気がつけば2015年の年が明けたと思えばもう1月も終わり。
これを書いてるのは2月の上旬というつっこみはおいといて、2月といえば例年海上自衛隊が伊勢湾で機雷戦訓練を行います。
それに先立って三重県松阪市にある松阪港で艦艇一般公開が1月31日に行われました。
いってきましたよ~。
しかもこれに気がついたのが1月29日。
近くはないですが、松阪市ならいけないこともない・・・よね?
どうしようかな・・・・よし、いくか。
前日の会社の飲み会をキャンセル(元から行く気なかったですが)して準備万全(?)
いざ三重県松阪に!

きしゃは~闇をぬ~けて~ひか~りのうみへ~
って別にトンネルをぬけるでもなくふつーに近鉄特急で名古屋から松阪へ。
近鉄特急は快適なんですが特急料金が・・・・
さて、松阪駅につきました。
会場は松阪港の北埠頭です。
駅から4kmぐらいあるのでさすがに徒歩はきついので・・・
かっちゃかっちゃかちゃかちゃかっちゃかちゃ~めーたーが~まわる~♪
走れ~た~くし~びゅんびゅんはしれ~♪
(この歌を知ってる人はうまい酒が飲めそうだ。私は酒が飲めないけど)
松阪港に到着すると・・・

やばい・・・
鼻血でそうなぐらい興奮してきました。
掃海艦艇がズラリ!
こいつはすごいぜ!
伊勢湾で行われる機雷戦訓練ですが、今年は2月1日から10日の期間で艦艇22隻、航空機2機というかなり大規模な訓練のようです。
これがそのまま松阪港にズラリと係留されてるのですから迫力満点!
ではみていきましょうか。

この1枚には5隻の掃海艇が写っていますが、スペイン海軍やオランダ海軍の掃海艇の保有数がそれぞれ6隻(ジェーンズ2013-2014より)ですからそれに匹敵する掃海艇が停泊していることになります。

3隻ならんだ”ひらしま”型掃海艇(基準排水量570トン、満載排水量650トン)です。
奥からMSC-601「ひらしま」、MSC-602「やくしま」、MSC-603「たかしま」です。
それぞれ掃海隊群第2掃海隊に所属していて、定係港は佐世保です。
掃海艇といえば磁気をおびない木製で船体を作るのが標準的でしたが、”ひらしま”型掃海艇は海上自衛隊で最後の木造掃海艇になります。
国産の掃海具S-10を搭載しています。
写真で艇尾に搭載されている黄色いものがS-10になります。

こちらは”すがしま”型掃海艇(基準排水量510トン、満載排水量590トン)になります。
奥からMSC-683「つのしま」、MSC-684「なおしま」です。
両艇とも呉地方隊の阪神基地隊第42掃海隊に所属しています。
”すがしま”型は船体は木造ですが煙突はFRP製になっています。

こちらも”すがしま”型掃海艇です。
奥からMSC-690「みやじま」、MSC-688あいしま」です。
両艇とも掃海隊群第1掃海隊に所属していて、定係港は呉になります。
2本の煙突が特徴の”すがしま”型掃海艇は平成7年から15年にかけて12隻が建造された海上自衛隊の主力掃海艇です。
掃海具は外国製のPAP104というものを搭載しています。
発電機を船首楼内に設置することで水中雑音が低減できたそうです。

こちらは”うわじま”型掃海艇(基準排水量490トン、満載排水量570トン)。
奥からMSC-680「ながしま」、MSC-679「ゆげしま」です。
両艇とも大湊地方隊函館基地隊第45掃海隊に所属していて定係港は函館になります。
”うわじま”型は昭和63年~平成6年度計画で9隻が建造された掃海艇で、200メートル程度の水深まで対応可能な海上自衛隊で初の中深度掃海艇です。
”うわじま”型で現在掃海艇として現役なのはこの”うわじま”と”ながしま”のみのようで、中深度の掃海を行う場合は2隻でペアになって1組の掃海具を曳航して対応するようです。
掃海具はS-7(Ⅰ型)を装備しています。

こちらは”いえしま”型掃海管制艇(基準排水量490トン、満載排水量570トン)です。
MCL-729「まえじま」、MCL-730「くめじま」の2隻はともに掃海隊群第101掃海隊所属で、定係港は呉になります。
元は”うわじま”型掃海艇でそれぞれ平成25年、26年に掃海艇から掃海管制艇に種別変更されています。
掃海管制艇は自航式掃海具SAMの母船として管制を行う艦艇になります。

掃海管制艇「まえじま」を艇首から。
元々は”うわじま”型掃海艇なので外観に大きな差はありませんね。
20ミリ機関砲にはカバーがされています。

「まえじま」の後部甲板。
フロートや掃海具、磁気掃海具が撤去されています。
磁気掃海具のリールはそのまま残っているようですね。

「まえじま」の艇橋。
掃海艇は各種の機器を用いて掃海作業を行うため、比較的小型の艦艇ですが45名の乗員を載せています。
掃海管制艇は掃海具ではなくSAMの管制を行う艦艇なので乗員は28名に減少しています。

「まえじま」「くめじま」を後ろから。
SAMは横付けされていないようです。
SAM(Self-propelled Acoustic and Magnetic)は遠隔操縦式掃海具1型と呼ばれるスゥエーデン製のリモコン掃海具です。
中型掃海艇が進入できない浅深度水域の掃海をおこないます。
ここにSAMがみあたらなかったので、掃海母艦に格納されてたのかな?
掃海管制艇1隻で2機のSAMを管制できるそうです。

掃海母艦「ぶんご」の搭載艇が母艦に向かっています。
乗員の交通のためでしょうか?
掃海母艦MST-464「ぶんご」(基準排水量5700トン、満載排水量6850トン)は”うらが”型掃海母艦の2番艦として平成7年度に計画された大型掃海母艦で掃海隊群直轄艦として呉を母港としています。
非常に広大なヘリコプター甲板をもっているので、大型ヘリコプターMH-53Eの運用も可能で航空掃海具も格納ができます。
掃海艇は比較的小柄の艦艇なので居住空間も狭く掃海具など掃海作業に必要ではないもの以外を積む余裕はほとんどありません。
そのため掃海には支援が不可欠です。
「ぶんご」は満載で6850トンは「あきづき」型護衛艦に匹敵する排水量で、掃海艇への補給支援やヘリコプター掃海の支援、旗艦としての司令部機能に機雷敷設機能までもっています。
大型艦なので松坂港に停泊ができないのか、沖合いに停泊していました。

3隻並んでいるのは”やえやま”型掃海艦(基準排水量1000トン、満載排水量1200トン)。
岸壁側からMSO-302「つしま」、MSO-303「はちじょう」、MSO-301「やえやま」です。
他の掃海艇よりひと周りほどおおきく掃海「艇」ではなく掃海「艦」ですね。
3隻とも掃海群第51掃海隊に所属していて定係港は横須賀になります。
平成元年~2年度計画で3隻が建造された海上自衛隊初の掃海艦で、1000トンを超える排水量でありながら船体は木造となっています。
対潜用深々度機雷への対処をするのが主務ですが、乗員の方に伺ったら掃海艇と掃海艦の船の大きさ以外での使われ方の違いは特にないそうです。
ただ船が大きいのでその分燃料が大量に積めるため遠方への航行に有利で海外での訓練にも”やえやま”型が選ばれたそうです。

「やえやま」型を後方から。
艦尾には自衛艦旗が掲げられていますね。
これは軍艦旗と同じ意味を持つもので極めて重要な旗です。
旗のサイズは横方向は縦方向の1倍半、日章は直径が縦の1/2で中心から左に1/6ほど偏っています。
光線は日章の中心から11度4分の1に開くなど規定されてるようですよ。
一方で艦首には日の丸が掲げられています。
通常航海時には国旗は掲げず、艦尾に自衛艦旗を掲げますが、停泊中は日の丸を掲げます。
自衛隊の施設では午前8時から日没まで国旗を掲げるように決められていますが、これにならって自衛艦も停泊中は艦首に国旗をかかげています。
であごすてぃーにの自衛隊モデルコレクションでは艦首に日の丸が掲げられていますので停泊中なんでしょうね。

「はちじょう」の艦尾。
搭載艇が係留されています。
掃海作業では水中処分隊員(掃海のダイバー)が海に潜って作業をすることも多いでしょうから機動力のあるゴムボートは重宝するんでしょうね。

こちらの3隻は”すがしま”型掃海艇。
海側からMSC-682「のとじま」、MSC-686「うくしま」、MSC-685「とよしま」です。
「のとじま」は舞鶴地方隊第44掃海隊(定係港は舞鶴)、「うくしま」と「とよしま」は佐世保地方隊第43掃海隊(定係港は下関)に所属しています。

こちらは”えのしま”型掃海艇(基準排水量570トン、満載排水量660.トン)。
海側からMSC-604「えのしま」、MSC-605「ちちじま」でともに横須賀地方隊第41掃海隊に所属しています(定係港は横須賀)。
海上自衛隊最新の掃海艇で、従来は木造だった船体が”えのしま”型からガラス繊維強化樹脂(GFRP)製になっています。
掃海具等は「ひらしま」型と同じですが、GFRP化で腐食の心配がなくなったために船体の寿命は約30年に延びたそうです。
続くよ。
掃海隊群艦艇一般公開in松阪 その1/その2/その3