昨日、今年一発目の音楽イベント、くるりのワンマンライヴの為日本武道館へ行って来ました。
昨年の夏頃、とあるきっかけで聴くようになったばかりのアーティストであるが、私の中にあるO型の血が騒ぎ始める程の高い音楽性に惹かれてのものだった。
過去のアルバムを買い漁るといういつものパターンで、そんな折新しい作品が発表になるというこれまたお決まりとも言えるパターンが続く。
そうなると、当然ライヴにも行ってみたくなるというもんだ。
そこへ、最新アルバム「坩堝のボルツ」に伴うツアーを行うという。
残念ながらこのツアー自体には行くことが出来なかったが、その総決算として行われるのが武道館での特別公演だ。
運良くこちらのチケットは購入出来たので年明けの昨日まで待っていた状態だった。
現在のくるりは4名で、この特別公演ではドラムを含むサポートメンバー7名を加え計11人という大所帯でのパフォーマンスとなるというのでその期待も大きなものになった。
雪の爪痕が少し残る昨日の夕方、九段下の駅まで行く。
カミさんも勿論一緒。
するとあることに気付く。
いつも私達が行っているライヴと言えば、顔が悪魔になっていたり、ダンスパーティーみたいに着込んでくる人、特攻服にグラサン、赤いツナギとかそんなのが沢山来ているモノが殆どなワケだ(爆)。
それが今回はいないんですよ(笑)。
つい一か月前に矢沢永吉さんを観に此処へ来た時は、リーゼント頭に白いスーツの人が一杯いたけどね。
今日はいたって普通の人達で、いかにウチらがヘンなのに行ってるかがわかった・・・。
館内に入りますが、今回オフィシャルHPを通じて入手したチケットは初めての1階席。
構造的にそう呼んでいるが、実際はアリーナの様な空間ではなく、それを俯瞰して囲む様に設けられている箇所。
指定の番号に辿り着き驚いた・・・。
1階席の一番後ろの席、というかその更に後ろで背中は壁ですよ!
何回か来たことある武道館だが、こんな席があることすら知らなかった。
着席して開演を待つがなんか落ち着かない・・・。
19:00時、開演。
最新アルバムからのリードトラックナンバーで始まり、会場全体が立ち上がる。
私達も立ったのですが、係員がすっとんで来て、「そこは通路なので上に上がって」くれと言う!
シートが付いてる部分が通路よりも一段高くなっているが幅が数十センチしかないスペースに立てというのだ。
しかもだ、立ったら天井がすぐ頭の上にある状態で、そこから見える舞台の空間はアリーナや2階席とは異なり天井部分が張り出していて1/3位は狭い。
舞台上にはスクリーンが設けられているがこれも大幅に隠れてしまっている。
ちょっと参ったなァ、これには。
おまけに寒い。
前の人の座席があるワケではないので足元だけでなく全身が寒く感じる。
そこもってきてその空間を武道館の職員(?)やらプロモーターやらがウロチョロと横切るので落ち着かないことこの上ない状態だ。
次から次へと曲が演奏されていくが、次第にテンションが下がって行くのを感じる・・・。
私は別に彼等を観る為だけに来たワケではないと開き直ってシートに腰を落とすと、もう完全に何も見えない状態になるのだ。
耳を澄ませながら身体でリズムを取っていたんだけど、なんか違うんですよねェ。
ふと周りを見るとみんなそれ程身体を動かしてないんですよ。
もともとくるりというバンドの音楽自体がそういうモノではないんですが、コール&レスポンスがあるワケでもないし、シンガロングもない。
ましてや振り付けなんてあるハズもなく、みんなゆったりとしてます。
てか、なんでこんなにユルいんだ!?
いや、演奏自体はサポートメンバーもいるお陰で音に厚みもあるし色々楽器が鳴ってて素晴らしいんですよ。
あれっ、俺くるり好きだったんだよね?と錯覚すら起こす位ユルい・・・。
MCもあっても無くてもどうでもいいもんだったし。
2度もアンコールがあったけど、正直早く終わって帰りたかった。
途中でトイレに行ったのも初めてだ。
結局27曲も演奏し、2時間40分くらいあったのかな。
ハッキリ言って退屈でした。
代表曲満載のメニューだったハズなのに。
武道館を出た時、カミさんが私に言った。
「非常に優等生なライヴでした」、と。
全く同感で驚いた。
なんかこれまで私達が行ってきたモノとは明らかに客層が違う。
九段下の駅で感じたモンがそのまま答えとして浮かび上がった。
完全にアウェイだったのだ・・・。
実はこの日を迎える前から、くるりのライヴはこれが最初で最後になるだろうなァ、という予感を抱かずにはいられなかった。
くるりを知ってからこの日までにウチらが聴いてきた音楽は全くベクトルの異なるモノに他ならなかったということだ。
久しぶりに本格的な上手いミージシャンのライヴを観た(聴いた)けど、私達が今楽しみたいのはそれではなくエンターティナーによるエンターティメントショーだったのだ。
まァ、座席が違う場所だったらもう少し異なる見方(聴き方)が出来たかもしれないけど、初めてのウチらにしてはハコがデカ過ぎたんでしょうね。
色々なモノがヘンな方と向かわせてしまったのだろう。
でも、くるりは好きですよ。
ですが、私にはCDというフォーマットで聴くのが一番良いという結果が見えました。
今回のライヴもVTR収録されていたので後々DVD化されるんでしょうね、多分。
買わないと思うけど、もし観ることがあったらまた違う思いで素直に楽しめるモノだったら良いなと願います。
この文章を読んだ方の中にくるりのファンの方がいたら申し訳ないと思いますが、此処は私の思いを正直に書かせて頂く場ですのでご了承ください。