ZGMF-1017M ジン・ハイマニューバ
ジンをベースに機動力に特化させた「高機動型ジン」。機動力を向上させる為に新型のスラスター(この機体の背部スラスターはミーティアのスラスターのプロトタイプになった)を搭載し、スラスターの総数自体もジンを上回っている。その一方、ノーマルのジンと共通のパーツも多く、整備性も高い。生産台数はごく僅かであったが搭乗したパイロットの評価は高く、ゲイツが配備された後も愛用するパイロットが少なくなかった。「機動戦士ガンダムSEED MSV戦記」ではラウ・ル・クルーゼが量産1号機に搭乗し、初陣にてムウ・ラ・フラガの駆るメビウス・ゼロと交戦している。「ドクター」の異名をとるエース・パイロットミハイル・コーストの愛機としても知られるが、いつも相手が悪いのか、「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY」を見る限り戦績は芳しくない様だ。
TMF/A-802W2 ケルベロスバクゥハウンド
バクゥハウンドは、開戦当初から投入されているザフト軍が開発した地上戦用MS「TMF/A-802 バクゥ」の背部ターレットコネクタに、ニューミレニアムシリーズであるザクシリーズ以降の開発機体に採用された「ウィザードシステム」がボルトオン装着可能なアタッチメントを搭載した派生タイプである。ザクタイプなどが装備するウィザードパックのほとんどをほぼ無調整で運用する事が可能とされ、特に新設計の「ケルベロスウィザード」を装備したバクゥハウンドを「ケルベロスバクウハウンド」と呼ぶ。ケルベロスウィザードは、ちょうどバクウハウンドの頭部に準じる形状の可動肢を二つ持ち、先端ユニット各部に複数のビーム発生器「ビームファングシステム」が搭載されている。これらは特に獣の牙の役割をする事からビームファングと呼ばれ、ビームの発生部位を局面に応じて自在に変化させる機能を持つ。それぞれは形状のみならず機能においてもモノアイを搭載するなど機能的に頭部と同様であり、それぞれが半ば自律的に攻撃対象の弱点を狙いうる機能を有するため、これまでのモビルスーツにはなかった斬撃の猛烈なラッシュが行えるのが大きな特徴である。基本的に一本のサーベルしか持たない従来型のモビルスーツでは一度接近を許したが最後、この攻撃を凌ぐ事は不可能とさえ言える。このケルベロスウィザードを搭載したタイプはバクゥ本体頭部もウィザードの頭部に準じるタイプに変更されており、ウィザードとの連繋運用を前提に同時開発されたものである。特に顎のように見える部分はメインセンサーを収納したリトラクタブルガードであり、それぞれの頭部ユニットのリトラクタブルセクションには、1門ずつビーム砲が内蔵され、中距離での射撃戦闘も可能である。加えて従来型バクゥのもつ弱点の一つであった、ひっくり返されるとすぐには起き上がることができないという欠点も、いわば腕部として機能するこの「ケルベロスウィザード」の搭載によって解決に至っている。バクゥ本来の持つ高い機動性にケルベロスウィザードの持つ隙のない近接攻撃能力が加わる事で、まさに伝説の猛獣を名乗るに相応しい高い性能を実現したと言えるだろう。
GSX-401FW スターゲイザー ガンダム
DSSD(深宇宙探査開発機構)技術開発センターによる「GSX-401FWスターゲイザー計画」の基幹たるモビルスーツ。地球連合、プラントの双方に対して中立の地位を保ってきたDSSDが、独自に火星以遠軌道宙域の探査・開発を目的として開発した非戦闘用モビルスーツである。この機体の開発目的で特に画期的とされるのは、艦船に依存することなく単機での惑星間航行を目指している所にあり、ヴォワチュール・リュミエールと呼ばれる惑星間推進システムの搭載と、高度の自律性の追求による無人運用を実現した事が挙げられる。フランス語で「光り輝ける運び手」の意味を持つボワチュール・リュミエールは、自由度の高い可動肢と巨大なリング状構造体で構成され、状況に応じた様々なポジショニングが可能であり、駆動時には特殊なエネルギー変換によって得られた強大な光圧により継続的な加重と高い推力とを生み出す事ができる。この時、周囲の空間構造に干渉させた力場が、この機体スターゲイザーの周囲に複数のリング状の発光現象をもたらす事が確認できるだろう。この GSX-401FW スターゲイザー およびその運用支援システムは「 Guider UNmanned Deployment Autonomic Manipulation : 無人・自律運用展開教導機 」と総称され、頭文字をつなげた略称は、ちょうど「GUNDAM」となり、その機体外観とあわせ スターゲイザーガンダム と呼ばれる事もあった。プロジェクトはこの一体のモビルスーツを宇宙へと打ち上げるということが最大のミッションであるといわれるがその詳細はいまだ不明である。
GAT-X103AP ヴェルデバスター
X103バスターに対し、X103APヴェルデバスターでは、アクタイオン社の手によって長射程砲撃機能を生かしたまま、近接戦闘でも威力を発揮するよう武装にアップデートが加えられている。
GAT-X105E ストライクノワール
地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」に所属し、コーディネイターに対して憎悪を燃やすスウェン・カル・バヤン中尉が搭乗。大西洋連邦が「ヘリオポリス」でモルゲンレーテ社と共同開発された「ストライクガンダム」の設計をベースに、アクタイオン・インダストリー社が独自にアップデートしたとされている機体。新開発の高容量パワーパックの搭載と各部材のエネルギー変換効率の改善による稼働時間延長に加え、専用のストライカーパックである「ノワールストライカー」実装により、火力、機動力などが強化されている。この機体に特長的なこのノワールストライカーパックには、レールガン2基とレーザー対艦刀二振りが据え付けられており、機動用の翼状ユニットはこれら武装の一種の鞘(さや)としても機能する。特にレーザー対艦刀は、マニピュレーター(手)に持っての斬撃が可能な他、翼に収納した状態のまま機能させる事ができるようで、翼を左右に展開しすれ違いざまに刀身を当てるなどの攻撃方法が考えられる。フェイズシフト装甲(PS装甲)の発展型であるヴァリアブルフェイズシフト装甲(VPS装甲)が採用されており、起動した時の配色は、フランス語で「黒」を意味する「noir:ノワール」の名称のとおり、黒を基調としたカラーリングとなるように調整がなされており、この機体を特徴づける大きな要素となっている。ところで、ザフトにおけるMS開発の指針として単機での万能化が追求されていく傾向があるが、連合のMSにおいては物量での優位を活かす意味もあってか集団戦闘を旨とした開発が行われる。当機においても性質の違う僚機との連携による作戦行動を取ることが前提とされており、未確認だがデュエルガンダムやバスターガンダムもまたアクタイオン・インダストリーによって「ファントムペイン」用にアップデートが進んでおり、それらの機体との連携による作戦行動によって最大の能力を発揮しうるとされている。