
最近よく某大手古本チェーン店(素直にブック○フと書かないとこがいかにも)に行く。
昨年の及川光博さん、今年の岡村靖幸さんのCDを探すというのが第一の目的なワケで、とりあえず邦楽・・・というかお店側から言うとJ-POPってことになるんですが、「あ」行から順を追って見ていくことにする。
でも、実際にこの両者共、「お」で始まっている為、あっと言う間に結論が出てしまう。
つまりは及川光博も岡村靖幸も殆ど置いてないってのが分かりきってるのに店舗を見つけると必ず入って一応目を通すことにしているのだ。
この大手古本チェーン店の特徴として、通常販売しているその他に、500円、250円というお買い得価格コーナーが設けられており、そこを見て探すってのが結構面白いんですよねェ、実は。
基本的に目的のアーティストはまずここには無いハズなので、それ以外をテキトーに見ているワケで、「お、コレ、前に欲しかったヤツだ!」、「コイツ、聴いたことないんだけど、この値段なら良いかな?」って感じに掘り出しモノが沢山ある。
キャリアが長いアーティストだと通常販売の他、バックカタログ等大量に重複したアルバムなんかはこっちに置いてある場合も。
で、ようやく本題(爆)。
昨年のミッチー探しの時からちょこちょここのコーナーを覗いて集めてきたアーティストがある。
「ORIGINAL LOVE(オリジナル・ラヴ)」だ。
そのキッカケの一つには及川光博さんが学生時代に好んで聴いていたってことや、実際にカヴァーしたり共作しているといったことが挙げられる。
勿論その存在自体は以前から知っていたし、興味があったアーティストではある。
オリジナル・ラヴ。
90年代前半、田島貴男を中心に結成された音楽集団で、デビュー間も無い頃はピチカート・ファイヴや小沢健二、小山田圭吾らと共に“渋谷系”などとくだらないジャンル分けをされていたが、ドラマの主題歌として起用された「接吻」が大ヒット、一躍メジャーシーンに飛び込む形になった。
しかしながら、意欲的なサウンドアプローチがアダとなったかメンバーが次々と離れていき、バンド形態ではなく田島貴男のソロワークという側面が強くなっていった。
実際のところ、本のムシと呼ばれる位の読書家である田島の紡ぎ出す幻想的な歌詞とそれを彩るサウンドはアルバム毎に異なるもので、B型の血液型故か常に変化している。
聴いた瞬間に彼だと分かるその独特過ぎるそのヴォーカルや、自他共に認める関根勤に似ているというルックスが性に合わないと言われてしまえばそれまでである。
実際に我が家にもCDが1枚あったのだが、それはカミさんが持っていたモノで、しかも知人から貰ったモノだとか。
やはり彼のあの顔がどうにも受け付けないとかで、殆ど聴いていなかったという(爆)。
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昨年から買い集めてきて、この夏ついにオリジナルアルバム後1枚ってところまで揃ってきた。
どのアルバムも色々なテーマを決めて制作されているが、やっぱりあの個性的な声があれば、すなわちそれが“オリジナル・ラヴ”なワケである。
集めるに当たってちょっと難儀だったのが、最高傑作とされる「ビッグクランチ」がなかなか手に入らなかった。
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そのタイトルが示す通り、彼が作り上げてきた音楽観全てを一旦粉々に砕き、再び構築するといった意欲的過ぎる内容で、レッド・ツェッペリンやキング・クリムゾンなどの洋楽ロックを彷彿される非常にカッコ良いサウンドが繰り広げられている。
それまで田島本人の持つ肉体的なモノだけでなく、機械サウンドもどんどん導入し正に最高傑作の呼び名に相応しい、素晴らしい内容に仕上がっている。
その後も歌謡ロックを前面に押し出したモノや洋楽カヴァーなど、これまでに15枚以上のアルバムを発表してきた。
そして今年、ついに20周年を迎えることとなり、「オリジナル・ラヴ」から「オリジナル・ラブ」と地味に改名していたりする。
この夏に発表したばかりの作品「白熱」では、作詞・作曲・編曲・演奏は勿論のこと、ミックスやマスタリングなどの作業も殆ど全て田島一人で手掛けた。
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で、昨日私達が自由が丘に行ったのは、その田島貴男さんがこの地イベントを行なうというものだったからだ。
相変わらず前置きが長いけど、許してね(笑)。
彼が子供の頃、この近辺に住んでいたらしく土地勘もあるようで、今回この「自由が丘女神祭り」に参加することとなった。
オリジナル・ラブではなくあくまで田島貴男名義での出演なのはそれが理由なのかどうかわからないが、昨年聴き始めた私達にとってこんなチャンスは滅多に無い。
だってあの田島さんのライヴが入場無料、観覧無料のスペシャルなイベントだって言うんだからさ!
ステージには彼一人しかいない。
ギターを持ち、タンバリンとハーモニカ、あとはちょっとの機材だけというシンプルなライヴだ。
でも、長身から繰り出されるアコースティックなカッティングと、ループによるリズムが鳴り出すともうそこにはあの独特過ぎる歌声が聴こえてくる!
粘っている様で、ちゃんと良く通る彼の声、これこそがオリジナル・ラブの最大の武器だとあらためて思わされた。
あの無愛想な感じを受けずにはいられないルックスからはとても信じられない人当たりの良いお兄ちゃんがそこに居る。
時に会場を煽りながら、笑顔で歌う田島さん。
若いなァ、私と1歳しか違わないんだよ・・・。
名曲「接吻」を含む約60分に渡るライヴは最高に素晴らしかった。
日本にはこんな凄いアーティストがいるのに。
でもまァ、こんな音楽業界不毛の時代に20年も続けて来られるんだから、まだこの先も大丈夫でしょう。
最新アルバム「白熱」、今度は某大手古本チェーン店でなくちゃんと買おうと思う(爆)。
そういえば、このオリジナル・ラヴほどベストアルバムを沢山出しているアーティストも珍しいだろう。
田島自身がちゃんと手掛けているモノ、それ以外のモノも含めて5枚以上もこの世に存在しているのだ。
それこそ例の500円、250円コーナーには必ずと言って良いほど置いてある(爆)。
是非一度、手にとって、買って聴いてみて欲しい。