DFA-03 ガルマ・ザビ専用ドップ
ジオン公国軍の主力戦闘機。ミノフスキー粒子が散布された戦場では肉眼に頼るほか無いので、視界を広くするためコクピットを上部に張り出させ、風防を広くしてある。
RX-78-2 ガンダム MGVer2.0
UC0079年9月18日。サイド7、1バンチにおいて偶発的に戦闘が発生し、WB(ホワイトベース)とRXシリーズMSは、予定外の人員によって運用されることとなった。当事者にとっては災厄そのものではあるが、連邦軍のMS開発部署にとってみれば願っても無い状況だったと言える。それまでのガンダムの運用データを利用する事により、同年8 月には量産型のRGM-79 ジム試作一号機をロールアウトする事ができたのである。あとは、RXシリーズの限界性能を測る実戦投入を残すのみであった。WBがサイド7に寄港したのはまさにそのためでもあったのだ。無論、WBの置かれた状況は理想的なものではなかったが、最低限の運用条件は満たしていた。公国軍は、WBを発見した時点で既に“V作戦”の概要を察知しており、WBとガンダムがその中核である事を確信、これを追撃する。連邦軍首脳部は、その時点でのMSの量産を含む反攻計画の全容を秘匿すべく、敢えてWBを孤立無援の状態に置いていた節がある。 WBが寄港したルナツーの反応は、この時期すでにルナツーの工廠においてジムの量産が行われており、公国軍との小競り合い以上の戦闘や機密漏洩を嫌ったためだとする説もある。 その後、地球に降下したWB部隊は、気がつけば敵勢力の真っ直中にあり、南米大陸の連邦軍ジャブロー基地に直接向かうことも出来ず、北米大陸から太平洋の横断を余儀なくされる。 その途上、成り行きでザビ家の末子である“地球攻撃軍”指令ガルマ・ザビ大佐を撃破したため、以後、公国軍の執拗な追撃を受けることとなる。その間、小規模な補給部隊は頻繁に派遣されるものの、トリプルAの極秘事項そのものであるはずのWBとガンダムは放置され続けた。WB部隊、とりわけガンダムを駆るアムロ・ レイは飛び抜けて優秀なパイロットであると評定され、戦闘と整備、補給と修理が繰り返された。そしてこの状況は、オデッサ戦以降も続くのである。 サイド7を出港して以来、WB部隊の処遇は、偏にレビル将軍の意向によるものであった。V作戦自体、彼の意向が強く反映されているとする説もある。直属の配下としてマチルダ補給隊を擁し、WB部隊に対する例外的な支援に関しても、正規軍をテスト台にはできないとして参謀本部の了解も得ていた。参謀本部にとってWB 部隊は厄介者であったが、公国軍に於ける評価が高かったため、囮として最適であると断じていた。レビル将軍はそれを逆手に取り、WB部隊そのものをMS 開発をするためのテストヘッドとしていた。また、新装備や任務の通達に際しても、WB部隊をモルモット扱いしていると自覚していた旨が記録されている。実際、WB部隊のRXシリーズMSは、ほぼ週変わりで仕様が違うと言われるほど、細部の形状やスペックに異同があったとされている。中でも大規模な改装を施されたのが、オデッサ戦に前後する時期とジャブローにおけるオーバーホール。さらに、ソロモン海戦に続くMC(マグネット・コーティング)処理を経たものが最終的な仕様だとされている。
RX-78-2 ガンダム MG Ver1.5
V作戦にて開発された汎用試作型MSの2号機で、U.C.0079年7月ロールアウト。試作1号機で得られたデータを基にバランス調整、外装の見直し等がなされ、より完成した機体となっている。
MS-06S ザク2 シャア専用ザクII
MS-06S ザク2は、MS-06Fを元に指揮官やベテランパイロット用に推力などを増し、一般機ではパイロット保護の観点から設けられていた各種リミッターなどを任意に外してあるとされるカスタム機。搭乗するパイロットの技量によっては、ザクが本来持つポテンシャルを最大限に引き出しうる機体とされるものの、その操作性のピーキーさから乗り手を極端に選ぶ事でも知られている。中でも特に有名なのが、シャア・アズナブル専用ザクII(シャア専用ザク)である。彼は類希なその操縦能力でザクIIの性能を限界まで引き出し、一般機(F型)と指揮官機(S型)とでは機体の総合力においては30%程度の性能差ながら、「通常の3倍のスピード」と恐れられたほどの速さで乗りこなしたとされる。また、指揮官は、頭部にブレードアンテナを装備し通信性能の強化とともに、任意のパーソナルカラーに塗装し、機体の識別性の向上を図ることが許されており、特に有名なシャア専用機は赤い彗星の名の通り全身を赤系統で塗装している。
RX-79BD-1 ジム・ブルーディスティニー1号機
連邦軍が製造したブルーディスティニーシリーズの1号機で、EXAMシステムの試験機。ジオンから連邦に亡命してEXAMシステムの研究の完遂を企てたクルスト・モーゼス博士の手により、当初は陸戦型ジム(RGM-79[G])を試験ベースの機体として、その頭部にEXAMシステムを組み込んでいた。試験運用中に機体がシステムの要求する動きに耐えられなかったために機体を陸戦型ガンダム(RX-79[G])を強化したものにして、システムが搭載されていた頭部をのみをそちらに移植した。当初の試験では暴走を繰り返し、搭乗パイロットはそれに耐えられなかった。暴走したパイロットは作戦終了後の友軍部隊を襲撃し、居合わせた「モルモット隊」によって撃退される。後にその能力を見込まれた実験部隊である「モルモット隊」に配属され、ユウ・カジマの乗機となった。「蒼い死神」の異名で呼ばれる事があるが、これはジオンのようにパイロットに付けられる通り名ではなく、機体その物に付いた名である。