今日は私にとって記念すべき日となった。
レスポールをギグバッグに入れてスタジオへ向かう。
そこでは私の好きなバンド、
ワラビーズの皆さんが待っているのだ。
昨年から急激に音楽に(特にギター)熱を上げ、長年の念願だったレスポールゴールドトップを買ってしまったまでは良いが、一人でポロポロ、ガシャガシャやってるだけで一向に上手くならない自分にいささか腹立たしく思っていた。
せっかく買ったギターなのに持ち主がコレじゃああんまりにも可愛そうだ・・・。
そんな思いに押し潰されそうになる日々を送っていた今年、これまで以上に色々な音楽を聴き始めた。
その中の一つにワラビーズがあった。
ロクに弾けないくせにこまっしゃくれたジャンルのギターばっかり真似しようとヤッキになっている自分の頭を何かで殴られた様な衝撃を受けたワラビーズのサウンド。
シンプルでかつ馬鹿馬鹿しく、それでいてワビサビのあるロックンロールは諦めそうになる自分のギターに、「お前そんなんじゃなくて、もっと素直に行こうぜ!」と訴えかけてくれるかの様だったのだ。
早速彼等のライヴに行ってみた(過去ログ参照)。
実に楽しそうに演奏している御三方を見た瞬間、「いつか私も一緒に演奏してみたい」と思わずにいられなかった。
あれから半年以上が経過し、ようやくその日が訪れることとなった。
アクションは私の方から起こした。
今ワラビーズの方々は秋の学園祭ツアーの真っただ中。
勤労感謝の日である明日に千秋楽を迎えるワケで、その前日である今日、某所で練習が行われると知り、「是非私も一緒に参加させて欲しい」と自分から図々しく訴え出た(爆)。
普段の私を知る人だったら驚くだろう、そういうことを決して自分から言い出すタイプではないからだ。
今実は結構ギターを弾くことに煮詰まっている。
ホントにまともに弾ける曲がひとつも無いし、覚えることもヤマ程あるのにちっとも前進して行かないのだ。
十数年前、友人達と遊びのバンド練習をしてはいたけれども、今はその仲間達も離れ離れだし。
一人でコソコソやっていてもなんにも始まらない、そう思って勇気を振り絞りワラビーズさん達に連絡を入れたワケだ。
すると彼等は本番前のリハーサルで忙しいハズなのに、私が来ることを許可してくれて一緒に演奏してくれるという。
凄いことですよ、これは!
仮に熱狂的なファンでも普通無いよね、こういうコトって!
さァ、自分から言い出したことながらそれからが大変ですよ。
だってロクに弾けないんだもん・・・。
自分なりにCDで聴いた曲の数々を弾いてはいたけれども、いざCDに合わせて真剣に耳を傾けてみると、「アレ、コードこれで良かったのかな?」「カッティングのノリが違うんじゃないか?」とかどんどん不安になってきた。
だって数日後には本人達と一緒に曲を演奏しなくちゃならないんだよ!
仕事に行ってる時も休み時間にはヘッドホンで聴いて、一人の仕事中でも鼻歌歌いながらリフとか懸命に覚えてた位だ。
そしていよいよ当日が来た。
キンチョーのせいかちょっと痩せたよ(笑)。
でも約束の時間通りにスタジオのロビーにいた私をワラビーズの三人は迎えてくれました。
元々最初はそのハズじゃなかったので、3人でもギリギリの部屋での練習をしていたワラビーズさん達。
そこへ45歳の決して痩せていないオジサンが慣れないカッコウでギターを持ってやってきたワケですよ(爆)。
いや、ホント、よく入れてもらったなァ、とあらためて思いますよ。
17年ぶりにスタジオに入ったのでアンプの操作もわからずに手間取うも、ギターのひじき石塚さんが繋いでくれました。
バンド辞めてからエフェクターなんて使わなくなり、引っ越しする時手放しちゃったのでアンプ直結です。
買ってから初めて外に出したレスポール・・・緊張もMAX状態です。
「とりあえずコード知ってる曲からやる?」とひじきさん。
代表曲でもある「ママべジタブル」から一緒に演奏開始。
・・・。
弾けない・・・せっかく練習してきたハズなのに最初のリフとか全然出来なかった・・・。
コード進行を追うだけで精一杯、カッティングとかもメチャクチャ・・・。
続く「ソーセージハムベーコン」、これはまだマシだったかもしれないけど(笑)。
だってコレ、スタジオに行く直前まで弾いてたんだもん。
私もせいぜい皆が一緒に演奏してくれるのは2~3曲程度だろうと思っていたので、そんなに他の曲の練習もしてなかったんだけど、ホントに弾けないわ、私・・・。
よくこんなんで一緒に演奏してくれませんかって言ってしまったな、と。
にも関わらずワラビーズの方々は次々に曲を変えてくれて、普段の練習やライヴではやらない曲まで私のムチャぶりに応えてくれたのでした。
嬉しかったけど、それ以上に申し訳ない気持ちで一杯だった。
もっと弾けたなら・・・とにかくその思いが強過ぎた。
自分のギターを弾くことだけに精一杯で、パンジー関さんが叩くドラムの音、そして黙々とベースを刻んでくれているきくらげ松岡さんの音に耳を傾ける余裕が全く無かったことが悔しい。
所々コードを教えながら弾いては歌も歌わなくてはいけないひじき石塚さん、ライヴ前日だというのに本当にすみませんご苦労掛けて、ありがとうございます!
時間にして80分位だったのかな?
あっという間だったけど、私にとっては非常に貴重な時間でした。
自分の不甲斐なさをあらためて知ることが出来たけれども、やっぱり一人で家でコソコソやっているのとは違ってヘタクソなりにも楽しめました。
ああ、やっぱりバンドっていいな、って。
多分今までの私だったら落ち込んでいたと思う。
家に帰って、もうギターなんてやめた、とかカミさんに愚痴ってたかもしれない。
でも今日は違った。
それはワラビーズの御三方が非常に穏やかで、こんな私でも終始笑顔で付き合ってくれていたからだと思う。
私はその笑顔に救われましたよ。
もっと頑張って練習しようって素直に思えた。
もしまた今度一緒にプレイすることがあるとしたら・・・今日よりはもっと上手くなっていないとせっかく時間を割いて私に付き合ってくれたワラビーズさんに申し訳ないから。
とにかく今日は私にとって大切な思い出となったと同時に、前進しなくちゃいけないと思い知らされた記念すべき日になりました。
ワラビーズの
ひじき石塚さん、
パンジー関さん、
きくらげ松岡さん、
今日は本当にありがとうございました!
明日は東京芸術大学でも学園祭です。
勿論、観に行きます。