2012年10月12日
この秋から年末にかけてのライヴ三昧第2夜は、岡村靖幸さんです。
先月の氣志團万博にも出場していたのでそれほど間が空いていませんが、この日はワンマンライヴということでおよそ一年ぶりということになりました。
「スポーツ」と題された今回のツアーは昨年の復活ライヴとは異なりホールがメインとなっているのが大きな進歩といえ、私達の様な年配陣にはとても嬉しいことだ(爆)。
ツアー3日目の会場はNHKホール、今年の冬に氣志團でメチャクチャ寒い中外で待たされた記憶が嫌でも思い出されてしまいます。
まァ、指定席だから安心して観ることが出来るのでいつもの様にドキドキしてませんけど。
またしても3階ですが、氣志團の時に納得済みですのでこれも別に問題にはしていませんでした。
むしろ今回はその内容に注目です。
昨年の復活ライヴの時に過去の楽曲をアレンジし直しており、往年の華やかな岡村ちゃんを期待していた私達にとっては実は結構ショッキングだったワケなんですけどもね。
そして氣志團万博での演奏内容もさほど変化のあるものではなかったので仕方ないとわかってました。
確かに復帰直後よりも数々のステージをこなしてきた為か、随分と余裕も出てきた感じは受けたけれどもね。
女性2名によるダンスパフォーマンスが終わり、岡村ちゃんが登場。
定番曲からスタートしましたが歌メロを崩し過ぎで最初何の曲かわからなかった・・・。
そして昨年の復帰ライヴでは披露されなかった過去の曲も少しづつ含めながら進んでいく。
どっちかと言うとそういう曲を沢山聴きたかったので、今回のツアーは岡村ちゃんのヤル気が出ているなァ、と思っていたけれども・・・。
全盛期時代以外の曲も多くメニューに入れ、自身が他のアーティストに提供した楽曲や別プロジェクトのモノまで取り込んだ状態で進んで行き、一旦休憩に入る。
するとカミさんが私にこそっと言う。
「なんでドラムとベースがいるのに、リズムの機械音ずっと出してるの?アレが嫌なんだけど・・・」
実は私も同じ気持ちだった。
さっきからどの曲も全部リズムパターンが一緒で、せっかくこれまで披露したことのない曲を演奏していても面白くないのだ。
正直に言ってしまうと、岡村ちゃん以外のメンバーはハッキリ言って“華”がない!
出ている音にちっとも魅力を感じないのだ。
復帰後の岡村ちゃんサウンドを構築しているのはこのリズムの機械音がメインで、それ以外は飾りでしかない。
多分というか、今の彼等の力量では過去の華やかな岡村ちゃんサウンドを作り出すことは出来ないのだろう。
アンコール後、一応新しく聴きたかった曲で始まったのは嬉しかったが、続く曲にちょっと驚く。
「なんでこの曲もう一回やるの?」、とカミさん。
名曲「聖書」のまさかの2回目演奏・・・これにはシラケた。
先の方はメドレーの一部になっているとはいえ、同じ楽曲をプレイするのは私達がこれまで経験してきたライヴでも異例だった。
アレンジは若干変更されているが例のヘンなリズムだし、メロディラインはメチャクチャだし・・・。
この曲以降、カミさんの足からリズムを取る動きが消えたのが目に入った。
とにかく今回のツアーは楽曲も多く長丁場になっていた。
それは嬉しいのだが、私もカミさんもちょっと「何かが違う」という思いが次第に強くなり、次のアンコール時にはもうすっかり飽きてしまい帰りたくなってしまった。
「みんなコレで満足してるのかな?」
周りが拍手で2度目のアンコールをしている時にカミさんが言った。
少なくとも私の隣にいた会社帰りのスーツ姿をした私と同年代に見える男性は殆どの曲で一緒に歌っていたので満足していたに違いない。
でも私達は違った。
なんとか自分の中で無理矢理納得しようと試みていた私に、途中でこれらの疑問を投げつけてくるカミさんと実は全く同じ気持ちでいたことに偽りはない。
「ミッチーと彼のバンドの演奏の素晴らしさをあらためて確認出来たよ」
ブランクが何回もある岡村ちゃんと15年以上もの間休むことなく突っ走ってきたミッチーと比べるのは酷というモノだが、これが結論と言わざるをえない。
バラードやミドルテンポの曲ではリズム音無しで演奏したのだが、ベースのヤツが出す酷い音で他の楽器が全て埋もれてしまい、アンサンブルも何もあったもんじゃない!
及川光博という男はこういうところにもキチンと目や耳を向け、一切無駄の無い演奏を常に我々に届けてくれるから、絶対に飽きさせない。
確かに過去の華やかだった頃の岡村靖幸を今の彼に求めるのはまったく以て筋違いなのかもしれない。
でも岡村靖幸という素晴らしい才能の持ち主なら今以上のことを出来るハズなのだ!
しかし今の彼の後ろにいるメンバー達ではこれ以上のサウンドを作り出すことは不可能だ。
それがわかっているから岡村ちゃんもこれ以上のことをヤラないのかもしれないし、出来ないのだとしたら岡村ちゃんは終わった。
体調も良さそうだし、ダンスのキレも増して、年齢の割に声も出ていたが、私達二人が求める岡村靖幸はここにはいない。
少なくとも過去に作られた楽曲はCDを聴く方が何倍も良い。
だから暫く彼のライヴに来ることはないだろう。
勿論、今後も彼の仕事には注目しているので新しい曲を収録したアルバムとかは買うと思うが、ライヴパフォーマンスにおける新しい発想が生まれない限りその思いも変わらない。
Posted at 2012/10/15 21:40:51 | |
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