先日10月5日に愛知県は豊川市にある陸上自衛隊豊川駐屯地にいってきました。
駐屯地創立64周年記念行事があったからです。
現在豊川駐屯地がある場所は終戦まで海軍工廠があって海軍の航空機用機関銃弾などを製造する一大拠点でした。
戦後はこの跡地に日本車両の工場や豊川市役所、ミノルタなどが建てられましたが、豊川駐屯地は自衛隊の前進となる警察予備隊の駐屯地として昭和25年に設立され、昭和29年に陸上自衛隊の駐屯地となりました。

記念式典の観閲式のために駐屯地前の演習場に整列した豊川駐屯地の隊員です。
豊川駐屯地には第10特科連隊、第10高射特科大隊、第49普通科連隊、第6施設群、直接支援中隊、業務隊など1700名もの隊員が勤務している中部地方でも有数の大規模な駐屯地となっています。
観閲式のほうも師団規模のかなりおおきなものになっています。

国旗が入場してきました。
白地に赤く染められた日の丸の旗は風になびくほど軽いですが、1億2000万人が住む日本という国を表すその「国旗」としての意味はとても重いものがあります。
国を表す国旗は単なる記号としての意味だけではなく歴史と文化、国民の生命財産全てを含めたシンボルと思うとなぜ日本でも外国でも国旗(自国旗にも外国旗にも)を尊重するのかの理由がわかってくるような気がします。

国旗入場の後、観閲官の豊川駐屯地司令が部隊を巡閲を行います。
豊川駐屯地司令は第10特科連隊長を兼ねています。
式辞、来賓挨拶、来賓紹介、市町村旗紹介の後は観閲行進です。
※今回観閲式に参加した部隊を可能な限り全て掲載しました。
似たような構図、似た写真が何枚も何十枚も続きますがご了承ください。

観閲行進では「祝典ギャロップ」が演奏されます。
演奏するのは守山駐屯地の第10音楽隊です。
この部隊は第10師団隷下の音楽部隊で行事や音楽祭などの演奏をおこないます。

観閲行進、先行は観閲式の観閲部隊副連隊長を載せた82式指揮通信車です。
82式指揮通信車は国産初の装輪装甲車で師団司令部や特科部隊の本部などに配備されています。
<第49普通科連隊>

観閲行進開始!
まず最初の部隊は第49普通科連隊です。
第49普通科連隊は平成16年部隊が編成された新しい普通科(歩兵)部隊で、今年10周年を迎えました。

第49普通科連隊、最初は連隊本部です。
第49普通科連隊はもともとは第10師団隷下の普通科部隊として編成されましたが、平成26年3月の改編で第10師団から中部方面隊の直轄部隊になる中部方面混成団に編成換えとなっています。

続いて第1中隊です。
第49普通科連隊は5つの普通科中隊と1つの重迫撃砲中隊の6個中隊と本部、本部管理中隊により編成されています。

続いて第2中隊です。
装備は高機動車。
高機動車は中型の人員輸送用トラックとして開発された車両で、合計10名の乗員をのせることができます。

続いて第3中隊です。
装備は高機動車。
高機動車は既に全国の普通科部隊等への配備が完了済みで、退役車両の更新も順次行われているようです。
この高機動車を民間仕様にしたものがメガクルーザーとして市販されていました。

続いて第4中隊です。
装備は軽装甲機動車です。
軽装甲機動車は普通科部隊等に装備され4名の乗員を乗せて戦略起動や戦場機動などに用いられます。
固有の武装はありませんが小銃、機関銃、軽対戦車誘導弾の装備が可能です。
自衛隊の装甲車両の中ではめずらしく大量装備されていて、普通科部隊の機械化をいっきにすすめた装備になります。

続いて第5中隊です。
装備は高機動車。
第49普通科連隊は常備自衛官を中心に即応予備自衛官により編成されたコア部隊となっています。
即応予備自衛官とは元自衛官が普段はそれぞれの職業に従事しながら、有事や大規模災害の際に召集されて常備自衛官と同じように部隊の一員として行動を行います。
そのために即応予備自衛官として必要な知識・技術などを維持するために年間30日間の訓練を行うことになっています。

第49普通科連隊ラストは重迫撃砲中隊です。
連隊の火力支援を行う中隊で、装備は120ミリ迫撃砲RTです。
フランス製の重迫撃砲でこのように高機動車により牽引されます。
最大射程は通常弾で8100メートル、ロケット噴進弾で13000メートルといわれ、従来の軽砲(105ミリりゅう弾砲)に匹敵する威力と射程をもっているようです。
<第306普通科直接支援中隊>

続いては第306普通科直接支援中隊です。
第306普通科直接支援中隊は第49普通科連隊の車両や火器・火砲等の整備補給を行う部隊で、中部方面後方支援隊の隷下になっています。
第49普通科連隊が第10師団隷下から中部方面混成団隷下にともなって第10後方支援連隊第2整備大隊第4普通科直接支援中隊から新編されました。

装備は整備車(手前)と重レッカ(奥)。
重レッカは大型の車両や火砲の整備には欠かせない装備で、最大吊り上げ能力は実に10トンにもなるそうです。
観閲式後編に続きます。
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Posted at
2014/10/05 23:07:35