
昨夜は「
真心ブラザーズ」のライブを観に中野サンプラザに行った。
実は珍しくカミさんと一緒ではなく、旧友Mが隣にいる。
ホントはカミさんと行くつもりでチケットを手に入れてあったんだけどね・・・事情で行けなくなってしまい、その代わりといってはナンだが、ここのところ時間を共有することが多くなってきたMにお誘いを掛けてみたワケ。
偶然この日は仕事がお休みで、日本ダービーを観た後でも間に合うということで来てくれることになった。
Mも様々な音楽ジャンルを聴いているが、この真心ブラザーズ(以下、真心)は殆ど聴いたことが無いというのに、だ。
誘った私自身も何を隠そう、真心を聴き始めたのはつい最近で、去年の年末位から(笑)。
結成して20年以上も活動しているのでアルバム数もかなりあり、いきなりそんなに沢山の曲を頭に入れる頃は出来ないので要所要所だけを拾って聴いている状態ではあるが(爆)。
きっかけは長年の思い込みが解決した瞬間にやってきた。
とにかく、倉持陽一(YO-KING)の特徴あり過ぎの声は、真面目にやってるんだか、ふざけているんだかわかんない位ユルいワケ。
でも、そんだけ特徴があるってことは何時何処で聴いても分かるってもんですよね。
私が最初にこのこの声を聴いたのはそれこそもう20年以上前で、夏に友人達と海に行っていた頃だと記憶しているんだが・・・。
で、その声の主を“きゃい~ん”のウド鈴木だとずっと思いこんでいたワケ(笑)。
なんかその当時実際にウドちゃんもCD出したりして、こんなふざけた歌い方しているのはお笑い系の音楽だとずぅ~と勘違いをしてたのよ。
ホント、つい最近まで。
ヒット曲もあるのでよくラジオとかでも掛かってるし、タイトルも知らないから全然真心に繋がらない。
そこ持ってきて、倉持の相棒、桜井秀俊のルックスがまた面倒なことを引き起こす・・・。
“よいこ”の浜口じゃない方とか、“明和電機”の人かもしれないっていうビミョーな顔してんだよね、失礼だけど(笑)。
どうしてもコミック系になっちゃうし、同じ音楽でも“大事MANブラザーズ”っていう紛らわしいのもいて、なかなか真心に辿り着かなかった・・・20年以上(爆)。
昨年、彼等が新しいアルバムを発表し、TVの音楽番組にたまたま出ていたのを観た時、この長い年月の勘違いと思い込みが一気に解けたのだ。
勿論、真心ブラザーズという名前は知っていたけど、まさかこの声の持ち主がそうだったとは思わなかった。
藤子不二雄Aみたいなルックスなのにこの声だよ?
もうね、ひっくり返った(笑)。
で、試しにというか、よくラジオとかで掛かっていたウド鈴木を求めてCDを買ってみることに。
ベストなら間違いなく入っているハズだと思ったからなんだけど、そしたらこのCDが物凄く良かったのよ!
もうね、私のツボで、大好きなファンキーサウンド全開!
かと思ったら吉田拓郎みたいなフォークな曲あったりして、この倉持はドラムスも叩けてその音が私の大好きな音だったり、相方の桜井はB型なんだけどAB型の倉持にすっかり負けちゃてるの(爆)
。
何よりも私と同じ年(倉持)、同世代だったのが嬉しかった。
例によって某大型古本チェーン店とかで過去のCDを探したり、昨年出した新しいアルバムをちゃんと新品で購入するまでになった。
で、春先からツアーに出ると知り、これは是非行かなくてはと。
せっかく一緒に観に行くということで、Mにはアルバム数枚をコピーしたモノを渡しておいたのだけれども。
開場時間をちょっと過ぎた頃にMから「着いた」と連絡を受ける。
中野サンプラザ前で待ち合わせていたけれども、少し早めに来ていた私はちょっとブロードウェイをブラブラしてたとこだった。
館内に入り、席に着く。
一階席の前の方で、多分こんなに近い距離でステージを観るのは久しぶりというか、大物アーティストでは初めてかもしれない。
この日は前座バンドが出ることになっていたので、開演時間すぐに真心は出てこなかった。
でも、まァ、二人ともギターをいじってる者同士なので、前座バンドでもそういう見方をすれば楽しめるってもんだったね(爆)。
さァ、いよいよ真心ブラザーズバンドの登場ですよ!
皆、一斉に立ち上がります。
でもMは上げた椅子に腰を落とした状態。
長身の彼は自分が立つと後ろの女性が全く見えなくなってしまうということで立たない。
大人である。
YO-KING、桜井の二人の他に、リズム隊2名、キーボード、コーラス、ホーンセクション4名と総勢10名がステージのほぼ中央に集中している。
だから音がもの凄くまとまって聞こえてくるんだよねェ。
こんなライブはホント、久々。
なんとなく来る前からシンプルなステージになるだろうと予想はしていたんだけれども、ステージ後方にバンドロゴを大きくした電飾がぶら下がっているだけのモノだった。
今回、「王道真心 ジャパンツアー2013」と名付けられているように、彼等の代表曲を次から次に演奏していくだけの密度の濃いステージ構成になっているようだ。
その証拠に例の“ウド鈴木”だと思っていた「サマーヌード」を3曲目に披露してしまう。
初心者である私でも耳にメロディが残っている曲ばかりが演奏されるので安心してノレる。
スクリーンに何かを映し出すでもない、寸劇があるワケでもない、そういう仕掛け等一切排した本当に音を聴かせる為のライブだった。
そういう意味では途中で帰りたくなった今年初めの「くるり」も同じだが、何故かこの真心には全く不安を抱くことなく楽しめる。
勿論、ステージにいる全員を誰一人として漏らすことなく観れる場所にいるっていうのもあるけど、彼等の出す音がつまりはそういう気分にさせてくれる素晴らしいモノだったからに他ならない。
ヤル気があるんだか無いんだかわかんないYO-KINGの声も良く出ていて歌詞もキチンと聞き取れるし、桜井さんのニコニコ顔で弾かれるなんでもござれのギターにはもう天晴だ。
で、この二人をフォローするMB’sのメンバー達がとにかくもの凄い!
CDに記録されている楽曲の音を再現しているだけでなく、そこに長年のキャリアからくる絶対的な安心感が音になって伝わってくるのがわかる。
だから、安心して楽しめるってワケだ。
普通、ライブってどこか偏っているモノだと勝手に決めている私だが、彼等の出す音は違った。
特に私が意識していたのはドラムで、ドラムセットが丸ごと見えるからスティックや足の動きまで全てわかるのだ。
で、この須貝直人というドラマーの出す音は、最近の私が聴いたCDの中では一番好きなドラムの音なのだ。
ただでさえドラムが凄いのに、なんとこの日はYO-KING自身が叩くドラムを観ることが出来た。
シンプル過ぎる叩き方なのに、もう主役は彼だって位に音が伝わってきた。
もうね、泣きそうでした私。
で、その反面、ダラダラしたMCをするっていう(笑)。
全然頭に来ないんですよね、これが(爆)。
このユルさが真心なんだよね。
アンコールも直ぐに出てきてサッとやって、サッと終わる。
もう文句の付けようがない素晴らしく楽しいライブだった。
今年色々行った中で私は一番良かったと言えるね。
カミさんにも観て欲しかったけど、また今度。
ろくに曲も知らないMを無理矢理誘った感じだったが、結果的に渡しておいたCDをキチンと聴いていてくれたようで、Mもそれなりに楽しめたようで安心した。
思えば彼とは、私が今みたいに色んなロックアーティストを観に行くようになったキッカケとなる「FENCE OF DEFENSE」を初めて一緒に観に行ったんだっけなァ。
もうあれから20年以上の年月を過ぎたけど、今日の二人はあの頃とちっとも変っていないただのロック好きのおじさん達(笑)。
なんかホント、こういう時間を過ごせる旧友に感謝しますね。
若干年上の彼なので(爆)、兄弟のいない私には有難い存在です。
大人だしね(爆)。
真心ブラザーズ、そういう関係でいたいもんだね。