私達がそのアーティストに興味を持ち始めると、殆どの場合比較的すぐにライヴなり直接会うなどの機会が来る。
数週間後かひと月の間、二か月後なんて早いモノから、遅くとも半年以内にはそういった催しが行われる。
中にはその日から最も近い週末なんてパターンも実際にあったしね。
でも今回、真剣に触れる様になった日から既に一年以上という長い年月を必要としたアーティストがいる。
スガシカオ。
昨日の夜、ようやく彼のライヴに行くことが出来た。
“自分の本当にやりたい音楽を作るため”にメジャー契約から離れ、あえて自らインディーズに立ち戻ることにしたシカオちゃん(ここではあえて親しみを込めてこう呼んでいます笑)。
彼の発表した作品を買い揃え終えそうなタイミングでのこの決断にちょっと戸惑ったものだ。
それでも今年に入り春先と初夏に2度に渡るツアーを行い、配信限定ではあるけれども新曲の発表も行うなど勢力的に前進してはいたし、勿論私も先のツアーに行くつもりで申し込んではみたものの、2回とも抽選に外れるという結果に終わった。
そして・・・
「SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2012-Autumn-
Funk/POP/Ballad/Dance・・・スガシカオ“おいしいとこ全部盛り”ツアー」と題された今年3度目になるライヴに、3度目の正直で行くことが出来たワケなのだ。
東京公演2DAYSの一日目、会場はZepp Diver City、今年完成したばかりの新しいハコだ。
オールスタンディングでのライヴは正直シンドイいが、今のシカオちゃんの状況を考えると仕方ない、そう思い多少の不安を抱えつつ会場までやってきた。
隣には勿論カミさん、仕事を早く切り上げた私と合流。
今回のチケットには仕掛けがしてあって、直前まで入場順番を控えることでオークションでの高騰を抑える為の処置がなされている。
こういう部分は流石元サラリーマン、シカオちゃんである。
そのお蔭か今回私の手元にあるチケットでの入場は比較的前半のモノとなった。
それでも既に900人近い人数が会場入りしているんだけれどもね・・・。
なんとかステンディングバーを確保出来たので一安心、一応ここからならステージ上の彼の姿を拝むことが出来るのであとは開演を待つばかりだ。
どこかの誰かと同じ様にピンク色の上着を来て登場ですよ(笑)、スガシカオ!
ギター1本をぶら下げ、一人で曲を始める。
3曲目あたりからドラム、ベースと少しづつバンドメンバーが増えていく構成を取る。
次第に演奏が濃くなっていき、会場の前の方はもの凄いことになっているらしい(こちらからは見えない)。
サポートギター、キーボード、コーラスと全員揃って本格的にバンドスタイルで次から次へと曲を披露していく。
「午後のパレード」という私もカミさんも好きな曲の後に、名曲「黄金の月」を持ってきたかァ・・・。
スガシカオの代名詞であるこの曲、私は途中で眼を閉じ、彼の声に耳を傾けることにした。
彼しか出せないその独特過ぎる声は本当に良く聞こえる。
曲の終盤を眼を開けてステージを見ると、青いステージの中に月の様に照らす照明があまりにもステキで涙が出そうになった・・・。
もう感無量である。
一年待たされたけど、それは今日のこの日の為に必要だった時間だと思う。
ピンクのポロシャツを着た45歳のこのオジサンはどんどん会場を煽り、まさにファンクのるつぼと化して行く。
グイグイとグルーヴの効いた曲が続く。
おそらく一般的に想像されているスガシカオという男のイメージとは全く掛け離れた熱い魂が宿っている男がそこにいた。
また再び彼の声と歌詞を耳に宿そうと眼を閉じた。
声が消え、楽器の音も少なくなっていき、最低限の音しかならなくなったその時眼を開けた。
ステージのまばゆい照明の中にシルエットだけのシカオちゃんは神になっていた。
そして神は照明の中に消えた・・・。
素晴らしい演奏と歌だった。
各楽器の音のバランス、声のハリ、ステージ照明、そのどれもが期待していた以上のモノだった。
決して満足にステージ上を観ることが出来なかったハズのカミさんも同様な意見で満足してくれた。
実は本日も東京公演の2日目があったのだが、色々な意味で昨日で良かったと思っている。
結果、土曜日、日曜日、そして昨日の月曜日と、三日間に渡り音楽を中心とした芸能を楽しむことが出来た。
その最後の日がこの秋冬のライヴ第3夜となったスガシカオという出来過ぎに近い流れで終わったワケだが、今年コレ以上のパフォーマンンスを観ることが出来るだろうか?
そんな思いを覆いかぶせる様に、なんと来年の2月にまたツアーがあることを発表した!
今度はたった一人での聴かせるライヴとなるのだから、これは是非行かなくては!
Posted at 2012/11/06 23:53:37 | |
トラックバック(0) |
音楽・邦楽 | 音楽/映画/テレビ