して完了です。
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エンジンを始動して確認します。
異音は・・・消えています(よかった~)。
あとは真空引きして冷媒を充填すれば完了ですが、真空ポンプを所持していないため、これを調達してから作業を進める予定です。
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今回、一連の作業で交換した部品たち(画像上左上より)。
・A 000 202 17 19 ガイド・プーリー/タイミング・ケース(INA製)¥3,005-(溝無しのもの)
・A 000 202 16 19 ガイド・プーリー/タイミング・ケース(INA製)¥3,005-(溝付きのもの)
・A 271 200 04 70 ベルト・テンショナ(INA製)¥10,450-
・A 002 230 45 11 エアコンコンプレッサー(MAHLE/BEHR製 ACP344000S)¥45,320-
・A 001 993 78 96 Vベルト(MEYLE製)¥3,630-
計 ¥65,410-
21世紀に入って設計された車を整備するのは初めての経験で毎回おっかなびっくりですが、今回は予想に反して整備性も良好で、特殊な工具の必要もなく順調に完了することができました。
プラスチックだらけの新しい車は苦手ですが、こうやって作業して、少しづつこのクルマのことを理解していくのも悪くないかな、と思えるようになってきた今日この頃です。
次回、真空引き&冷媒充填で一連の作業が完了する予定です。
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