2011年10月03日
昨日のROLLYライヴは珍しくカミさんではない別の人と観に行った。
彼と会うのは実に十数年ぶりなので、最後に会ったのは少なくとも20世紀だった頃だ(笑)。
この間電話で話すことも無く、21世紀を迎えてしまったワケで、本当に久しぶりだった。
彼・・・仮にKさんとしよう。
Kさんは私が社会人になった最初の職場での同僚だったが、その当時はお互い人見知りのせいもあって殆ど会話らしい会話も無く、顔を合わせることも無い日々を繰り返していた。
特に私は、年上のくせに仕事が出来ない駄目な男という勝手な思い込みもあって、その敬遠ぶりに拍車が掛かっていた程だ・・・。
そのまま年月が経過し、色々な事情で私がその職場を離れる日が訪れる。
そこでの最後の日、周りの人達と一人づつ挨拶を交わして別れていくことになるが、当然というかなんとなくKさんが最後になった。
その時彼は私にせん別と言って何かをくれたのだ。
びっくりした。
他の誰もそんなことをしてくれなかったのに、まさかろくに話もしたことの無いKさんから贈り物をされるとは。
そっけなく受け取り、職場を後にした。
家に帰って彼から貰ったモノを開けた。
中には1枚のCDが入っていた。
「THE WHOOZE / 37カラット」
某ロックアーティストが覆面バンドとして、自分の中でコレこそがロックだと思うものを37曲選び出し、有名なフレーズやリフなどをメドレー形式の組曲としてまとめ上げた非常に面白い内容のCDだった。
包みの中からこのCDが出てきた時、私の眼から大粒の涙がこぼれ出し、暫く止まらなかった。
勿論、驚きというものもあったが、それより何より、Kさんは私が音楽が好きで、特にロックに傾向していて、たまに楽器売場でギターをポロポロ弾いていたのを知っていたのだ!
私は彼について何一つ知ろうともしなかったハズなのに・・・。
彼がどういう意味でそのCDをくれたのかはわからない。
ともすれば単に儀礼的なものだったかもしれない。
でもそんなことはどうでも良くて、私はKさんという人を全く知らないままその職場を去ることが悔しくて堪らなかった。
で、次の日、私はKさんに御礼を言いに行ったワケだけど、ビックリしてたよ、向うも(爆)。
もう私的にはKさんはお友達なのです(笑)。
すでにこのヘンで後のO型になる片鱗が見えているワケだけれども(大爆)。
素直に貰ったCDをネタに色々と話し始めた。
それからKさんとはその職場に顔出したりした時以外も合う様になった。
音楽の話は勿論、彼も少しギターを弾いていたし、車が好きだということもわかった。
同じ練馬区に住んでいることもあって彼の運転する車であちこち行ったっけ。
もしかするとそれまで全く車に興味を持っていなかった私がフォレスターを購入するまでになったのも彼の影響なのかもしれない。
元ディープパープルのグレン・ヒューズやジミー・ペイジ&ロバート・プラントが来日した時、またその頃私がオススメギタリストだった大橋隆志氏が参加していたクラシック・ロック・ジャムなど一緒にライヴを観に行ったりもした。
その後、彼が転職をしたり、私も度重なる職業ジプシーに陥ったりしていたこともあってか、次第に連絡を取る機会も少なくなり、会わない日が続きそのまま21世紀を迎えるに至ってしまった。
まだお互い携帯電話なんて持つ様になっていない頃の話だ。
この十数年間、私はKさんは今頃どうしているだろう?と思うことも度々あった。
私もいつの間にか家庭を持ち、ギターを弾くことも忘れ、車に興味を持つことも数年で終えたワケだけれども、今更彼に連絡を取ってどうする?第一連絡のしようがないじゃないか、と言う良い訳に屈していた日々だった。
先週、カミさんが今回のROLLYライヴに行けないことになり、一緒に行く人間を探そうと自分の携帯メモリーの中にある数少ない友人を次々とあたっていった。
急なお誘いってこともあり、なかなか見つからない。
で、思い切って彼と連絡が取れるかもしれないその番号に掛けてみた。
Kさんはそこに居た。
まるで私から電話が掛かるのを待っていたかの様に、しかも、まるでこの十数年間が何にも無かったかの如く、私の誘いをすんなりと承諾してくれた。
で、昨日ホントに久しぶりにKさんと会った。
頭には随分と白いモノが増えていたけれども、会うなり開口イッパツ、
「ちょっと大きくなった?」
自分では最近ダイエットして痩せていると思っているのに、そう見えないってことは彼と会っていた時いかに自分が痩せていたのかを思い知ったよ(笑)。
まァ、それだけ年月が流れたということだ。
待ち合わせた駅近辺の喫茶店で長い時間話したけど、なんでも彼は数年前に体調を壊し、ギターは勿論、車の運転もやめ、家で大人しくしている日々を送っているという。
にも拘らず、急な私の誘いに即答で行くと言ってくれたのだ。
電話をくれたことが余程嬉しかったとみえる。
まァ、当然ながらライヴが始まるまでは当然ながら懐かしい話のオンパレードとなるが、私も彼も結構色々と覚えているもんだ。
基本的にお互い老けたこと以外そんなに変わっていないみたいだ。
特に最近の私はまた音楽に熱くなってきているので、余計当時となんら変わらない私だったのだろう。
で、実際にライヴ会場に行ったワケだけれど、久々のロックライヴだってのに思いっきりスピーカーのまん前に場所を構えてしまった。
老体にムチ打って・・・なんて心配もなく、彼も初めて観るROLLYのギターさばきに感心しまくりだった。
彼なりに楽しんでくれた様で、私も嬉しかった。
久しぶりに会った古い友人。
次に会うのはいつのことになるのだろうか?
お互いそれぞれの暮らしがある。
今の私が彼にしてあげられることは無いのかもしれないが、今日が楽しかった思い出となってくれればと思う。
Kさんがくれた例のCD、私にとっては一生のタカラモノだ。
絶対に売ったり無くしたりしたくない、嬉しかった思い出の一つなのだから。
Posted at 2011/10/03 20:49:16 | |
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