
あなたは突然逝ってしまった。
あれは、SUPER GTの予選日だった。
茂木へ向かう途中、1本の電話で全てが変わった。
ハンディを持ちながらも、とても明るい人だった。
知り合いに「元気なのぉ〜?」と聞かれると「元気じゃねぇ〜よ!」って笑って答える人だった。
酸素ボンベを引きずりながら、近所のどのスーパーに行っても必ず知り合いを見つけて立ち話する光景が思い浮かぶ。
いつも一緒に買い物していたから、一人でスーパーに行く事がこんなに寂しいものだとは思わなかった。
1週間前に会った時の一緒に行動した事は全て意味があったんだと気付かされた。
人に会って挨拶し、お礼を言っていた。
私にとって、何十年ぶりかの手づくりコロッケを味わった。
帰り際にクルマのドアミラーに映ったあなたは、いつもよりいやに名残惜しそうに外に出て見送ってくれた事が、不思議と気になった。
もっとしっかり手を振れば良かったと悔やむ。
あれが最後に見たあなたでした。
明るい性格は、多くの人に愛されていた。
こんなに多くの人に関わっていたのかと驚かされた。
一人でクルマを運転していると…一人で過ごしていると…もう会えないんだ。
胸が苦しくなる。悲しみが襲う。
誰かと話していたい、いっときでも紛らわしたい。
あなたが最後に切ったキャベツの千切りは、4日間お味噌汁に入れ味わったよ。
「みっちぃ〜、ダイコンおろしてくれるぅー?」の声が懐かしい。
タイヤの事を “わっぱ” って言って笑わせてくれたよね。
ご近所のおばあちゃんが”ドリフト天国“を返しにきてくれた。回覧板?
酸素ボンベが並んでいた玄関だったのに、返却されて空いた空間が妙に寂しさを感じる。
照、温、慈、の文字を頂いて良かったね。
私にとって、もう一人の母。
なぜ…
どうして…
きっとイチョウの季節が来るたび想いだすんだろうな…
”ありがとう“の言葉しか出てこない。
でも、前に進むしかない。
Posted at 2019/11/12 00:13:26 | |
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